ボールウォッチ

ボール ウォッチの歴史は、1891年4月19日にアメリカで起きた悲劇的な列車事故から始まりました。当時、クリーブランド近郊で2台の列車が衝突。運転士の懐中時計が数分間停止したのが原因でした。この列車事故の後、宝石商として精度の高い時計を販売していたウェブスター・クレイ・ボールは、「鉄道標準時計の基準」を定めるよう依頼されたのでした。ボールが定めた基準に則って作られた鉄道時計は、1893年には北米の鉄道に導入されました。1895年以来、ボール ウォッチは最高品質の時計を製造し続けています。

創業以来、ボール ウォッチのデザインは何度も変更されていますが、当時のディテールは現在でも文字盤にしっかりと残されており、そのデザインはアメリカ鉄道時計のデザインガイドラインに沿ったものです。今日、ボール ウォッチは、アメリカが誇る時計ブランドのひとつです。また、スイスに製造拠点を持ち、数年前からヨーロッパでも人気を集めています。なかでも、エンジニア、エンジニア II、エンジニアマスター II、エンジニア ハイドロカーボン、ファイヤーマンは特によく知られているコレクションで、ロードマスターコレクションにも魅力的なモデルがそろっています。

ボール ウォッチは先進テクノロジーでも知られ、革新的なスイスのレーザー技術を応用した自発光マイクロガスライトは、特に注目される点です。同ブランドによると、このマイクロ・ガスライトは外部エネルギーを必要とせず、通常のスーパールミノヴァ製アワーマーカーよりも100倍明るく輝くとされています。

ムーブメントについては、モデルと機能に応じ、自社製ムーブメントとスイスのETA社製をベースとしたムーブメントの両方を使用しています。

ボール ウォッチは未使用の場合、約15万円で購入が可能です。3 針モデル、日付表示機能を備えたステンレススチール製のファイヤーマン エンタープライズの価格は約15万円。曜日表示機能を備えたステンレススチール製のエンジニアIII の価格は約24万円です。エンジニア マスター IIのようなダイバーズウォッチの場合、価格は30万円前後から。エンジニア マスター II スキンダイバーヘリテージは、約32万円。GMT機能を搭載したモデルをお探しの場合、限定モデルのロードマスター マリン GMT セラミックがおすすめです。Chrono24では約38万円から。クロノグラフモデルの場合、価格はわずかに高く、ETA社製のムーブメントをベースにした自動巻きクロノグラフキャリバーを搭載したストークマン ストーム チェイサーは約40万円で購入可能です。

貴金属製のボール ウォッチは稀少性が高く、高価格帯に位置します。ボール トレインマスター「ドクターズ クロノグラフ」は、イエローゴールド製またはプラチナ製で展開され、イエローゴールド製の場合は約145万円、プラチナ製の場合となると、450万円以上の価格が付けられています。

エンジニア コレクションは、ボール ウォッチの中でも種類が最も豊富で、エンジニア II、エンジニア III、エンジニア M、エンジニア、エンジニアマスター II、エンジニア ハイドロカーボンと分かれています。

エンジニアII：クラシックなデザイン、スポーティかつエレガント

エンジニア II の一例は、世界限定1,000本のエンジニア II スキンダイバー ヘリテージ（Ref. DM3208B-S1C-BK）です。このモデルは、ブラックの文字盤に夜光塗料が施された台形型インデックスを備えたクラシックなダイバーズウォッチデザインで、文字盤、ベゼル、針には合計31本のマイクロガスライトが使用され、スキンダイバー ヘリテージの優れた視認性を保証します。

ケースサイズ42mm径のステンレススティール製このモデルには、クロノメーター認定を受けたETA社製のムーブメントをベースにした自動巻きBALLキャリバーRR1102が搭載されています。また、時分表示に加え、3時位置には日付と曜日が表示され、防水性は200m（20気圧）です。エンジニア II ヘリテージの価格は未使用の場合、約35万円。

エンジニア II マーベライト（Ref. NM2026C-S6J-BE）は、サテン仕上げのベゼルを備えたスポーティかつエレガントなモデル3針モデルです。インデックスと針には14本のマイクロガスライトが使用され、時刻表示を見やすいものにしています。ケースサイズは40mm径で、防水性は100m（10気圧）。文字盤カラーはブラック、ブルー、シルバー、ホワイトから選ぶことができます。

