2020年05月18日
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コロナ危機によってロレックスバブルは崩壊するのか?

Donato Andrioli
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コロナ危機によってロレックスバブルは崩壊するのか?

コロナ危機による経済的打撃は甚大だ。時計業界においてもコロナ危機の影響は表面化しており、はっきりと爪痕を残している。バーゼルワールドの終焉はほぼ確実で、正規販売店は閉じられており、購買意欲は全体的に低下している。いくつかの時計ブランドはあらゆる逆境にも関わらず自社ホームページやその他の場所で果敢に新作を発表したが、業界の大手ブランドはどちらかと言うと用心深い態度を取っている。パテック フィリップは新作発表を2021年に見送りし、ロレックスが今年新作を発表するかはまだ分かっていない。というのも、ロレックスは新作の発表を無期延期したからだ。しかし、これらすべてはロレックス モデルにとってどのような意味を持っているのだろうか?ついにロレックスバブルが崩壊するのだろうか?それとも、この状況はロレックスにとって本当に危険にはならないのだろうか?私たちはこの疑問に対する答えを見つけるために、Chrono24のマーケットプレイスデータを詳しく調べてみた。 

 

なぜロレックスバブルが崩壊するのか 

Chrono24のデータを見てみると、バブルが崩壊するかもしれないことを示す兆候が主に2つ存在している。1つはマーケットプレイスで提供されているロレックスモデルの量で、2019年から2020年にかけて4.8%上昇した。これは、現在多くのロレックスオーナーが流動性の創出を求めており、その結果として時計を売りに出していることを示している可能性がある。売りに出されている時計の数が増え、供給が需要を上回った場合、ブランドのイメージだけでなく、価格もマイナスの影響を受ける可能性がある。 

 

Chrono24でのロレックス商品広告 (2019年 – 4月中旬)
Chrono24でのロレックス商品広告 (2019年 – 4月中旬)

 

ロレックス デイトナ 116500LNロレックス GMTマスター II ペプシ 126710 BLROロレックス GMTマスター II バットマン 116710 BLNR、そして2019年3月に発表されたロレックス GMTマスター II ルーネット・ノワールなど、最も人気の高いロレックスモデルの2020年第1四半期のパフォーマンスを見てみると、これらのモデルの価格が軽い下降傾向を見せたことが確認できる。これはロレックスバブル崩壊の兆候なのだろうか?それとも、ただの一時的な価格後退なのだろうか? 

 

ロレックス デイトナ 116500LN の価格推移
ロレックス デイトナ 116500LN の価格推移

 

ロレックス GMTマスター II 116710BLNRの価格推移
ロレックス GMTマスター II 116710BLNRの価格推移

 

ロレックス GMTマスター II LNの価格推移
ロレックス GMTマスター II LNの価格推移

 

ロレックス GMTマスター II ペプシの価格推移
ロレックス GMTマスター II ペプシの価格推移

 

なぜロレックスバブルが崩壊しないのか 

上記のモデルの価格は少々下降傾向を見せたが、非常に安定していたり、さらには価格上昇を見せたりしたその他のモデルもある。ロレックス デイトジャスト 1601ロレックス エアキング5500などはその一例で、両モデルの価格は2020年3月以降軽く上昇している。ロレックス エクスプローラー II 16570ロレックス サブマリーナ デイト 16610の価格も数ヶ月前から安定しており、ここでも後者は軽い価格上昇を見せている。 

 

ロレックス エアキング 5500の価格推移
ロレックス エアキング 5500の価格推移

 

ロレックス デイトジャスト 1601の価格推移
ロレックス デイトジャスト 1601の価格推移

 

ロレックス エクスプローラー II 16570の価格推移
ロレックス エクスプローラー II 16570の価格推移

 

ロレックス サブマリーナ デイト 16610の価格推移
ロレックス サブマリーナ デイト 16610の価格推移

 

また、Chrono24で販売されているロレックスモデルの数は確かに上昇したが、平均価格は-1.8%とほとんど変わっていない。 

Chrono24におけるロレックスモデルの中間価格推移
Chrono24におけるロレックスモデルの中間価格推移

 

2019年第4四半期と2020年第1四半期の問い合わせ件数を比較してみると、ロレックスモデルの問い合わせが7.8%増加していることが分かる。つまり、増加するロレックスの供給が需要を上回るという事態は全く当てはまらない。逆に、問い合わせにおける平均価格は2020年第1四半期に5%上昇した。これは、購入希望者が一般的にロレックスに対してより高い対価を支払う準備があることを意味しており、バブルの崩壊が起こらない理由を物語っている。 

 

まとめ 

ロレックス デイトナ 116500LN、ロレックス GMTマスター II ペプシ 126710 BLRO、またはロレックス GMTマスター II バットマンなど、特に昨年定価よりも大幅に高く取引されていたモデルの価格は少々停滞したり、軽く後退したりした。しかし、これらのモデルの市場価格はそれでも定価より大幅に高く、人気や需要はこれまで全く失われていないことも知っておかなければいけない。 

その一方で、ロレックス デイトジャスト1601、ロレックス エアキング 5500またはロレックス サブマリーナ デイト 16610などのモデルは危機の際にも非常に安定しており、さらには軽い価値上昇を見せている。時計の価格には常にある程度の変動があり、時にはマイナスの影響を受ける場合もある。しかし、大きな変化やロレックス時計への関心の低下は全く見られず、むしろその逆である。さらに、ブランドの人気とステータスを保つことに関して、ロレックスの右に出る者はいない。同ブランドは2020年の出荷量を20%減らすことをずいぶんと前から公表していたのだ。これは賢明な一手であるに違いない。なぜなら、それによって困難な時期にも供給が需要を上回らないようにし、ロレックスファンが評価し、愛するブランドステータスを引き続き維持することができるからだ。 

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記者紹介

Donato Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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