2023年02月27日
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オーデマ ピゲの2023年新作リリース:Chrono24のお気に入りモデル

Chrono24
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毎年最初の数カ月の間、オーデマ・ピゲは一連の新作リリースの発表を行う。スイスはル・ロックルを拠点とするマニュファクチュールであるオーデマ・ピゲは、アイコニックなロイヤルオークで主に知られているが、それ以外にも実にたくさんの時計を製造している。実際に、同ブランドのポートフォリオには4つのモデルラインがあり、そのうちの3つはロイヤルオークに関連するものだ。最初のものはスタンダードなロイヤルオークコレクション、2番目がロイヤルオーク オフショアコレクション、そして3番目がロイヤルオーク コンセプトコレクション。加えて、豊富なモデルがそろうCODE 11.59コレクションも展開している。今年は通常タイプのモデルから超複雑ハイエンドタイムピースまで、4つ全てのコレクションに新作が加えられた。それでは、2023年オーデマ・ピゲの見どころのいくつかを見ていこう。

オーデマ・ピゲ CODE 11.59 新作モデル

オーデマ・ピゲのCODE 11.59コレクションは2019年に発表され、即座に市場で最も話題の時計の1つになった。最初は多くの批判を受けたが、CODE 11.59コレクションは徐々に拡大し、間違いなく注目に値する時計を含むまでに至った。今年、私たちはすでに何本かの驚くべき新作時計を見てきたが、そのうちの絶対的な目玉はオーデマ・ピゲによる今までで最も複雑な時計である。では、2023年の新しいCODE 11.59の新作モデルを紹介しよう。

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4

Code 11.59 By Audemars Piguet Ultra-Complication Universelle RD#4
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4(写真:オーデマ・ピゲ)

新しいCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ウルトラ コンプリケーション ユニヴェルセル RD#4は間違いなく、今年の新作のハイライトである。この極めて衝撃的な時計は40もの異なる機能を持ち、うち23は複雑機構であり、グランドソヌリ、スーパーソヌリ、ミニッツリピーター、永久カレンダー、スプリットセコンド・フライバッククロノグラフ、フライング トゥールビヨンなどが含まれている。

それだけですでに大きな偉業達成なのだが、この時計のコンセプトはもっと壮大だ。メインとなるアイデアは、極めて複雑な時計でありながら、日常使いもできる機能的な時計を作るというもの。そのため、この時計は読みやすく簡単に使えるものでなければならなかった。したがって、開発チームはまず、文字盤のデザインから始めた。それぞれの機能を読み取れることが重要であり、デザイナーとエンジニアたちは、さまざまな機能を一体化することができるよう、文字盤のレイアウトを複数準備するところから取り掛かった。

同時に開発チームは、超複雑な時計特有の、ケース両側にたくさんのプッシュボタンやコレクターなどを持つ時計を作ることは避けたかった。代わりに彼らは、精巧で統一感あるスタイルのプッシュボタンとリューズを作り、多くの機能を簡単に使えるように工夫した。さらに、この時計は直径わずか42mm、厚さは15.55mmと、非常に装着しやすいサイズである。極めて複雑な時計は通常、すべての複雑機構を積み重ねていくことから、分厚くなってしまうものである。

オーデマ・ピゲはRD#シリーズの最初の3本の時計でリリースしたものも含めて、この時計に多くの複雑機構を搭載することに成功した。このシリーズには、同ブランドの研究開発チームによる驚くべき技術ソリューションが集約されている。この最新タイムピースは、これらの努力の中でも最高のものを組み合わせ、まさに息をのむような、印象的な新しいCODE 11.59モデルに融合させたものだ。オーデマ・ピゲは4種類のモデルを作り、2つはクローズドダイヤル、もう2つはオープンダイヤルのものだ。スタンダードな文字盤のバージョンは小売価格が145万スイスフラン(約2億1030万円)、オープンダイヤルバージョンは160万スイスフラン(約2億3200万円)となっている。しかしここで重要なのは価格ではなく、この時計が体現する巨大な功績なのだ。

ステンレススチール製のスタンダードなCODE 11.59

Code 11.59 Selfwinding Chronograph, Image: Audemars Piguet
CODE 11.59 オートマティック クロノグラフ(写真:オーデマ・ピゲ)