この時計に搭載されているのは、自動巻きのBALL キャリバーRR1103で3時位置に日付表示を備えています。価格は未使用の場合、約18万円です。

ボールウォッチの技術力が光るエンジニアIII

世界限定3,000本のブロンズ・スター（Ref. NM2186C-L1J-BK）は、ボールエンジニア III の一例で、ケースはブロンズ製の直径43mm。ブラックの文字盤のインデックスにはスーパールミノバが施されたアラビア数字が配置されています。さらに、14本のマイクロガスライトが暗闇での視認性を確保しています。このモデルは5,000Gsの耐衝撃性と1,000ガウスの耐磁性、曜日と日付表示付きで、ムーブメントにはBALLキャリバー RR1102が搭載されています。価格は未使用の状態で約29万円。

エンジニア III オハイオ（Ref. NM9026C-S5CJ-BK）は40mm径のステンレススティール製で、文字盤は極めてシンプルで、一見、同名のロレックスのエクスプローラーダイヤルを彷彿とさせるデザインです。アワーマーカーは6時、9時、12時にアラビア数字、その他は台形型のインデックスが採用され、3時位置には日付表示窓も配置されています。この時計でも、15個のマイクロガスライトが視認性を確保しています。搭載されているムーブメントは、クロノメーター認定を受けたBALL キャリバーRR1103-C。文字盤カラーはブラック、ブルー、グリーン、シルバーの4色展開で価格は未使用の場合、約22万円です。

自社製キャリバーを搭載したエンジニアM

2023年12月の時点では、ボールのエンジニアMコレクションには、自社製キャリバーを搭載した4つのモデルがあります。エンジニア M スキンダイバーIII ビヨンド（Ref.DD3100A-S2C-BE）は、クラシックな外観と逆回転防止ベゼルを備えたダイバーズウォッチです。世界限定1000本で、ブルーの文字盤にバーインデックスを備えています。ベゼル、インデックス、針には合計35本のマイクロガスライトが使用され、スキンダイバー III ビヨンドの視認性を高めています。

ケースサイズは41.5mm径で素材はステンレススチール製。300m（30気圧）の防水性に5,000Gsの耐衝撃性、約60ガウスの耐磁性を備えています。搭載されているBALL キャリバー 7309-Cはクロノメーター認定を受けたムーブメントでパワーリザーブは80時間。Chrono24では、未使用の状態で約40万円で購入可能です。

エンジニア M スキンダイバーIII（Ref. DD3100A-S1C-BK）も世界限定1,000本のモデルで、技術的にはエンジニア M スキンダイバー III ビヨンドと同じですが、文字盤カラーはブラックです。価格も同じく約40万円です。

ボールエンジニア M マーベライトはケースサイズ43mm（Ref.NM2128C-S1C-BK）と40mm（Ref.NM2032C-S1C-BK）の2サイズ展開。ベゼルはサテン仕上げ、ブラックの文字盤には、バーインデックスと針に15本のマイクロガスライトが使用されています。どちらのモデルも100m（10気圧）の防水性、約60ガウスの耐磁性を備えています。また、ムーブメントには、クロノメーター認定を受けた自社製のBALL キャリバーRRM7309-Cが搭載されています。

エンジニア M マーベライトの価格は、43mmサイズの場合は約39万円、40mmサイズの場合は、約44万円です。

エンジニアマスター II：ダイバーズウォッチとパイロットウォッチ

エンジニアマスター IIシリーズを代表するスキンダイバーヘリテージには2つのモデルがあり、ブラック文字盤（Ref. DM3308A-SCJ-BK）とブルー文字盤（Ref. DM3308A-S1C-BE）があります。文字盤のバーインデックスにはマイクロガスライトが使用され、どちらも42mmのステンレススティール製ケースで、300m（30気圧）防水性を備えています。また、5,000Gsの耐衝撃性と1,000ガウスの耐磁性も備えています。自動巻きBALL キャリバー1102-Cは、クロノメーター認定を受けています。Chrono24では、未使用のエンジニアマスター II スキンダイバー ヘリテージが約32万円で購入可能です。

