カルティエ タンク

「タンク」とは英語で戦車を意味します。1917年にカルティエによって発表された時計コレクションからは、戦場を走り回る戦車を真っ先に連想することはできませんが、じっくりと見てみると、第一次世界大戦に投入された戦車をモチーフにしたいくつかのデザイン要素が使用されていることが分かります。例えば、直線的で長いラグは戦車のキャタピラをイメージしたデザインになっています。

タンクの元祖モデルには、現在ラインアップされている大半のモデルと同じく、斜体のローマインデックスが見られます。さらなる特徴は、レイルウェイミニッツトラック、並びに2本のブルースティール針で、秒針は備えられていません。これらの特徴は、現行モデルの多くにも継承されています。また、当時まだ珍しかったスクエア型のケースフォルムと直線的なデザインを持つタンクは、発売から数年間で大きな人気を誇るモデルとなりました。

タンクは、発売されてからこれまでの長い間に多くの変更を経てきました。発売当時からこの時計は様々な種類で提供されており、ソロ、アメリカン、フランセーズ、アングレーズのシリーズに分けられています。これらのシリーズでは、ペアルックとしても適しているレディース時計とメンズ時計がラインナップされているのに対し、タンク MCでは男性用時計のみが提供されるメンズコレクションとなっています。

カルティエは様々なケース素材、異なるムーブメント、ブレスレットやストラップの種類を使用していますが、タンクの基本的な特徴と設計はすべてのモデルに共通しています。素材にはステンレス、ゴールド、その他の貴金属が使用されています。駆動には高精度なクォーツ機構もあれば、繊細に装飾された自社ムーブメンもあります。

最も安い価格で提供されているのは、クォーツ駆動のステンレスモデルです。状態の良い中古品は、約12万円でご入手いただけます。未使用品は、約30万円からの価格で提供されています。機械式のステンレスモデル、また、イエローゴールドやピンクゴールドなどの高級モデル、そしてダイヤモンド装飾が施されたモデルには、これより格段に高い価格が付けられます。最も高額で販売されるモデルのひとつに、ホワイトゴールドのタンク MC Ref.HPI00623があります。このモデルのメーカーの国内定価は3392万円4000円ですが、ジュエリー装飾付きのその他のゴールドモデルには約190万円からの価格で提供されているものもあります。

タンク ソロ シリーズの時計は、タンクコレクションへの入門です。ケースサイズ24.4mm x 31mmのRef.W5200013は、細身の女性の手首によく似合います。ケースとブレスレットの素材はステンレスで、駆動は高精度なクォーツ式です。時刻は、ブルースティールの時針と分針によって表示されます。白の文字盤には12のローマインデックスが見られ、リューズにはタンク ソロの定番であるブルーの合成スピネルカボションが取り付けられています。Ref.W5200013の未使用品は、約29万円でご購入いただけます。中古品をご希望の方は、約21万円のご予算をお立てください。

Ref.W5200025は18Kピンクゴールドモデルで、サイズはやや大きめの27.4 mm x 34.8mmです。カルティエは、この腕時計の時刻の表示にもクォーツ機構を採用しており、ブラウンのレザーストラップによって手首に着用されます。このモデルの未使用品は約52万円、中古品は約43万円でご購入いただけます。

タンクを開発し、自身の腕にも着用していたルイ・カルティエの名を持つ、1917年に発売された元祖モデルに最も近いモデルが、タンク ルイ カルティエです。同モデルはイエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドの種類で提供されており、レザーストラップで手首に巻かれます。手巻きムーブメント8971 MCを搭載するRef.WGTA0011の未使用品は、約120万円で販売されています。このモデルのケースは18Kイエローゴールドから成り、サイズは25.5mm x 33.7mmです。中古品のご購入をご希望の場合、約95万円のご予算をお立てください。

ダイヤモンドが使用された時計の価格は、もちろんそれより高くなります。タンク ルイ カルティエRef.WJTA0011 がその一つです。このモデルのケースとリューズは18Kホワイトゴールドで、ケースサイズは22mm x 29.5mmです。ケースの横側の表面には41粒のダイヤモンドがちりばめられており、その重量は合計0.47カラットになります。この腕時計は、カルティエによる手巻きムーブメント8971 MCで駆動されています。この腕時計の未使用品は約175万円での提供されています。中古品は市場ではまだほとんど見られません。

