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スイスだけじゃない!世界各国の高級時計ブランド

René Herold 著
2025年1月2日
5 分
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高級時計と言えば、多くの人にとって「スイス製」の時計を指す。スイスは、100年以上にわたって高級時計の産地として確固たる地位を築いてきた。パテック フィリップ、ロレックス、ブライトリング、オメガなど、数えきれないほどの時計ブランドが存在する。このようにスイスの時計産業が圧倒的であるかのように見えるが、スイス以外の国にもトップクラスの時計ブランドが数多く存在する。今回は、スイスブランドに匹敵する世界6カ国の時計ブランドを紹介したい。

イタリア

まずはスイスの南に位置する国、イタリアから始めよう。イタリアは、数多くの高級ブランドを生み出した国だ。最近では、ドルチェ&ガッバーナやグッチ、プラダ、ヴェルサーチといったファッションを得意とするブランドでも、自社製の時計が展開されている。なかでも、サクセスストーリーを持つのはブルガリだろう。現在では、正真正銘のマニュファクチュールとして時計業界で存在感を発揮する同ブランドは、過去にジェラルド・ジェンタともコラボレーションをしている。ブルガリが時計事業と真摯に向き合っているということは、競争の激しい時計業界で世界最薄の時計を作り上げたという事実が証明している。

極薄のブルガリ オクト フィニッシモ スケルトン Ref. 103126
極薄のブルガリ オクト フィニッシモ スケルトン Ref. 103126

また、パネライもイタリアを代表する時計ブランドの一つだ。パネライは、シルベスター・スタローンといった有名人によって世界的に知られるようになるもっと以前の1920年代から、イタリア海軍に独占的にその時計を供給してきたブランドだ。ルミノールやラジオミールは、その巨大なクッション型ケースから、今ではブランドを象徴するモデルとされ、存在感のある時計を求める人にぴったりのモデルとなっている。イタリアブランドに興味があるなら、Chrono24ライター、ドナートの記事、「イタリアの時計ブランド トップ5」もぜひ併せて読んでみてほしい。

フランス

腕時計の黎明期から愛されている不朽の名作、カルティエ タンク
腕時計の黎明期から愛されている不朽の名作、カルティエ タンク

カルティエを擁するフランスは、オートオルロジュリーの分野において最も有名な国の一つだ。同ブランドは、サントス、タンク、パシャ、クラッシュといった数々の名作を生み出してきた。また、20世紀初頭に世界初となる腕時計を作ったブランドの一つでもある。そしてフランスには、カルティエなどの歴史あるブランドだけでなく、比較的若いブランドもそろっている。その一例が、機能的で耐久性に優れたツールウォッチで知られるベル&ロスだ。また、新進気鋭のマイクロブランド バルチックは、レトロなデザインの高品質なドレスウォッチが印象的なブランドだ。1950年代から60年代にかけてダイバーズウォッチやレーシングクロノグラフで注目を集めたイエマも、近年復活を遂げている。フランスブランドについては、Chrono24ライター、ティムの記事、「注目すべきフランスの時計ブランド3選」  もぜひ併せて読んでみてほしい。

イギリス

エントリークラスのミニッツリピーター、クリストファー・ワード ベルカントC1
エントリークラスのミニッツリピーター、クリストファー・ワード ベルカントC1

18世紀から19世紀にかけて、イギリスは時計製造において上位の国だったが、その後急速に失速してしまった。しかし、25年前ほどから時計産業が再び復活しつつある。ブレモンクリストファー・ワード、ファラーといったブランドは、ユニークなデザイン、優れた仕上がり、そして手頃な価格で、短期間のうちに熱烈なファンを獲得した。クラシックなドレスウォッチからパイロットウォッチ、ダイバーズウォッチ、ワールドタイム機能やミニッツリピーターまで、あらゆるモデルがそろっている。

日本

浅岡肇作、クロノ ブンキョウ トウキョウ、サーモンカラー文字盤
浅岡肇作、クロノ ブンキョウ トウキョウ、サーモンカラー文字盤

日本の時計産業は長い間、安価なクォーツ時計が市場に溢れているというイメージと戦わなくてはいけなかった。世界初のクォーツ腕時計を発売し、スイス時計産業にとってトラウマとなった1970年代から80年代のクォーツショックの引き金となったのは、セイコーだった。しかし、今ではセイコー、オリエントシチズン・ミヨタといった時計メーカーが高品質な時計を製造していることは広く知られている。多くのスイスブランドとは対照的に、これらのメーカーはすべてのパーツを自社製造するマニュファクチュールでもある。特にセイコーは、その革新性で知られ、機械式とクォーツ式の利点を組み合わせたスプリングドライブなど、全く新しいものを開発してきた。また、有名メーカーだけでなく、日本には興味深いマイクロブランドや独立系時計メーカーも数多くある。ミナセや、独立時計師の浅岡肇や菊野昌宏がその例と言えるだろう。おすすめ記事:日本の素晴らしい時計製造の世界

アメリカ

デトロイトの自宅にて:シャイノラ ランウェル クロノ
デトロイトの自宅にて:シャイノラ ランウェル クロノ

アメリカはかつて時計産業が盛んだった。ウォルサムハミルトンボール ウォッチブローバといったブランドは、20世紀半ばまでアメリカ時計製造を象徴するブランドだった。現在では、これらのブランドはすでに存在しないか、スイスに拠点を移して久しいかのどちらかだ。しかし、イギリスと同様、時計製造復活の兆しを見ることができる。老舗のタイメックスに加え、アウトドローモ、J.N. シャピロ、シャイノラ、ワイス ウォッチ カンパニーなど、注目の中小メーカーも増えている。おすすめ記事:アメリカの時計ブランド トップ5

ドイツ

ノモス クラブ キャンパス 735
ノモス クラブ キャンパス 735

最後は、Chrono24が拠点を置くドイツだ。ドイツでは、200年以上も前から時計産業が盛んだった。中心地の一つが、南西部シュヴァルツヴァルト地方であり、かつては鳩時計で知られていた。現在はユンハンス、ストーヴァ、ラコといったブランドが拠点を置いている。また、ザクセン州の小さな町グラスヒュッテも同様にと時計産業で知られる。1845年、フェルディナント・アドルフ・ランゲは、かつての鉱山労働者の集落を高級時計製造の中心地へと変貌させたのだった。現在では、A.ランゲ&ゾーネグラスヒュッテ・オリジナルノモス・グラスヒュッテといった名だたる時計ブランドが名を連ねている。

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René Herold

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こんにちは、レネー・へロルドです。Chrono24には求人情報を見て応募しました。正直言うと、時計というテーマは当時私にとってそれほど大きな意味合いを持っ …

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