2022年08月05日
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この3本はオメガ シーマスターに対抗できるのか?

Donato Andrioli
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オメガ シーマスター・コレクションにはアイコニックな定番や錚々たるモデルが揃っている。このコレクションがしばしばロレックスに代わり得る選択肢とされることも頷けるだろう。オメガ シーマスター ダイバー 300Mやシーマスター アクアテラなどはロレックスよりも安価で、その上より優れている点もある。では、オメガ シーマスターに代わり得るモデルを探すとなったらどうだろうか。オメガのアイコンウォッチよりさらに安価かつ優れた時計はあるのだろうか?オメガ シーマスター・コレクションに匹敵し、勝るところもある時計を3本ご紹介しよう。 

Are there any cheaper alternatives to the Omega Seamaster?
オメガ シーマスターよりさらに安くてより優れた時計はないのだろうか?

15万円以下でオメガ シーマスター アクアテラに代わり得る時計:ティソ PRX パワーマティック80  

オメガ シーマスター アクアテラはお好みのタイプだろうか。それなら、ティソ PRX パワーマティック80も選択肢のひとつになるかもしれない。アクアテラとは異なり、ティソ PRX パワーマティック80は水や海とは無縁だ。しかし、アクアテラに代わる時計を考えた時、筆者の頭に真っ先に浮かんだのはこの人気の高いティソだ。なぜだろう?アクアテラは海をルーツにしてはいるが、何よりもまず、日常的にあらゆる場面で着用できる優れたオールラウンダーであるところが特徴だ。オメガの技術や名声には及ばないものの、ティソはまさにその点では決して期待を裏切らずどんなシーンにも映える時計を提供している。そして、オメガの価格約70万円に対してティソは15万円をはるかに下回る。比較的手頃な金額で、間違いなく素晴らしい時計を手に入れることができるのだ。 

確かに、ティソ PRXはオーデマ・ピゲ ロイヤルオークを彷彿とさせるが、独自の歴史を持つ独自のデザインで見るものを魅了する。文字盤は上質な仕上がりで、ワッフルのような質感の見た目も素晴らしい。ロゴやインデックスはすべて鮮明でシャープ。3時位置のデイト表示にはステンレスの縁取りが施されている。ここまでのディテールへのこだわりはこの価格帯の時計としては異例なことだ。一体型のブレスレットも高品質で、ケースとブレスレットに関して一切妥協する必要がない。自動巻きムーブメントはグループの姉妹会社であるETA社と共同でティソだけのために開発されたものなので、自社製と言ってもいいだろう。ムーブメントは正確かつ確実で、80時間のパワーリザーブを備えメンテナンスも簡単だ。そのうえ100mの防水性もあり総合的に素晴らしい仕様となっている。ティソ PRX パワーマティック80のスタイルはオメガ シーマスター アクアテラとはまったく異なる。エントリーモデルであり、品質面ではオメガと同じステージでは戦えないが、オメガ同様日常的にあらゆる場面で活躍する優れたオールラウンダーなのである。

Possibly the best watch under $1,000: The Tissot PRX Powermatic 80
おそらく15万円以下の時計の中では最高のモデル:ティソ PRX パワーマティック80

オメガ シーマスター ダイバー300Mより優秀?:ブライトリング スーパーオーシャン オートマチック42  

現代のダイバーズウォッチの中からオメガ シーマスター ダイバー 300Mと張り合えるものを見つけるのは簡単ではない。オメガのこの代表的なダイバーズウォッチはその独自性と素晴らしい技術により、現在存在する時計の中でも特にエキサイティングな一本だ。チューダー ブラックベイも捨てがたいが、アンティークなデザインなので今回はブライトリングを優先することにした。ブライトリングは本来パイロットウォッチで有名なブランドだが、スーパーオーシャン オートマチック 42という実に素晴らしいモダンなダイバーズウォッチを作っている。300Mよりもトラディショナルなデザインで、フォルムはロレックス サブマリーナをやや彷彿とさせる。オメガと同様ブライトリングでも、筆者は白い文字盤が一番好きだ。ダークブルーのベゼルが夏らしく爽やかな42mm径ダイバーズウォッチのルックは、時計好きにはたまらなく魅力的だ。ブライトリングにはオメガ独特のセラミック文字盤はなく、ムーブメントでも譲歩しなければならない。 