他のCODE 11.59関連のニュースといえば、オーデマ・ピゲはついにステンレススチール製のモデルを作ったということだ。6本の新しいスタンダードモデルのうち、4本はステンレススチールもしくはステンレススチールとセラミックの組み合わせで作られている。新しい素材が加わったことで、オートマティックとクロノグラフモデルはより手頃な価格になったが、変わらずに感動的である。オーデマ・ピゲはスイスのギョーシェ職人、ヤン・フォン・ケーネルと協同で、新バージョンのために感動的な文字盤を作り上げた。特徴的な数字がなくなったことについては熱い議論が交わされているが、新バージョンで時計はより良い外見になった。オートマティックの時刻&日付表示モデルが313万5000円、クロノグラフモデルが434万5000円と、これらの新作は同ブランドの価格帯の低い方に位置している。

CODE 11.59モデルはそのルックスとテクノロジーで感動を与える

しかし、これがCODE 11.59コレクションのすべてではない。オーデマ・ピゲはCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ グランドソヌリ カリヨン スーパーソヌリの3バージョンも発表したのだ。3つの時計は、ホワイト、ピンク、イエローゴールドの組み合わせで作られ、ブラックセラミックのミドルケース、そしてオープンワークのダイヤルを持つ。これらは自動的に毎正時および15分おきに鐘の鳴るグランソヌリ機構を備えている。また、典型的なゴング2つのシステムではなく、カリヨンは低音、中音、高音を鳴らすために3つのゴングを使い、さらに美しい響きを生み出す。

オーデマ・ピゲはまた、ピンクゴールドとブラックセラミックのミドルケースを使用したCODE 11.59 ミニッツリピーター スーパーソヌリも発表。この時計はブラックスモークサファイアダイヤルを採用し、その下にあるムーブメントの動きを見せてくれる。ミニッツリピーターとは、作動させると、時、クオーター、分を鐘で鳴らして知らせる機構である。オーデマ・ピゲが特許を取得したスーパーソヌリの技術が、この機構の全体的な音質を向上させている。

Code 11.59 Minute Repeater Supersonnerie
CODE 11.59 ミニッツリピーター スーパーソヌリ(写真:オーデマ・ピゲ)

CODE 11.59コレクションからの最後の新作モデルは、素晴らしいグリーンエナメルのアヴェンチュリンダイヤルを持つCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ フライング トゥールビヨンである。この時計はピンクゴールドとブラックセラミックのケースを組み合わせ、文字盤下部にフライング トゥールビヨンが見える。この文字盤は間違いなく見事な芸術作品であり、特徴的な数字によって一層引き立っている(好みの問題ではあるが)。この最後の1本はまさに、CODE 11.59コレクションの信じがたいほどの万能性、そしてオーデマ・ピゲのこだわりを真に示している。

2023年オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク新作モデル

オーデマ・ピゲのロイヤルオーク新作は、スタンダードモデルと複雑機構を搭載するモデルのどちらも含めて、3つ全てのコレクションから発表された。筆者が特に注目したのは、オーデマ ピゲ ブティック限定販売の、ブルーグレインダイヤルが備わるホワイトゴールド製ロイヤルオーク “ジャンボ” である。この時計はものすごく美しい。技術的なことを言えば、新しいものは何もない。しかしこの超薄型の時計は新しいダイヤルが素晴らしく映え、価格は973万5000円となっている。

ティファニーダイヤルなのか?

もう1つ、目を引くスタンダードモデルといえば、イエローゴールドのロイヤルオーク オートマティック 37mm ターコイズダイヤルである。これはティファニーダイヤルだと言えるのだろうか?ティファニーのロゴが入っていなければ真のティファニーダイヤルではないということは皆が知っているが、この言葉はターコイズダイヤルのモデルによく使われる。しかし、この場合は単に色だけを言っているのではなく、実際の鉱石のことを言っているのだ。オーデマ・ピゲはこの稀少なメキシコ産のターコイズを使い、ユニークで際立った文字盤を作り上げた。ターコイズの文字盤とイエローゴールドのケース、アワーマーカー、針というカラフルな組み合わせは、太陽がさんさんと降り注ぐ気候を思い起こさせる。小さめの37mm径のケースを持つため、大きなゴールドの塊という印象ではないが、それでも手首の上で人目を引く存在感を放つ。764万5000円で入手可能だ。

ロイヤルオーク オートマティック ティファニーダイヤル(写真:オーデマ・ピゲ)

