2023年04月19日
 9 分

オメガで作る時計コレクション:おすすめ5本

Thomas Hendricks
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オメガはギリシャ語のアルファベットの最後の文字から付けられたものかもしれないが、オメガは時計コレクターがコレクションを始める際にまず最初に手にするブランドだ。しかしながら、購入しようと思ったときに、1世紀以上にわたるデザインと革新からなるオメガのコレクションから1本を選ぶのは簡単ではない。これを考慮して、今回は新たな試みを行うことにした。それは、「もしオメガだけで構成されたコレクションを作るとしたら、どのようなものになるか?」というものだ。

オメガだけで作るの夢のような時計コレクションとして紹介したいのは、個人的にお気に入りの5本である。有名なオメガ スピードマスターはもちろんのこと、ブランドのアーカイブから風変わりで奇抜なモデルもピックアップしている。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル

まずはオメガ スピードマスター プロフェッショナルから始めたい。このモデルから始めなければ、コメントが寄せられそうで心配だからだ。一番安価なオメガではないものの、確実にアイコンと言える時計だ。比較的手の届きやすい価格で、オメガだけのコレクションどころか、どんな時計コレクションもこれなしでは完成しない。この1本のオメガモデルに関する記事をまるごと書くこともできるが、今日のところは簡単な説明にとどめておきたい。

一部の純粋主義者やヴィンテージ愛好家は反対するかもしれないが、ここで狙うべきは2021年初頭に発売された現行のスピードマスター プロフェッショナルだ。再設計されたブレスは、ラグからクラスプにかけて幅20mmから15mmへと徐々に細くなり、より自然な着け心地が実現され、その快適さから称賛されている。ケースも先代のスピードマスターと比べて少しスリムで、これはクロノグラフにとって常に歓迎されるものだ。また、段差がついて深みを増した文字盤は、光を魅力的に演出し、”dot over 90″(90の上のドット)のあるベゼルは、歴史を感じさせる。さらに、この時計はアップグレードされたムーブメント、キャリバー3861を搭載している。これは4年かけて開発された手巻き式でマスタークロノメーター認定のコーアクシャルムーブメントだ。

このモデルでは、ヘサライトガラスにソリッドケースバック、またはサファイアクリスタルにシースルーケースバックという仕様から選択可能だ。個人の好みによるものだが、筆者は特にクロノグラフにはシースルーケースバックが好みだ。しかしスピードマスターの場合は、定番のヘサライトガラスをお勧めしたい。ヘサライトには、サファイアにはない温かみがある。それは、レコードを聴くのと、Spotifyでストリーミング再生するのと類似した感覚だ。ヘサライトはその歴史的な雰囲気を維持しながら、現代の技術革新ともバランスを保っている。

スピードマスター プロフェッショナルは、オメガのベストアルバムの1曲目に収録されているようなモデルで、時計という趣味における最も賢い購入品の1つと言えるだろう。また、最も販売しやすい時計の1つでもある。

The Speedmaster Professional has a timeless, iconic design that will probably never go out of style.
キャリバー3861を搭載したスピードマスター プロフェッショナル

オメガ キャリバー 30T2の時計

真の歴史を知るには、1950年代、40年代、そして30年代のキャリバー30T2までさかのぼる必要がある。

その古さにかかわらず、オメガはアンティークの時計に足を踏み入れるのに良いきっかけとなる。30T2のムーブメントは非常に基礎的な構造であるため、適切に管理すれば、基本的には永遠に使用できる。ただし、購入する前にムーブメントに錆や水分による破損の兆候がないか、必ず確認する必要がある。

文字盤や針にも豊富な種類があり、筆者の個人的なお気に入りもある。それは、ポンティフ針だ。多くの文字盤は再仕上げされているが、70年または80年前の時計ではよくあることだ。

サイズに関しては、アンティークの時計のため、平均的なケース径は35mmほどだが、いくつかポイントがある。まず、大きめの時計よりも小さめのものの方が、簡単に慣れる。第二に、これらの時計は文字盤の広がりによって、少し大きめな着用感になる傾向がある。第三に、大半が20世紀では標準とされたエレガントな外観をしている。そのため、昔のハリウッド映画スターのように見せたい人だけに購入してほしい。

オメガ キャリバー 30T2

オメガ シーマスター

シーマスターなしにして、オメガのコレクションと言えるだろうか。ブランドを代表するダイバーズウォッチは、ちょうどオメガが誕生100周年を迎えた1948年にデビューした。その後、先代モデルよりもはるかに頑丈で耐久性のあるプロ仕様のシーマスター300が1957年に登場したことで、より一層有名となった。

初期のモデルは、アンティークのスポーツウォッチとして非常に価値が高い。これらは、ベークライトベゼル、美しく経年変化したトリチウムダイヤルと針を備え、イギリスの海軍やジャック=イヴ・クストーが選んだ時計だった。重要なリファレンスには165.024166.024があり、12時位置の “ビッグトライアングル”、太い剣のような時針といった、コレクターにとって魅力的な特徴を備えており、素晴らしい歴史を持つ時計にさらなる個性を加えている。