エンジニアマスター II ダイバー クロノメーター（Ref. DM2280A-S1C-BKR）は、インナーベゼルとブラック文字盤を備えた世界限定1,000本のダイバーズウォッチです。ケースサイズは42mm径で防水性は300m（30気圧）。ベゼル、文字盤、針には合計36本のマイクロガスライトが使用されています。エンジニアマスター II ダイバー クロノメーターは、1,000ガウスの耐磁性と5,000Gsの耐衝撃性を備えています。搭載されているBALL キャリバーRR1101-CはCOSC認定を受けたムーブメントで、時、分、秒に加えて3時位置に日付を表示します。価格は、未使用の場合で40万円前後前後です。

エンジニア ハイドロカーボン - 探検家と冒険家の時計

ボールウォッチは、エンジニア ハイドロカーボン コレクションで、探検家や冒険家のための時計を数多く展開しています。搭載されているムーブメントはクロノメーター認定を受けたもので、ボールウォッチが特許を持つスプリングロックとスプリングシールシステムを採用し、1,000ガウスの耐磁性と7,500Gsの耐衝撃性を実現しています。また、ハイドロカーボンコレクションの時計のほとんどに、リューズガードを跨ぐように取り付けた頑丈なプロテクション・プレートを装備しています。

Ref. DM2118B-SCJ-BKは、ダイバーズウォッチファンなら、その価値を十分に実感できるモデルです。40mmサイズのブラック文字盤を持つこの時計は、ドットインデックスとバーインデックスの典型的なダイバーズウォッチデザインをしています。ベゼルの表面は硬質なサファイアクリスタル製で、他のボールウォッチと同様にマイクロガスライトが文字盤とベゼルのインデックスを照らします。

また、200m（20気圧）の防水性に1000ガウスの耐磁性を備えています。内部には、BALL キャリバー RR1102-CSLが搭載されています。価格は、未使用の場合で約45万円。Ref. DM2218B-SCJ-BKは、ケースサイズが43mm径、文字盤カラーはブルーとグリーンの2色展開。価格は約48万円です。

ハイドロカーボン GMT＆クロノグラフ

GMT機能付きのボールハイドロカーボンをお探しの場合、エアロGMTがおすすめです。Ref. DG2118C-S3C-BKはケースサイズ40mm径で、表面がサファイヤクリスタル製のブラックとレッドの24時間ベゼルを備えています。内部にはクロノメーター認定を受けたBALL キャリバーRR1201-Cが搭載されています。防水性は100m（10気圧）。価格は約348万円で、ブラックとグリーンのベゼルを備えたモデルでは、40mmサイズ、42mmサイズともに同じぐらいの価格です。

エンジニア ハイドロカーボンコレクションには、機械式クロノグラフもあり、そのひとつがレーサークロノグラフ（Ref. CM2198C-S1CJ-SL）です。このモデルは、バイコンパックスデザインのクラシックな文字盤で、カラーバリエーションはブルー、シルバー、ブラックの3種類。ステンレススティール製のケースのサイズは42mm径でベゼルはタキメータースケールを備え、速度や距離の計測ができます。この時計に搭載されているのは、BALL キャリバーRR1401-Cで、クロノメーター認定を受けています。また、3時位置に45分積算計、9時位置にスモールセコンドを備えています。Chrono24では、未使用の場合、約34万円で購入可能です。

トレインマスターコレクションは、ボールウォッチの歴史を尊重する、伝統的でクラシカルなデザインの時計を展開するコレクションです。スタンダードタイム（Ref. NM3888D-PG-LCJ-WH）は、ケースに18Kローズゴールドを使用した数少ないモデルのひとつです。ケースサイズ39.7mm径のこのモデルは、ホワイトエナメルの文字盤を備え、インデックスには12個のアラビア数字が配置されています。さらに、文字盤外周の分目盛りには、夜光塗料が施された小さなドットが配されています。ムーブメントには、BALL キャリバーRR1105-Cが採用されています。また、時・分針に加え、6時位置にスモールセコンド、3時位置に日付表示を備えています。ケースバックはサファイアクリスタル製で、ムーブメントを見ることができます。防水性は100m（10気圧）。

ボール トレインマスター スタンダードタイムの価格は、未使用の状態で約76万円。ステンレススティール製もあり、価格は約40万円です。

トレインマスターコレクションには、ムーンフェイズ機能を備えたモデル（Ref. NM3082D-SJ-BE）もあり、ケースサイズは40mm径、素材はステンレススティール製で、文字盤はサンバースト仕上げのシンプルなデザイン。台形型のアワーマーカーには12個マイクロガスライトが使用され、中央のムーンフェイズ表示を引き立てています。

