2022年12月02日 | 更新日: 2024年03月20日
 11 分

買い時は今!?投資対象になりそうなロレックス5選【2023年版】

Jorg Weppelink
Rolex-Investments-2023-2-1

ロレックスの時計の価格に関して言うと、2022円は非常に興味深い年だった。第1四半期の後、多くのリファレンスの価格が下落した。熱狂的人気がこれだけ続いた後とあって、一部の人はこれを「価格修正」と呼んだ。一方で、これが徐々にロレックスの価格正常化へとつながると考えた人もいる。最終的に、一部のロレックスモデルはいまだに定価の2倍から3倍の価格のままである。価格がいくらか落ち着いたとはいえ、いまだに小売レベルには程遠いのだ。 

価格が下がったことによって、いまだにロレックスに投資することで儲けられるのかという疑問も浮かぶ。著者が常に言っているように、時計で大きな利益を上げるということは、大抵は根比べなのだ。そしてこのような状態の市場では、絶対に確証はないものの、私たちはそのうちに価格が上がる可能性を持つであろうロレックスモデルを5本リストアップしてみた。ここで “そのうちに” というのは、より長い期間のことを意味している。投資への大きなリターンを得るための近道というものは、本当に存在しないのだ。このリストにあげた時計は、おそらく12ヶ月後よりも現在の方がより手頃な価格で購入できるはずだというもの。うち、いくつかは明白なチョイスであり、その他は驚きの選択肢かもしれない。それでは、良い投資対象となりそうなロレックスについて見ていこう。 

1. ロレックス GMTマスター II Ref. 16710

昨年、著者は良い投資対象としての可能性を持つ時計リストを、有名なロレックス GMTマスター II Ref. 1675で締めくくった。過去12ヶ月の間、このリファレンスの価格は上昇した。その上昇幅は、特にこの数ヶ月間は目を見張るものがあった。これはいまだに手堅い選択である。そこで、この新しいリストをこの定番タイムピースの現代バージョンで始めたい。1989年から2007年まで生産されていたこのロレックス GMTマスター II Ref. 16710は、2007年にブラックのセラクロムベゼルを持つスチールのRef. 116710がリリースされる前の、アルミニウムベゼルを持つ最後のリファレンスだった。 

長い生産期間の間、この時計は多くの異なるバージョンを生み出した。それにはペプシ&コークベゼル付きモデル、またフルブラックのベゼルバージョンも含まれている。さらに、1997年まで続いた最初のモデルにはトリチウムの夜光塗料が使われており、その後は1997年からおよそ1999年までルミノバへ、そして2000年からはスーパールミノバへと変更された。ロレックスはこの時計に自社製キャリバー3185を搭載。このムーブメントのおかげで、ロレックスは先代版に比べてケースを薄くすることができた。2007年以降の最後のモデルの一部には、実はアップデートされたキャリバー3186が使われている。全体としてこのGMTマスターは、セラミックベゼルに切り替わる前のあのクラシックなロレックス GMTマスタースタイルを求める人にとって、素晴らしいオプションである。もしトリチウム夜光の初期モデルを手に入れられたなら、素晴らしい未来の定番時計を手にすることになるが、正直に言って、Ref. 16710モデルのどれであっても素晴らしいチョイスとなるだろう。コークベゼルバージョンはやや低めの価格となっているが、ペプシベゼルバージョンもそれほど大幅に高額であるわけではない。わずか約145万円ほどから価格がスタートするこの時計は、本当に最高の選択肢なのだ。 

Always a great pick: the Rolex GMT-Master II ref. 16710
常に素晴らしい選択肢:ロレックス GMTマスター II Ref. 16710

2. ロレックス サブマリーナ Ref. 16610

お次は、このシリーズの以前の記事で著者が取り上げたロレックス サブマリーナである。そのコストパフォーマンスとその価格上昇の大いなる可能性を考えると、この時計、輝かしいロレックス サブマリーナ Ref. 16610を今回また取り上げることは簡単だった。Ref. 16610は、特にセラミックベゼルを持つモダンなサブマリーナと比べると、格安品である。Chrono24では現行サブマリーナのRef. 126610がおよそ200万円、よりがっしりした先代のRef. 116610がおよそ160万円〜170万円となっている。ロレックス サブマリーナ Ref. 16610はおよそ120万円からと、大幅に手頃な価格がついている。 

