ここ最近、タグ・ホイヤーがロレックスに代わってフォーミュラ1の公式タイムキーパーとスポンサーを務めるという噂が流れている。タグ・ホイヤーの親会社であるLVMHは、2025年1月から名誉ある職を引き継ぎ、タグ・ホイヤーをレース界の新たなイメージブランドとして据えたいと目論んでいるようだ。噂によると、LVMHは年間1億5000万ドルの契約を望んでいるという。新たなタイムキーパーがタグ・ホイヤーというのも、驚きではない。同ブランドは古くからモータースポーツと深いつながりがあり、その他多くのスポーツにも関わっている。今回は、F1のタイムキーパーとしてタグ・ホイヤーが適任である理由を詳しく見ていきたい。
レース界におけるタグ・ホイヤーのパートナーシップ
F1におけるパートナーシップ
F1は、タグ・ホイヤーにとって決して新しい分野ではない。1970年代には、レース界でスポンサーおよびタイムキーパーを務めている。現在もF1と関わっており、オラクル・レッドブル・レーシングチームのスポンサーである他、2011年以降モナコ グランプリの公式ウォッチを担っている。

フォーミュラEのパートナー兼タイムキーパー
タグ・ホイヤーは、2014年に新たにフォーミュラEがスタートして以来、ABB FIAフォーミュラ E世界選手権をサポートしており、長年にわたって公式タイムキーパーおよびスポンサーを務めてきた。フォーミュラEは、その名のとおり、モータースポーツの最高峰であるフォーミュラ1の電気自動車版だ。ポルシェ、BMW、アウディ、ジャガー、メルセデスなどのメーカーがこの新しいレースに参加し、最先端の電気自動車で競い合う。フォーミュラEは、元フランス人レーシングドライバーであり、フェラーリF1チームの監督でもあるジャン・トッドによって創設された。
タグ・ホイヤー ポルシェ フォーミュラEチーム
2019/2020シーズン以来、タグ・ホイヤーはスポーツカーメーカーのポルシェと提携し、自社のフォーミュラEチームをレースに送り込んでいる。このパートナーシップは、ポルシェを業界最高と評価していたタグ・ホイヤーの元CEOであり時計業界の巨星とも呼ばれるジャン・クロード・ビバーがもたらした。2022-2023は、チームにとってこれまでで最も大きな成功を収めたシーズンとなった。合計7回表彰台に上がり、うち4回が優勝という成績を残している。
インディ 500、パンアメリカーナ、ポルシェ カレラ カップ
しかし、タグ・ホイヤーが関わっているモータースポーツイベントはフォーミュラ1とフォーミュラEだけではない。伝統あるインディアナポリス 500 サーキットでは20年にわたりタイムキーパーおよびポイントカウンターを務めており、伝説的なカレラ パンアメリカーナでは複数のチームのスポンサーを、そしてポルシェ カレラ カップではスポンサーを務めている。このようにレース界との深い関わりを考えると、多くのドライバーが同ブランドの時計を着用しているのも不思議ではない。ファン・マヌエル・ファンジオやアイルトン・セナをはじめとする伝説的なドライバーから、マックス・フェルスタッペンのような現代のトップドライバーまで、彼らはタグ・ホイヤーの卓越した品質と信頼性を高く評価している。フォーミュラ1 クロノグラフ アイルトン・セナやフォーミュラ1 クロノグラフ インディ500、そしてフォーミュラ1 | Kithといったフォーミュラ1コレクションは特に人気がある。

テニス、ゴルフ、ウォータースポーツ
モータースポーツに加えて、タグ・ホイヤーは他のスポーツとも関りがある。たとえば、ポルシェ・テニス・グランプリと長年にわたって提携しており、英国のテニス統括組織であるローンテニス協会のパートナーでもある。また、アスリートのスポンサーでもあり、グランドスラムを何度も制覇した大坂なおみ選手もその一人だ。彼女が選んだ時計は、タグ・ホイヤー アクアレーサーである。

ゴルフもタグ・ホイヤーが深く関わっている分野だ。ゴルフ・オーストラリア、そしてISPS Handa オーストラリアンオープンと何年も前からパートナーシップを結んでおり、さらに、スマートウォッチ、タグ・ホイヤー コネクテッドのゴルフ専用モデルを発売している。この時計には、スイング分析、スコア記録、そして世界に4万箇所以上あるゴルフ場のコースマップ表示機能を備えたアプリが搭載されている。また、タグ・ホイヤーは、ウォータースポーツの世界にも進出している。400m個人メドレーの世界記録を保持するサマー・マッキントッシュや、複数のボード系マリンスポーツを得意とするサーファーのカイ・レニーなど、トップアスリートを支援している。さらにはセーリングにも深く関わりがあり、権威あるアメリカズカップ、そしてオラクルのパートナーとして長年活躍した後、現在はFlyingNikkaプロジェクトの一員となっている。FlyingNikkaは、ミニマキシカテゴリーで初めてフォイルを採用した高性能なレーシングヨットだ。フォイルは翼のように機能し、ボートは最大40ノットで水上を「飛行」する。そしてタグ・ホイヤーは、セーリングにぴったりなアクアレーサー プロフェッショナル 200 ソーラーグラフをFlyingNikkaチームに用意している。
ハリウッドにおけるタグ・ホイヤー
注目を集めているパートナーシップという点では、ハリウッドは欠かせない。ここでも、タグ・ホイヤーにはスティーブ・マックイーンにまでさかのぼる長い伝統がある。彼は映画『ル・マン』の中でタグ・ホイヤー モナコを着用し、角型の時計をカルト的な存在にした。

今日では、パトリック・デンプシー、アレクサンドラ・ダダリオ、ライアン・ゴズリングのようなハリウッドスターが、タグ・ホイヤーのブランドアンバサダーとして活躍しており、彼らの手首はカレラ クロノグラフ、オータヴィア、モナコなどの定番モデルで飾られている。