ブライトリング スーパーオーシャンの自動巻きムーブメントは信頼性が高くパワーリザーブも48時間としっかりしたものだが、ETAムーブメントをベースにしたものに過ぎない。だが、筆者が思うにオメガに勝っている点もいくつかある。スーパーオーシャンのメタルブレスレットは、オメガのアイコンウォッチと比べてもビジュアルがはるかに美しい。オメガのダイバーズウォッチ最大の欠点はベゼルだと思う。見た目もそれほど好きではないし、操作時の手触りももう少しどうにかならないものかと感じる。一方、ブライトリングのベゼルは見事だ。操作がしやすいだけでなく、アプライドの数字やインデックスが外観にも高級感を与えている。ベゼルインサートは高品質なラバー製とまったくの型破りだ。ベゼルのビジュアルはダイビングというテーマに合っているだけでなく、手触りも非常に高級感がある。防水性に関してもブライトリングはオメガより優れている。ブライトリングのダイバーズウォッチは500m防水、オメガのアイコンウォッチは「たったの」300mだ。総合的に見ればシーマスターの方が優れていると評価したとしても、スーパーオーシャンにもいくつかの点で勝るところがあり、その上価格も安い。未使用のモデルは50万円以下で販売されている。ただ、もしこの時計を気に入ったのなら早めに決断した方がいいだろう。ブライトリングはこの優れたダイバーズウォッチの生産をつい最近終了してしまったのだ。新しいリファレンスは外観がまったく違い、新鮮でスポーティーな印象からはほど遠いものになってしまった。 

The recently discontinued Breitling Superocean Automatic 42 with a white dial and blue bezel boasts a fresh and sporty look.
白文字盤と青いベゼルのバージョンは新鮮でスポーティーな印象を与える。ブライトリング スーパーオーシャン オートマチック 42はつい最近生産終了となったばかりだ。

オメガ シーマスター プラネットオーシャンに代わるモデルとしておそらく最有力:チューダー ペラゴス  

オメガ シーマスター プラネットオーシャンはシーマスター ダイバーのプロ向けモデルで、ロレックス シードゥエラーに最も近く肩を並べることのできるバリエーションだ。機能性とプロ気質という点では抜きん出ている。しかし、プラネットオーシャンより若干安く、なおかつ劣るところが見つからない時計がある。チューダー ペラゴスは確かにチューダー ブラックベイの成功の影に隠れてしまっているが、優れたダイバーズウォッチとして多くの魅力を備えている。チューダー ペラゴスにはアンティーク感がそこここにあるが、チューダーの他の多くの時計とは異なりまったく現代的なデザインとなっている。昔のチューダーウォッチにインスパイアされた文字盤はややラフな作りだが、品質的には非常に完成度が高い。チタン製で500m防水なのでダイビングには最適だ。 

チューダー ペラゴスには耐磁性を備えたMETAS認定ムーブメントは搭載されていないが、自社製ムーブメントで通常のCOSC認定を受けており、パワーリザーブはオメガよりわずかに長い80時間。総合的な装着感に関しては筆者はオメガよりチューダー ペラゴスに軍配をあげる。42mmと決して小さくはないが、43.5mmのオメガほど大きくどっしりしているわけではない。この時計で最も注目すべき点は間違いなく、チューダーが特許を持つ高機能なクラスプである。通常のダイバーズエクステンションよりも優れており、温度に応じて自動で手首にフィットするため非常に快適だ。この素晴らしい機能は特に時計を愛するダイバーたちの間で評価が高い。正直なところ、外見として特別美しいというわけではないが、機能性という意味で非常に優れている。60万円以下とコストパフォーマンスも申し分なく、そのうえ文字盤と同色のラバーストラップが付属している。これは高級時計ではいまや珍しいことで、チューダー ペラゴスをよりスポーティーに演出することができる。 

The Tudor Pelagos is a functional diver with an innovative clasp and offers great value for money.
チューダー ペラゴスは革新的なクラスプを備えた機能的なダイバーズウォッチで、コストパフォーマンスも優れている。

記者紹介

Donato Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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