一日に何度も意識的に、あるいはむしろ無意識に、美しい時計を眺めて時間を確認していることだろう。日付を見るなら、1日に1回でよいはずだ。だが、日付表示はChrono24のお客様の間ではクロノグラフやGMTなどを差し置いて、圧倒的な人気を誇るコンプリケーションだ。とはいえ、時計コレクターの間でも特に純粋主義者の多くは、時間を表示するという最低限の機能のみに限定したモデルを求める人が少なくない。
本稿では、時間だけを表示する優れた腕時計を7本ご紹介したい。中には秒針すらないものもある。
ロレックス サブマリーナ Ref.124060
多くの人にとって、ロレックス サブマリーナはスポーツウォッチの定番そのものだ。その中でRef.124060はやや人気の劣るノーデイトのバージョンだ。ただこの伝説的なダイバーズウォッチの歴史は1950年代にまでさかのぼり、日付表示のないアンティークモデルは現在コレクターの間で人気が高く、中程度のコンディションのものでさえ決して安くはない。現行のモデルはクロノメーター認定を取得しており、精度は-2/+2秒だが、デイト付きと比べるとやはりやや需要が少ない。
カルティエ サントス 100 Ref.W20073X8
カルティエ サントスの歴史はロレックス サブマリーナよりもさらに古く、より印象的なものだ。始まりは1904年、カルティエの友人でブラジル人の航空パイオニア、アルベルト・サントス・デュモンのためにカルティエが独自の腕時計を製作したことにさかのぼる。
カルティエ サントス100は誕生100周年を記念して2004年に発表されたモデルであり、そのミニマルデザインは、むしろ男性的なサントス・ラインの本質をより体現している。
ブレゲ クラシック Ref.5157

クラシックはブレゲの時計の中でも最もシンプルなモデルのひとつといえるだろう。美しい手彫りギョーシェの文字盤を飾るものは時針と分針以外何もない。厚さわずか5.4mmの超薄型オートマティックウォッチだ。
このモデルでは有名なブレゲ針に目を惹かれるが、それも当然だ。サファイアガラスのケースバックからはギョーシェ彫りを施された22Kゴールド製オフセンターローターを眺めることができる。このようなシンプルでエレガントな時計に日付表示窓はまったく似つかわしくない。
オーデマ ピゲ ジュールオーデマ Ref.15180BC

オーデマ ピゲには伝説のアイコンウォッチ、ロイヤルオークやロイヤルオーク オフショア以外にも魅力的な時計がある。例えば、このジュールオーデマ・シリーズの超薄型モデルだ。このモデルには時針と分針しかない。
自社製キャリバー2120は、1972年に発表された初代ロイヤルオークRef.5402Aの後継機であるオーデマピゲ ロイヤルオーク「ジャンボ」または「エクストラ シン」に搭載されているムーブメントと密接な親戚関係にある(2120系はパテック・フィリップの初代ノーチラスにも使用されていた)。
IWCシャフハウゼン ポルトギーゼ ハンドワインド

スイスのシャフハウゼンにあるIWC社が純粋に時間を表示するためにデザインしたこのモデルは、クラシックな外観と直径44mmの大きなサイズが特徴だ。IWC ポルトギーゼ ハンドワインドはエレガントな槍型の時針と分針、そして6時位置にいわゆるスモールセコンドを備えている。
また、サファイアガラスのケースバックからは美しく大きな機械式ムーブメントが動いている様子を眺めることができる。このクラシックなタイムピースは、1930年代に発表された歴史ある前身モデルを非常にうまくアレンジしたもので「レス・イズ・モア(少ない方が豊かである)」の典型と言えるだろう。
ノモス グラスヒュッテ チューリッヒ
ノモス グラスヒュッテ チューリッヒにはデイト付きのモデルもあるが、写真でご紹介しているような、追加機能のないバージョンもある。ノモス グラスヒュッテはグラスヒュッテを本拠地とする魅力的な会社で、時間だけを表示する時計を他にも数多くラインナップしているが、この40mm径のチューリッヒはノモスの通常の時計よりもサイズが大きめだ。
内部にはノモスの自社製ムーブメント「イプシロン」を搭載している。おそらく本稿で挙げている時計の中では最も安価だが、高価なモデルと比較しても遜色はない。
オメガ コンステレーション グローブマスター Ref.130.93.39.21.99.001
2015年、オメガはコンステレーション・コレクションの中にグローブマスターを再び取り入れた。残念ながら、グローブマスターの中で時間だけを表示するモデルは、写真の39mm径のプラチナモデルだけだ。
オメガが開発したキャリバー8913はクロノメーター認定を受けているが、独立機関であるMETASからも最大1万5000ガウスまでの耐磁性と精度が0~5秒であることの証明を受けている。
もちろん、時間だけを表示する時計は他にもたくさんある。しかし、ここで紹介した時計はスポーティー、エレガント、クラシック、ラグジュアリーなど、さまざまなスタイルを網羅しているはずだ。問題は、デイト付きの実用的な時計の方が良いと思うかどうかだ。それともあなたは、非の打ちどころなく調和のとれた文字盤を邪魔な日付窓で台無しにされたくないと考える(デザイン)純粋主義者だろうか?