この時計が非常に素晴らしいチョイスである理由を説明しよう。サブマリーナ Ref. 16610は1988年から2010年まで製造されていた。この20年の間に、ロレックスは一連の小さなアップデートを行った。最も重要なものの1つが、90年代後半のトリチウム夜光塗料からルミノバへ、そしてスーパールミノバへの切り替えであった。よりヴィンテージスタイルの時計がお好みなら、文字盤に “SWISS – T<25” の表記があって簡単に見分けのつくトリチウムモデルを探すことをお勧めする。ルミノバのモデルは文字盤に “SWISS” とだけ、スーパールミノバのモデルには “SWISS MADE” の表記がある。一般的にはサブマリーナ Ref. 16610の価格はおよそ120万円から始まり、約200万円までになる。最近ではロレックスの時計を145万円以下で見つけることは難しくなっているため、これは予算の限られた購入者たちにはぴったりのモデルだ。  

Rolex Submariner ref. 16610
ロレックス サブマリーナ Ref. 16610

3. ロレックス デイトジャスト Ref. 16234

手頃な時計にこだわって記事を続けよう。次はロレックス デイトジャストだ。多くの人にとって、デイトジャストは価格という点において、ロレックスワールドに入る素晴らしい入口であり、ほとんど全てのシチュエーションで使える素晴らしい時計だ。デイトジャストはカジュアルにもフォーマルにも使える。このリストのために、著者は1988年に発表されたデイトジャスト Ref. 16234を選んだ。このモデルはデイトジャストにとって一歩進んだものであり、ヴィンテージデイトジャストの雰囲気を保ちながら、サファイヤクリスタルを採用した。後継の世代はよりがっしりとしたラグを持ち、そのためにデイトジャストの優雅な外観を本質的に変えてしまっている。 

Ref. 16234はホワイトゴールドのフルーテッドベゼル付きの36mm径ステンレススチール製ケースを持ち、それによってステンレススチール製ベゼルを持つ同じ世代のRef. 16220とは異なっている。どちらのオプションも素晴らしいデイリーユース用の時計だ。著者がRef. 16234を選んだ理由は、ホワイトゴールドのベゼルのルックスの方が若干好ましいからだが、これは純粋に個人的な好みの問題である。どちらも最高の選択肢で、さまざまな文字盤カラーとデザインから選ぶことができる。通常のアワーマーカーを持つブラックダイヤル、またはシルバーダイヤルも選べる。あるいはサーモンカラーの文字盤にローマ数字はどうだろうか?著者は常にこのバージョンに弱かった。あなたのチョイスがどれであれ、この時計は家を抵当に入れたりせずに購入できるのだ。デイトジャスト Ref. 16234の価格は、時計のコンディションと文字盤の希少性によっておよそ65万円から120万円ほどとなっている。その全てのバージョンが、ヴィンテージの雰囲気を持ちながらも、キャリバー3135とサファイアクリスタルのために現代技術の恩恵を受けた時計である。これは長い時間の間にさらに人気が高まること間違いなしの素晴らしい時計だ。 

Rolex Datejust ref. 16234
ロレックス デイトジャスト Ref. 16234

4. ロレックス エクスプローラー II Ref. 16570

ロレックス エクスプローラー Ⅱ Ref. 16570もまた、以前の徐々に価値が上がる可能性がありそうな時計のリストで取り上げたものだ。著者が最も驚いたのは、このモデルの価格がおよそ95万円から始まること、しかし主に日本でという点だ。これはロレックスのスポーツモデルの多くに見られる価格ではない。そのため、これは時計を使いながら長い期間に価値が上がるのかどうか見てみたいという人にとっては、素晴らしいチョイスかもしれない。著者としては、最後の40mmサイズのエクスプローラー Ⅱというステータスを考えると、その価値が上がることは間違いないと思う。これは1989年にRef. 16550の後継としてデビューし、先代モデルに比べていくつかの重要な変更を受けていた。Ref. 16570は有名なキャリバー3185を搭載しており、これはテクノロジーの点からすると大きな飛躍であった。ロレックスはこのモデルの最後の生産の際に、先代からマイナーな変更をいくつか施したキャリバー3186をエクスプローラー Ⅱに採用した。 

