私が自身初の (高級) 腕時計を購入する際に、答えを見つけるために多くの時間とリサーチを費やした一つの問いがあった。その問いは、「初心者である私は、25万円以下の時計を何本見つけられるか?」であった。これは、Chrono24のソーシャルメディアコミュニティでもよく問われている。今年度のバーゼルワールドでは、魅力的な価格で販売されている新商品がいくつか登場し、とても思わしかった。ここで私の問いに対する答えを簡単に述べると、25万円以下の時計は数多くある。
ユンハンス マイスター カレンダー

まず初めに紹介する時計は、定番のクラシックなモデルに新しいデザインが施された、ユンハンス マイスター カレンダー。ユンハンスは、このマスター カレンダーの外観を「イタリアン・シック」と表現している。この表現について、異論はない。40mmの直径と高さ12mmあるこの時計は、ダークブルーの文字盤とコニャック色のレザーストラップが組み合わされており、スタイリッシュな紳士に似合うだろうと思わせる。マイスターシリーズに登場するモデルは、1930年からすでにシンプル、簡素にデザインされた文字盤、そして優れた時計として知られている。この時計は、現代のトレンドに合わせるてブルーの文字盤を使用している。ムーブメントはセリタ製ベースの自動巻きJ800.3が搭載されており、パワーリザーブは38時間。デュボア・デプラ製のカレンダーは、日付、曜日、そして月を表示する。およそ25万円でエレガントだが日常的に着用できるこの時計を所有することができ、現代の多様なファッションに合わせられる。
ジン 104 St SA AG

もうひとつのドイツ時計ブランドは、トレンドカラーのグリーンを使用している。ジンは、同社の最も人気のあるモデルから、104 St SA AGを500本限定で発表した。41mmの鈍く光るグリーンの文字盤を備えるこのパイロットウォッチは、バーゼルワールドの中で最も新鮮に見えるデザインの一つだった。ポリッシュ仕上げのステンレス製ケースの内部では、ストップセコンド機能付きのETA 2836-2が静かに、そして堅実に動いている。パイロットウォッチとしてデザインされているため、時刻の読みやすさに焦点があてられている。1分刻みで表示されているパイロットベゼルは、一目でこの時計はツールウォッチだと把握させ、ジンの特徴が捉えられている。それとメタリックグリーンの文字盤との構成は、この時計をスタイリッシュ且つ活き活きとしたものとさせている。全体的にこの時計は、強さと実用性とのバランスがうまく取れている。ジンの時計では定番だが、ストラップの種類は多様にあり、アリゲーターやアルカンターラなどレザー素材や、2種類あるステンレス製ブレスから選べる。500本限定だが、ジンはそれでも低価格を保っている。このバージョンの104 Stは、レザーストラップ付きで約16万円で購入できる。
セイコー プレザージュ SPB 093

磁器は別称ホワイトゴールドと呼ばれており、優雅さ、際限なさ、そして最良さを象徴する。セイコーの時計はこの3つのことを体現していて、コストパフォーマンスで見ると、時計業界のトップに立つ。セイコーは、優美な表情を持つ最良品質の時計SPB 093を発表し、再び私たちを驚かせた。40mmあるこの時計の特徴は、日本初の磁器として有名な有田焼が施されたダイヤルだ。有田焼磁器の大きな利点は、柔軟性も備えた硬さにある。セイコー曰く、従来の磁器より4倍以上の強度を持つ。他のブランドは、多くの時間を費やす製造工程にさらに精巧な職人技を扱うことは避けるが、セイコーは違う。それ故にセイコーには多くのファンがいる。自動巻きキャリバー 6R27は誠実に製造されており、プレザージュラインの過去のモデルでもすでに扱われている。機能としては、日付表示とパワーリザーブを表示するサブダイヤルがある。信じがたいが、プレザージュラインから提供されるこの時計は、約21万円で購入できる。
モンタ アトラス GMT

今年もいくつかのインディーズブランドが、確立された伝統ある時計ブランドより際立とうと挑んでいた。個人的に思ったのは、アメリカに拠点を置くモンタ社が発表したアトラス GMTが、最も際立っていた。なぜか?それはモンタ アトラス GMTが、現代的で機能も品質も高い標準を持つ時計だからだ。そして、「プレミアム版」にステンレス製ストラップがついたこの時計は、約19万円で提供されている。頑強なステンレスケースが備えられていことから、アトラス GMTは最初から機能性に特化して製造されていることがわかる。だがモンタは、既存するデザインにあまり頼ることなく、多様に仕上げられたケースを通して自社の時計を独特なものとさせている。サンバーストのような仕上げが施されたベゼルには、特に魅力を感じる。そして直径38.5mmあるこの時計の着用感は、とても心地がよい。アトラス GMTは、ホワイト、ブルー、またはブラックの文字盤で提供されている。3つ全ての文字盤は、GMT針とインデックス上部にある色鮮やかな構成により、この時計に現代的なスポーティー感を与えている。モンタは技術的な面に関しても妥協を許していない。この時計には、タグ・ホイヤーやミューレ・グラスヒュッテなどでも扱われている、パワーリザーブ42時間のセリタ SW330が搭載されている。
オーリス アクイスデイト (39.5mm)

この価格帯で時計を販売している最も人気あるブランドは、オーリスだ。オーリスの時計は特にダイバーズウォッチが有名である。新商品であるアクイスデイトに関して、今まで通りの機能性や高い精度を持ち、水中でも着用できる時計になっているなど、オーリスは何も変化を与えていない。だが、新しい要素もある。アクイスデイトはトレンドカラーのグリーンの文字盤と、多くの手首に着用しやすい39.5mmサイズで提供されている。この時計のサンバーストダイヤルは、ショールームの電球下でも中央から文字盤の端へと、ダークグリーンから明るいグリーンへグラデーションを見せ、この頑強に見える時計にスタイリッシュな印象を与えている。この時計は、海辺でリラックスしたいだけなどの機会に適すると思う。この時計に関する他の興味深い要素としては、ベゼルがある。オーリスは、よく見られるブラックを扱わずに、文字盤カラーと合うセラミック製のグリーンのベゼルで提供している。このモデルは300mの防水性と、セリタ SW 200-1が元にされているキャリバー 733が搭載されている。レザーまたはラバーストラップのモデルは約21万円、ステンレス製ブレスレットでは約23万円で提供されているこの時計は、間違いなくダイバーズウォッチのファンを魅了する。