オメガ シーマスター 300は、今回のコレクションに選定したモデルだが、機能的で防水性があり、アンティークのバージョンではない、普段使いのバージョンが必要なら、オメガには多くの選択肢がある。シーマスター 300Mが一番人気だが、代わりにワールドタイマーのバージョンを検討することをお勧めしたい。これなら、オメガのコレクションにコンプリケーションを新たに追加することになる。ジェームズ・ボンドファンであればオメガには007をテーマにしたシーマスターのラインナップも充実しているので、変化を取り入れたい方にもおすすめだ。

オメガ シーマスター 300M

風変わりなオメガ スピードマスター

スピードマスターは1本で十分だと思ったかもしれないが、そんなことはない。もともとレーシングウォッチとして設計されたものなので、ここでウイニングランとして、スピードマスターについてもう一周しておきたい。Chrono24でスピードマスターの限定エディションはとても多く選ぶのが大変ではあるが、主流のプロフェッショナル ムーンウォッチだけを選ぶのは少し偏りがある気がする。

オメガが限定エディションとして数多くのスピードマスターを生産しているのは、お決まりのジョークだ。宇宙空間は無限であり、オメガのデザインチームの想像力もきっとそうなのだろう。この戦略を賢明でないと考える人もいるかもしれないが、同時にオメガには数多くのオプションがあり、誰もが納得のいくユニークなものを見つけることができることを意味している。

この機会に自動巻きのバージョンや、ムーンフェイズ付きのムーンウォッチを選択するのもいいかもしれない。デジタル文字盤を備えた、楽しく未来的なX-33もある。予算に余裕があれば、“シルバー スヌーピー アワード” のエディションもおすすめだ。そのケースバックには、今までで最も高価なアニメーションが見られる。

本当に多くの選択肢があるが、1本を選ばなければならない。コレクションにちょっとした色彩りを加えるために、2004年の日本限定エディションref. 3570.40をチョイスした。この時計には、レーシングのヘリテージに敬意を表し、業界ではよく言うポップなカラーと呼ぶのにふさわしいデザインだ。ひねりを加えた自分のスピードマスターを選ぶとき、宇宙ほど広がりはないが、選択肢はかなりある。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル キャリバー3570.40

コレクションのジョーカーとなる時計

コレクションの最後となる時計はもう少し自由なものにしておきたい。ブランドの柱となる定番モデルは網羅したので、次はもっとユニークなものを選びたい。どんな方向に持っていってもいいが、奇抜であればあるほど良い。最後の1本を選ぶに当たり、アイデアをいくつか紹介しよう。

70年代の雰囲気を纏った、セクシーで洗練されたものと言うのであれば、オメガ コンステレーションがある。ジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けたバージョンもいいが、一番のお勧めは、とても優れたルックスを持っていながら過小評価された、一体型ブレスのバージョンだろう。もう少し華やかなものなら、コンビモデルのコンステレーションでもいいかもしれない。

戦史好きやミリタリーファンであれば、おそらくすでに “ダーティーダース” を思い浮かべたかもしれない。これらは、第二次世界大戦時のイギリス兵用のミリタリーモデルだ。そのニックネームが示すとおり、これらの時計を提供している企業は多数あり、オメガは生産数が最も多いメーカーの1つであったため、見つけるのはそれほど難しくない。

時計のムーブメントを優先するのであれば、有名なキャリバー321を搭載したオメガのクロノグラフがあることは喜ばしいことだろう。321は1941年のレマニアキャリバーに基づいており、初代スピードマスターと一部のヴァシュロン・コンスタンタンのクロノグラフ、そしてパテック フィリップの3970、5970、5004といった最高峰モデルで使用されていた。

確実に注目を集める時計を希望するなら、プロプロフを選んでみてはどうだろうか?この時計は、見れば見るほどハマってしまうタイムピースで、あなたがコレクションを楽しむことを恐れていないことを他の愛好家に示してくれる。

アイデアはいくつもあるが、記事の仕上げとして、今回はオメガ ランチェロをチョイスしたい。この時計は、スピードマスター、シーマスター、レイルマスターから成る1957トリロジーに、「4つ目の伝説」となるはずだった時計だ。1950年代後半に約2年間のみ生産されたが、ランチェロは、スペイン語で農場労働者を軽んじるような言葉であるために廃止された。それはさておき、オリジナルを目にする機会があれば、とても素晴らしい時計だと実感することだろう。そして、隠れた短命モデルということで希少価値も高く、見るたびにコレクターを笑顔にさせてくれる時計なのだ。

オメガ ランチェロ

記者紹介

Thomas Hendricks

私はもともと時計を見て育ったわけではありません。しかし、大学を卒業してから数年後、私はオンラインポータル「Watchonista」でライター兼マーケターとして就職。同僚は私に向かって冗談半分で「誰も後戻りできない時計の世界へようこそ!」と言いました。現在はChrono24でプライベートクライアントアドバイザーとして、人生の大事な節目に完璧な時計を探す人々のお手伝いをしています。

記者紹介

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