時分秒針、日付表示、ムーンフェイズ表示が可能なBALL キャリバー RR1801は5000Gsの耐衝撃性を備えて、防水性50m（5 気圧）。価格は、Chrono24では未使用の状態で、約30万円です。文字盤カラーは他にもブラックとシルバーがあり、価格はブルー文字盤のモデルと同価格帯です。

ファイヤーマン - 頑丈な時計、シンプルなデザイン

4モデル（2023年12月現在）からなるファイヤーマンコレクションは、ボールウォッチの中でも最も展開数が少ないコレクションのひとつです。ヴィクトリー、エンタープライズ、クラシック、ナイトトレインDLCの4つとも3針モデルで、ナイトトレインDLCのケースはブラックコーティングがされています。ムーブメントには、5000Gsの耐衝撃性を備えた自動巻きキャリバーBALL RR1103が搭載されています。また、100m（10気圧）の防水性を備えています。

ファイヤーマン ビクトリーのケースサイズは40mm径で、文字盤はさまざまな仕上げとカラーから選択が可能です。どの文字盤にも台形型のインデックスにはマイクロガスライトが使用され、4時30分の位置には日付表示窓が配置されています。Chrono24では未使用の状態で約20万円です。

ファイヤーマン エンタープライズはデザインがとてもシンプルな時計で、文字盤カラーは黒と白の2色から選択が可能です。ケースサイズは40mm径で、アワーマーカーにはロングインデックスが使用されています。ファイヤーマン エンタープライズの価格は約11万円です。よりクラシカルなデザインを好む場合、アプライドの金属製バーインデックスが施されたファイヤーマン クラシックがおすすめです。価格はファイヤーマン エンタープライズと同じくらいです。

ファイヤーマン ナイトトレインDLCは、より現代的なモデル。45mm径のケースはDLCコーティングが施され、がっしりとした手首に合うようにデザインされています。合計75本のマイクロガスライトが使用され、2本ずつ配置されたアワーマーカーが文字盤を明るく照らします。ファイヤーマン ナイトトレインDLCの価格は、未使用の場合、約25万円です。

ロードマスター パイロットGMT＆マリンGMT

ロードマスターは、タフなツールウォッチを展開するコレクションです。なかでもロードマスター パイロットGMTとマリン GMTが有名で、名前のとおり、GMT機能を搭載しています。2023年12月の時点では、ロードマスター パイロットGMTには、セラミックベゼルのカラーがブラックとレッド、ブラックとブルーという2種類のカラーバリエーションがあります。

パイロットGMTのケースサイズは40mm径で、素材にはチタンが採用されています。特出しているのは、ローカルタイムのクイックセット機能で、ケース左側にある2つのリューズで設定が可能です。文字盤、針、ベゼルには、合計27本のマイクロガスライトが使用され、表示可能な3つの時刻をしっかりと確認できるようになっています。

パイロットGMTの内部に搭載されているのは、自動巻きのBALL キャリバー RR1204-Cで、GMT機能に加えて、3時位置に日付が表示されます。他のボールウォッチ同様、5000Gsの耐衝撃性に、60ガウスの耐磁性を備えています。また、防水性は300m（30気圧）。Chrono24での価格は、未使用の場合で約44万円です。

ロードマスター マリン GMT セラミックは、ベゼルのカラーがパイロットGMTと違うだけのように見えますが、カラーバリエーションは全部で8種類あり、マリンGMT セラミックでは日付だけでなく曜日表示もあり、内部にはBALL キャリバーRR1203-Cが搭載されています。その他のスペックはパイロットGMTと同じです。マリン GMT セラミックでは、すべてのモデルが世界限定1,000本で、ブラックとグリーンのベゼルを備えたRef. DG3030B-S2C-BKの場合、未使用の個体が約39万円で購入可能です。

ロードマスターコレクションには、他にもレスキュークロノグラフやGMT機能がついたロードマスター ヴァンガードがあります。価格はレスキュークロノグラフの場合、約40万円、ロードマスター ヴァンガードの場合は約32万円です。