メンズ時計であるタンク ルイ カルティエRef.W1529756のサイズは34.9mm x 40.4mmで、素材は18Kホワイトゴールドです。ケースには、合計43粒のブリリアントカットが施されたダイヤモンドで装飾されています。銀文字盤の表面には、12の黒文字のローマインデックスが見られます。時・分の表示は、2本のブルースティールのセンター針によって行われます。この腕時計を駆動する機構は、手巻きの430 MCです。この時計には、ブラウンのアリゲーターレザーストラップが付いてきます。未使用品の価格は約280万円で、中古品は市場ではまだほとんど見られません。

スクエアケースのタンク アングレーズにおける最大の特徴は、ケースに埋め込まれたリューズです。ケース右側の穴が開いたバーによって、埋め込まれたリューズが保護されています。カルティエはこの時計を、クォーツ式と機械式自動巻きの異なる種類で提供しています。

Ref.W5310009は、ステンレスケースとブレスレットを持つレディース時計です。この時計のサイズは29.8mm x 39.2mmで、女性の手首に良く似合います。時刻の表示には、時針、分針、秒針が用いられます。また、3時位置には日付表示が設置されています。この時計を手首に巻くのは3連リンクのブレスレットで、その海ドルリンクにはサテン仕上げが施されています。価格は未使用約59万円で、中古約45万円になります。

タンク アングレーズの18Kピンクゴールドモデルは、それより格段にに高い価格で販売されています。Ref.W5310013のサイズは 22.7mm x 30.2mmで、クォーツ機構によって駆動されています。時刻の表示は、ブルースティールの時針と分針の2本のみによって行われます。風防には傷が付きにくいサファイアガラスが使用されており、文字盤を外の環境から保護しています。この時計は、ピンクゴールドブレスレットによって手首に巻かれます。未使用品の価格は約240万円ですが、中古品が見つれば、約175万円の価格でお買い求めいただけます。

これよりもっとエクスクルージブなモデルをお探しの方には、Ref.WT100002をお勧めします。このモデルはW5310013とほぼ同一ですが、ケースの表面は多数のダイヤモンドによって装飾されています。未使用品は約295万円の価格でご購入いただけます。中古品はそれより格段に安く、約165万円の価格で提供されています。

タンク フランセーズ コレクションには、様々な異なる素材から成る飾り気のあるたくさんのモデルがラインナップされています。最も安くご購入いただけるのは、クォーツ式のステンレスモデルで40万円以下からの価格でご入手いただけます。その他の素材の種類にはコンビ、ピンクゴールド、イエローゴールドが提供されており、さらにダイヤモンド装飾付きのバリエーションも用意されています。

シンプルな優雅さをお求めの方には、クォーツ式のRef.W51008Q3がお勧めです。20mm x 25mmのケースサイズは、細身の女性の手首に最適です。この時計は3連リンクのステンレスブレスレットで腕に着用され、価格は未使用約35万円、中古約26万円になります。

ダイヤモンド装飾付きのステンレス時計をお探しですか？その場合、Ref.W4TA0008がお勧めです。このモデルはサイズと機能に関してはRef.W51008Q3とほぼ同一ですが、ケースの横側は、合計重量0.49カラットの、24粒のダイヤモンドで装飾されています。この腕時計の未使用品は約69万円でご購入いただけ、中古品は約58万円で販売されています。

18Kゴールド製、ダイヤモンド装飾付きも入手可能

フランセーズ コレクションからの最高級モデルの一つに、Ref.WJTA0023があります。ケースとブレスレットは18Kピンクゴールドから成り、サイズは25mm x 30mmです。ケースは合計27粒のブリリアントカットのダイヤモンドで装飾されており、その総重量は0.70カラットです。このモデルの未使用品は約277万円でお買い求めいただけます。中古品は市場ではまだほとんど見られません。イエローゴールドモデルの価格それより若干高く、未使用約293万円になります。

イエローゴールドやピンクゴールドがお好みで、ダイヤモンド装飾は不要という方には、Ref.WGTA0030とRef.WGTA0032をお勧めします。これらのタンクモデルは、Chrino24にて約215万円でご購入いただけます。また、機能的には同一で小型なサイズのモデルも、イエローゴールドとピンクゴールドの素材で提供されています。サイズは20mm x 25mmで、価格は約195万円～240万円になります。

これに比べてやや大型なコンビモデルは、ユニセックス時計と言えます。ステンレスとイエローゴールドで提供されているこの時計のサイズは、28.15mm x 36.5mmです。駆動に使用されているのは自動巻きの機械式ムーブメントで、時・分・秒を表示します。さらに、6時位置には日付表示が設置されています。ブレスレットは3連リンクで、同じくコンビ素材で統一されています。このブレスレットでは、ステンレスのミドルリンクの各コマの間に、ゴールド素材が見られます。未使用品の価格は約65万円ですが、中古価格はそれよりずっと安く、約35万円で提供されています。

