2022年04月26日
 8 分

その人気は過大評価では?と思うロレックスとオメガの時計3本

Donato Andrioli
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ある時計が幅広く大衆に愛されるのにはそれ相応の理由がある。単純に見た目が美しくデザイン性が高いとか、文字盤色が時計ファンの好みにちょうどマッチしたとか、魅力的な歴史があるなどといったことだ。今回紹介する3本の時計も人気の理由はそれなりにある。そうでなければ、これほど人気が出るはずがない。ただ、筆者はこの3本を良いとは思わないし、人気はまったくの過大評価だと感じている。市場価格が高すぎるという話だけではない。単純に、好きになれないのだ。

こんなことを言うのは筆者だけだとわかっているが、ロレックスオメガの人気モデルについて、少し違った角度から読者のみなさんと一緒に考えてみたい。そして筆者ならどの時計を代わりに選ぶかもご紹介しよう。最初にひとつだけ断っておきたいが、これはあくまでも筆者個人の主観的な意見だ。これからご紹介する時計は、どれもそのステータスに見合った実力を持つものばかりだ。ただ、筆者はどうしても魅力を感じない。ピンと来ないのだ。

この時計たちは誰からも愛されているが、筆者はその人気を過大評価だと思っている

1. ロレックス GMTマスター II 「ペプシ」派手すぎる

ロレックス GMTマスター IIは、実にクールで素晴らしい時計であることは間違いない。サブマリーナでお馴染みのケースは非常に特徴的で好感が持てる。GMT機能で3つのタイムゾーンを同時に把握でき、ベゼルの使い勝手も良く、時計全体のロレックスらしい手触りの良さも申し分ない。しかし、近年人気が沸騰している理由はカラフルなベゼルのせいだろう。特に赤青ベゼルの「ペプシ」は、時計愛好家の心をときめかせる。だがそれで、いまや410万円を超える価格が妥当なのだろうか?筆者に言わせれば、答えは明らかに「ノー」だ。特に「ペプシ」ベゼルは、どんな服装にも合うとはいえず、スポーティーすぎる印象を与えることが多いからだ。もしペプシがもっと手頃な価格だとしても、筆者ならば黒のGMTマスター IIを選ぶだろう。2019年に生産が終了したこの時計には「ペプシ」にあるものはすべて揃っている。

ロレックス GMTマスター IIはよりシンプルな選択肢だ

ロレックス GMTマスター IIのブラックバージョンの方が妥当な価格かどうかは時計愛好家がそれぞれ自分で決めるべき問題だが、GMTマスターRef.116710 LNが「ペプシ」や「バットマン」に比べてはるかに「手頃な」価格で購入できることは事実だ。すべてを黒で統一した外観はどんな服装やシーンにも合わせやすく、普段使いに最適だ。「GMT Master」の文字のグリーンとGMT針のグリーンは、小さいながらも気の利いたカラーディテールであり、オールラウンダーとしての特性を失うことなく、視覚的に変化を与えている。このモデルをジュビリーブレスレットで購入することはできないが、一部ポリッシュ仕上げのオイスターブレスレットの方が、どちらにしてもこのモデルにはマッチしていて美しいと思う。その上、もしロレックスがブラックのGMTマスター IIを復刻しないとなれば、数年後にはさらに価値が上がり、素晴らしいコレクターズアイテムを手にしたことにもなるだろう。

GMTマスター IIの「ペプシ」は非常にスポーティーだ。もしかしたらスポーティーすぎではないか?

2. ロレックス オイスター パーペチュアル好きになれない

2020年9月、ロレックスはオイスター パーペチュアルの新しいリファレンスを発表した。カラフルな新しい文字盤カラーが大好評で、通常カラーの文字盤モデルもその人気にあやかった。筆者は時計愛好家として、技術に関してはオイスター パーペチュアルに大きな敬意を抱いている。とにかく、ロレックスのすべての時計のベースたるモデルなのだ。しかしそれでも、現在の人気ぶりには単純に抵抗がある。結局、有名時計ブランドのエントリーモデル以外の何者でもないのだ。筆者に言わせればかなり手抜きで実装されたカラフルな文字盤であっても、その事実は変わらない。60年代のステラダイヤルをほぼそのまま現代に持ち込み、オイスター パーペチュアルの新しいケースにはめ込んだように見える。パステルカラーは時計愛好家の間で非常に人気が高いようで、市場価格がそれを物語っている。しかし、筆者個人的には、こういう色は現代の時計にはふさわしくなく、やや古臭くも感じる。