ビースト・イズ・バック

では、ロイヤルオーク オフショア コレクションへと移ろう。初めてのオフショアは30年前に発表され、オーデマ・ピゲはこの記念すべき年を初代ロイヤルオークモデル、“ビースト(野獣)” の復活をもって祝った。しかし今回、同ブランドはこの時計のブラックセラミック バージョンをリリースすることにした。ブラックセラミックのケース、ブレスレット、そしてブラックのプチタペストリーダイヤルという、オールブラックの洗練されたバージョンを見るのは実に喜ばしい。この新しい配色が時計に控えめな外観を与え、初代モデルに比べてずっと野獣らしさをおさえた印象になっている。この時計の価格は1045万円となっている。

ロイヤルオーク オフショア ブラックセラミック (写真:オーデマ・ピゲ)

2023年複雑機構を搭載したオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク新作モデル

最後に筆者は、新しくラインナップに加わった、極めて複雑なロイヤルオークモデルをいくつか紹介したい。まずはオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク オートマティック パーペチュアルカレンダー ウルトラシン。この時計は実は、以前に発表された3本のRD#モデルのうち1本をプロトタイプとしている。この見事なロイヤルオークはチタン製で、厚さはわずか6.2mm、ケース直径は41mmである。

Royal Oak Selfwinding Perpetual Calendar Ultra-Thin
ロイヤルオーク オートマティック パーペチュアルカレンダー ウルトラシン(写真:オーデマ・ピゲ)

ケース内部にある超薄型キャリバー5133には、魔法のような技術が使われている。この永久カレンダームーブメントは、2018年にプラチナ950製の最初のプロトタイプがリリースされた際、世界最薄記録を塗り替えたのだ。翌年、プラチナとチタンの組み合わせで実際の商品がリリースされた。そして今回、オーデマ・ピゲはオールチタンでこのモデルを作った。文字盤もまたアップデートされ、今回は美しいスモーキーブルーにブラックのインダイヤルが付いている。この変更により時計は非常に美しい外見を持ち、かつ永久カレンダーは使いやすくなった。さらに洗練されたロイヤルオーク ペチュアルカレンダー ウルトラシンは200本限定で販売される。

常に「新しさ」をもたらすロイヤルオーク コンセプト ウォッチ

もう1つの素晴らしい新作モデルは、ロイヤルオーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMTだ。ロイヤルオーク コンセプトはこのブランドの限界に挑戦するデザイン、素材、テクノロジーにフォーカスしたコレクションである。この最新のロイヤルオーク コンセプトは、多面的なデザインとさまざまな仕上げが組み合わされた立体的で華やかな43mm径のチタン製ケースを備えている。ケースは手首の曲線にフィットし、直径43mm、厚さ17.4mmのケースは非常に着け心地がいい。

Royal Oak Concept Split-Seconds Chronograph GMT
ロイヤルオーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT(写真:オーデマ・ピゲ)

時計の前面と裏面のサファイアクリスタル越しに、自社製キャリバー4401を眺めることができる。この感動的なスプリットセコンド フライバック クロノグラフムーブメントは2つの計測時間を表示し、タイムを分けることができる。そしてフライバック クロノグラフによって、クロノグラフを停止することなく即座にゼロ地点へと戻りリセットすることが可能だ。このムーブメントはまた、第2タイムゾーンの時刻も確認でき、オープンワークダイヤル上に大型の日付表示窓も備わっている。ユニークなムーブメントと印象的な時計の外観という組み合わせは、ロイヤルオーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMTという時計を最高傑作とするもう一つの要素になっている。

ロイヤルオーク オフショアに若干のカラーを追加

ロイヤルオーク オフショア オートマティック クロノグラフフライング トゥールビヨン(写真:オーデマ・ピゲ)

筆者が最後に取り上げたいリリースは、ロイヤルオーク オフショア オートマティック クロノグラフ フライング トゥールビヨンだ。前述でシンプルなバージョンはすでに紹介しているが、このバージョンで、オーデマ・ピゲは時計に色を加え、ロイヤルオーク オフショアの30周年を祝った。ブラックセラミック製のケースとグリーンが良い味を出したオープンワークダイヤルが、同じくグリーンのラバーストラップと組み合わせられている。ピンクゴールドの針とロゴで文字盤には華やかさが加わり、またわずかに使われたレッドがアクセントとなって、この壮観な時計を完成させている。ご覧のように、今年ル・ロックルからはたくさんの素晴らしいモデルがリリースされる。


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