2021年10月11日
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クォーツ時計の魅力を語る: 注目すべき4つのクォーツ式コレクターズ時計

Troy Barmore
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1969年、セイコーのマッドサイエンティストたちは、時計業界を根底から覆すものを製作していた。それは、電池と一定の周波数で振動し、水晶振動子を主な動力源とする計時機構であるクォーツムーブメントだった。このムーブメントの登場は、時計業界に大きな技術的変化をもたらした。この時代は、「クォーツ革命」、または「クォーツショック」と呼ばれることもある。 

クォーツムーブメントの出現は、時計の製造方法やコスト、そして世界の市場の需要を根本的に変えた。特に、スイスは当時と現在の機械式時計製造の世界の中心地であり、その結果は黙示録的なものとなった。クォーツムーブメントは製造コストが非常に低いため、消費者はこの新しい技術に注目した。スイスの時計市場は、時計製造の近代化にもともと遅れをとっていたこともあり、クォーツショックによって壊滅的な打撃を受けた。これにより、約1000社ものスイス時計メーカーが倒産に追い込まれることとなった。 

この大規模な淘汰と、安価な大量生産の時計の入手可能性により、クォーツ時計は望ましくない粗悪品であり、収集に値しないという不名誉なイメージがついてしまった。しかし、すべてのものと同様に、ある世代のゴミは、別の世代では非常に人気のあるコレクターズアイテムとなる。現在、オークションの記録を塗り替え、コレクターのクレジットカードを借金で圧倒させている時計も、ある時点ではただの古い時計だったのだ。この記事では、クォーツ時計であっても、その価値が高まっていることを示すいくつかのタイムピースを紹介していく。 

カルティエ タンク バスキュラント

The Cartier Tank Basculante
カルティエ タンク バスキュラント

「アイコン」とは、おそらく時計の世界で最も使い古された言葉だろう。しかし、カルティエ タンクほど、この言葉がふさわしい時計はない。タンクは100年以上の歴史において、デザイン、サイズ、素材など、さまざまなバリエーションを生み出してきた。クラシックなタンク ルイに匹敵するものはないが、タンク バスキュラントは、カルティエのカタログの中でも特に知られていない珍しいモデルのひとつである。1932年にジャガー・ルクルト レベルソへの答えとして発表されたバスキュラントは、ヒンジ付きのフレームが可動し、文字盤が内側に回転するのが特徴だ。機械式のモデルが見過ごされているとすれば、クォーツ式のモデルはさらに風変りであると言えるだろう。  

ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ

ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ
ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ

そう、その昔、大きな王冠を持つロレックスが市場の要求に応えるためにクォーツのスポーツウォッチを製作したことがある。おまけにロレックスは、ジェンタが牽引した四角張った幾何学的なスポーツウォッチと一体化したブレスレットのトレンドに明確に対応したスタイルを採用した。ホワイトの「バックリー」ダイヤルにローマ数字を配したこのモデルは、18Kイエローゴールドとスチールのツートンカラーのケースを採用している。これは、時計オタクにとっては常識離れの世界だ。ロレックス オイスタークォーツは、数年前に比べてすでに価格が高騰しており、他のロレックス市場の状況を見れば、今後もその価値は上昇していくと思われる。  

パテック フィリップ Ref.3770 ”Nautellipse”

Patek Philippe ref. 3770 "Nautellipse"
パテック フィリップ Ref.3770 ”Nautellipse”

パテック フィリップは、世界で最も魅力的な時計メーカーのひとつであり、これまでに販売された最も高価な時計の一部を生み出したことで常に話題になっている。多くのモデルがすでに驚異的な価格に達しているが、非常にクールでファンキーな、魅力的な作品を比較的低価格で手に入れるチャンスはまだある (探す場所を知っていればの話だが)。その中でも特に注目されているのが、3770という一風変わったモデルで、”Nautellipse” としても知られている。1980年代にノーチラスとエリプスを合体させて作られた3770は、一部のコレクターを混乱させるような時計である。しかし、その奇妙な形に慣れれば、そのエレガントさとバランスの良さが際立つ。クォーツムーブメントは仕上げやディテールが不十分だと言われているが、この時計には手抜きがない。これが、パテック フィリップなのである。 

F.P.ジュルヌ エレガント

F.P.ジュルヌ エレガント
F.P.ジュルヌ エレガント

卓越した時計メーカーが作る素晴らしい時計にはクォーツムーブメントが搭載されていないのではないか、という疑念がまだ残っているとしたら、この時計はその疑念を払拭してくれるだろう。フランソワ・ポール・ジュルヌ は、初のトゥールビヨンを製作して以来、最も美しく、細部まで作り込まれた、お金で買える時計の中でも最もチャレンジングな時計を製作してきた。エレガントは、F.P.ジュルヌの並外れたポートフォリオの中でも例外ではない。当初は、女性の時計愛好家をターゲットとした典型的な製品であったが、今ではジュルヌのすべての顧客層を網羅するまでに成長した。チタン製のクッションケースは、スポーティーさと優美さの絶妙なバランスを保っている。しかし、それだけではない。時計を裏返すと、精巧に仕上げられた電気機械クォーツムーブメントがある。独立系の高級時計は、少し不安定なことはあるが、F.P.ジュルヌの時計は、この1年でかなりの勢いで売れている。このような時計に関しては、それも不思議ではないと言える。 

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記者紹介

Troy Barmore

私は幼い時から時計ファンでした。その熱中が始まったのは、兄のジラール ペルゴ クロノグラフを買うという目的のためだけに夏休みのアルバイトを引き受けた時です。それ以来、私の好みはヴィンテージ ツールウォッチや現代的な独立系ブランドにまで及んでいます。

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