ロレックスはエクスプローラー II Ref. 16570を合計22年間生産し、2011年に全く新しい大型のRef. 216570に置き換えた。この時計は、ブラックの文字盤とホワイトの “ポーラー” 文字盤の2種類から選択できる。ホワイトの文字盤では、アワーマーカー周辺のホワイトゴールドのアウトラインがブラックに変更され、素晴らしいコントラストを生み出している。また、ロレックスはRef. 16570の夜光塗料をトリチウムからルミノバ、スーパールミノバへと徐々に更新してきた。Ref. 16570の価格は、オリジナルのボックスと書類なしでおよそ95万円〜110万円の間からとなっている。ボックスと書類付きの完全なセットを希望するに場合は、状態にもよるが、115万円〜160万円程度を見積もる必要がある。より新しいエクスプローラー IIモデルの価格を考えると、これは非常にお得だ。 

Rolex Explorer II ref. 16570
ロレックス エクスプローラー II Ref. 16570

5. ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655

このリストの最後には、もう1つのロレックス エクスプローラーⅡ、正確にはこのモデルの初代をあげたい。これは誤解を招く “スティーブ・マックィーン” というニックネームを持っている。このハリウッドのアイコンがこの時計を装着しているところを決して見かけられたことはなかったにもかかわらず、である。どちらにせよ、これは全ての注目にふさわしい素晴らしいタイムピースである。この時計はエクスプローラーラインにおけるロレックスの次のステップだった。Ref. 1655が1971年にデビューした際、これは洞窟学者とその他の洞窟探検家向けのものとして作られた。この時計の目を見張るようなデザインは通常のエクスプローラーとは異なり、24時間表示ベゼルと24時間表示を指し示す追加の針を併せ持っていた。この機能のおかげで、探検家たちは地下洞窟の暗闇の中に長期間いる間も、昼夜の区別をすることができるのだ。便利なことに、この追加の針は第2タイムゾーンを示すGMT針としても機能する。 

GMTベゼル付きの40mmサイズの時計であることに加えて、この時計は確かに常に読みやすいとは限らない奇抜な文字盤を持つ。通常の60分目盛に5分毎に太めのマーカー、特大のマーカーが6、9、12時位置に、そして3時位置には日付表示窓がある。分目盛の外には余分な目盛があり、そこには24時間表示上の奇数時間のマーカーがついている(ベゼル自体には黒いラインでマークされている)。ロレックスはこの目盛に大型のオレンジの針を付け加え、24時間目盛の上で第2タイムゾーンを示すことができるようにした。この2つ目の目盛を合わせることはまぎらわしいかもしれないが、ロレックスの世界では、これらの風変わりなデザイン要素はしばしば非常に愛されているのだ。著者個人としては、GMT機能と合わせて非常に際立ったこのダイヤルデザインが大好きだ。エクスプローラー II Ref. 1655は、1988年に現在のエクスプローラーⅡデザインを導入したRef. 16550にとって変わられるまで生産されていた。しかしRef. 1655は、ロレックスファンの間で非常に愛され続けている時計だ。この時計の価格は他の定番時計の価格からは程遠く、290万円〜360万円の間からスタートし、オリジナルのボックスと書類付きのもので650万円〜720万円にまで及ぶ。過去のアイコンの一部はこれよりもずっと高額であることを知っているため、この見事なエクスプローラー II Ref. 1655の価格は徐々に上昇していくと予想できる。 

Rolex Explorer II ref. 1655
ロレックス エクスプローラー II Ref. 1655

というわけで、これが私たちが選んだ素晴らしい投資対象になりそうなロレックス時計5本である。それでは、良い時計に出会えることを願っている。 


記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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