ロレックス以外の選択肢なら、クラシックなチューダーかカラーバリエーションの豊富なオメガ

ノンデイトでほぼ同等の選択肢となれば、筆者は迷わずチューダー ブラックベイ 36か41を選ぶ。チューダーはロレックスに近いため、ロレックス同様の高い品質を提供してくれるが、完全に独立しており、今ロレックス オイスター パーペチュアルを購入するのに必要な金額に比べれば、その何分の一かの価格で買えるのだ。しかし、シンプルな外観にカラフルで目を引く文字盤もお望みなら、新しいオメガ シーマスター アクアテラ レインボー 38mmを検討するべきだろう。ロレックスのデザインを少し盗みすぎだとは思うが、文字盤はロレックスよりもはるかに良い出来栄えだ。サンバースト効果はオイスター パーペチュアルよりも見栄えが良いし、色調も暖かく、モダンで美しい。ロレックスのエントリーモデルのカラー展開を参考にするという少々大胆なことをしたが、アクアテラはまったく独自の時計であり、確固とした個性を持っている。オメガの価格は75万円前後で、もはや140万円を下回ることはないロレックス オイスターパーペチュアルに比べればかなり手頃な価格だ。その上、オイスター パーペチュアルにはない便利な日付表示機能も搭載している。

ロレックス オイスター パーペチュアルの過熱気味な人気は妥当だろうか?

3. オメガ スピードマスター プロフェッショナル買ったのは本当に失敗だった

何ヶ月も貯金をして、オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチを手に入れる日をいまかいまかと楽しみにしていたことを今でもよく覚えている。NASAや月探査に関するあらゆるものを見たり読んだりしてきた筆者にとって、オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチは絶対的なマストアイテムだった。その上、スピードマスターの前モデルでは、オメガは購入者に過剰なほどのサービスをしていた。巨大なコレクターズボックスには素晴らしい特典がたくさんついていて、当時、時計好きで宇宙好きでもあった筆者を完璧に魅了し、欲しいと思う願望に拍車をかけた。しかし数週間後には、せっかく買った時計をあまり腕にしたいと思えないことに気づいた。実は一度もいいと思ったことのない癖のあるブレスレットのせいか、変化に乏しいマットブラックの文字盤のせいか、それとも2日と待たずにすぐまた巻き上げなくてはならない不便な手巻き機構のせいだったのか。理由はなんであったとしても、この時計にはどうしてもなじめなかった。ムーンウォッチが時計愛好家を魅了するのは非常によく理解できるのだが、身につける時計としてはあまり好きになれない。偉大な歴史とその象徴的な全体のデザインのことを一度脇に置いて考えてみると、1969年当時とまったく同じに見える時計がただそこにあるだけで、個人的には少し古臭すぎると感じてしまう。それはほんの少しのことで回避できるはずなのだ。例えば、もう少し手の込んだ文字盤と現代的なベルトがあれば、このアイコンウォッチは新たな輝きを放つことだろう。オメガが伝説的なアイコンウォッチにはあまり変更を加えたくないと考えており、新しいバージョンではそのルーツにさらに回帰すらしていることは、よく理解している。ただ、ロレックスはDNAを大きく変えることなく、いかにしてアイコンウォッチを現代に完璧に移行させられるかをデイトナで実証してみせた。

スピードマスター プロフェッショナルには比類ない歴史があるが、身につける時計としてはやや古臭い

同じオメガの選択肢なら、スピードマスター コーアクシャルかダークサイド オブ ザ ムーン

筆者が別の時計を選ぶとすれば、小さめのオメガ スピードマスター コーアクシャルだろう。月に行ったこともなく、ムーンウォッチほど象徴的な存在ではないが、より現代的で、長所もたくさんある。モダンな文字盤、自動巻きムーブメント、日付表示もついていて価格も70万円以下と、オメガ スピードマスター プロフェッショナルより少々手頃だ。「ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号」もムーンウォッチのエキサイティングな新解釈で、筆者なら迷わずクラシックモデルよりもこちらを選ぶだろう。


記者紹介

Donato Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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