双方ともに非常にエレガントで人気の高い時計、ジャガー・ルクルト レベルソとカルティエ タンク アメリカン。この記事では、両ブランドの2つのピンクゴールドモデル(ジャガー・ルクルト レベルソ Ref.272.2.51とカルティエ タンク アメリカン Ref.2505)を比較し、どちらが最高のドレスウォッチなのかを見ていきたい。
ブランドの比較
カルティエ
言わずと知れたカルティエは、フランスの高級ブランドであり、主にアクセサリーで知られている。しかし、ルイ・カルティエが1904年に生み出したサントスが、世界初の男性用腕時計であったのをご存じだろうか。そんな意外とも言える歴史を持つカルティエが生み出すジュエリーや鞄、時計などは、今では世界各地の高級ブティック街に欠かすことのできない存在だ。特にここ数年はサントスによって時計業界の注目を集めており、有名なミュージシャンや時計インフルエンサーが愛用している姿を見ることも多い。カルティエは時計メーカーとしての長い歴史を通して絶大な支持を誇っているブランドなのである。
ジャガー・ルクルト
一方、ジャガー・ルクルトは「オートオルロジュリー」のメーカーとしてより伝統的なイメージを持っており、とりわけレベルソやマスターシリーズなどのクラシックなモデルを製造している。複雑で最上級の仕上げが施されたムーブメントで知られており、同社のムーブメントはオーデマ・ピゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどの他社ブランドで使用されることもある。そのため、ジャガー・ルクルトは時計師の中の時計師としても見なされている。
ケースデザインの比較
ジャガー・ルクルトもカルティエも似たケースデザインだが、レベルソは元々ポロの選手が試合中に着けるための頑丈な時計として開発されたものであるため、わずかだがより重厚な印象を与える。
主な違いはエッジとラインで、レベルソよりもタンク アメリカンの方が丸く柔らかい。また、ケース上端からラグまでの距離はタンクの方が長く、そのため形状も少々異なる。サイズはレベルソが26mm x 9.5mm、タンクが26.5mm x 8mmだ。
どちらの時計も非常にエレガントであるが、タンク アメリカンの方がわずかにシンプルで削ぎ落とされた印象を与える。厚みも薄く、装着感もより優れているため、細い手首をお持ちの方にはメリットとなるだろう。レベルソは「デュオフェイス」および文字盤により多くのディテールを備えており、オートオルロジュリーを代表するブランドとしての存在感が際立つ仕上がり。
そしてどちらのモデルも18Kピンクゴールド製で、上品なレザーストラップが付いている。
技術と価格について
タンク アメリカンは、クォーツムーブメントの使用によってレベルソよりも大幅に安い価格から提供されており、最も安いレベルソの約半額で手に入れることもできる。一方でレベルソは、はるかに複雑で高機能な時計であり、搭載されているコンプリケーションもムーンフェイズ、トゥールビヨン、第2タイムゾーン(本稿で紹介しているモデル)、クロノグラフなどさまざまだ。手巻きムーブメントはジャガー・ルクルトのトレードマークで、今回取り上げているリファレンスにも手巻きムーブメントが使用されている。それに対して、タンクにはクイックチェンジ機能を搭載した自動巻きムーブメントが使用されている。
まとめ
結局のところ、どちらの時計を選ぶかは個人的な好みと予算が決め手となる。タンクはコンプリケーションがなく薄型で、よりクラシックな時計。レベルソは日常使いに適しており、便利な機能のほか、より多くのディテールを備えている。しかし、どちらの時計も素晴らしいドレスウォッチであることに変わりはないだろう。