アメリカンは、その他のタンクモデルに比べて長めのケースフォルムを持っています。カーブを帯びたケースの素材には、ピンクゴールドやホワイトゴールドが使用されていますが、ステンレスのモデルも提供されています。アメリカンシリーズの時計は、約40万円のクォーツ式モデルのから始まり、ゴールドモデルやダイヤモンド装飾付きモデルにはその10倍もの価格が付けられます。

クォーツ駆動のステンレス時計Ref.WSTA0016は、同シリーズの入門モデルです。そのケースサイズは19mm x 34.8mmで、銀文字盤には12のローマインデックスが見られます。時刻表示には、ブルースティールの時針と分針が用いられます。このタンク アメリカンモデルを手首に巻くのは、ブルーのアリゲーターレザーストラップです。価格は未使用約40万円で、中古品はそれより3万円ほど安い価格でご購入いただけます。

Ref.W2620030のケースは18Kピンクゴールドから成り、サイズは22.6 x 41.6mmです。このモデルは自動巻きムーブメントによって駆動され、時・分・秒を表示します。さらに、6時位置には日付が表示されます。時計にはブラウンのレザーストラップが付いてきます。未使用品はChrono24で約125万円で販売されており、中古品は約93万円でご購入いただけます。

18KホワイトゴールドのRef.HPI00724のは、特に際立つ時計です。15.2mm x 27mmの小型なサイズの時計には、無数のダイヤモンドがちりばめられています。その総計は驚くべき451粒で、総重量は2.12カラットです。銀の文字盤上のローマインデックスは、黒の文字で統一されています。この時計に搭載されているクォーツ機構は、時と分をブルースティースの2針によって表示します。このような高級モデルには、それ相応の価格が付けられます。このモデルの未使用品は約505万円で販売されており、中古品はまだほとんど見られません。

カルティエ タンク MCの設計はスクエア型です。このシリーズにはメンズ用腕時計がラインナップされており、時計のケースサイズは大型です。入門モデルはステンレスのRef.W5330003で、自社ムーブメント1904-PS MCによって駆動されています。この時計には時針・分針の2本のセンター針が設置されており、6時位置にスモールセコンドが配置されています。また、日付表示は3時位置に見られます。時計を手首に巻くのは、ブラックのアリゲーターレザーストラップです。未使用品は約65万円の価格でご入手いただけます。中古品はこれよりずっと安く提供されており、その価格は約46万円になります。

ちょっと金銭的に余裕があり上品な腕時計を買いたい、という方には、Ref.HPI00623がお勧めです。この時計のケースと文字盤の素材には、18Kホワイトゴールドが使用されています。この高級モデルを駆動するのは、自社ムーブメント1904-AU MCで、サファイアクリスタルのケースバックを通してその動きを眺められます。ストラップはブラックのアリゲーターレザーで、ダイヤモンド装飾付きのホワイトゴールド製折り畳み式クラスプによって手首に固定されます。カルティエによる国内定価は3392万4000円ですが、Chrono24では運が良ければ2265万円以下でご購入いただけます。

Ref.W5310040は、18Kピンクゴールドのタンク MCのモデルです。この時計のサイズは34.5mm x 43.8mmで、特徴は、表と裏の両面から眺められる手巻き機構Cal.9619 MCです。ピンクゴールド素材の時針・分針・2本のドーフィン針によって、時刻が表示されます。この時計には、18Kピンクゴールドの折り畳み式クラスプ付き、ブラウン アリゲーターレザーストラップが付いてきます。未使用品の価格は約440万円になります。中古品のご購入をご検討さ入れている場合、中級の中古車約一台分の価格を節約でき、約300万円でご入手いただけます。

タンク コレクションの「タンク」という名称は、この時計のケース形の由来を明確に示しています。アメリカ軍のジョン・パーシング司令官 (1860年 - 1948年) は、ヨーロッパ派遣軍総司令官として1918年に初期のタンクウォッチの一本を受け取りました。これは、カルティエ社創立者の孫であったルイ・カルティエが、パーシング司令官に元祖モデルの一本を個人的に手渡ししたものであると言われています。カルティエは初の戦車を目にした後、1917年にこの時計を設計しました。とりわけルノー FT-17軽戦車が、形状へのインスピレーションになっていると言われています。1920年代に、それ以前多く広まっていた懐中時計の時代が徐々に終わりを迎えると共に、タンクウォッチがその頭角を現しました。