2021年06月04日
 8 分

パテック フィリップ ノーチラス Chrono24ご購入ガイド

Sebastian Swart
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パテック フィリップ ノーチラス Chrono24ご購入ガイド

パテック フィリップ ノーチラスについて

ジュネーブに拠点を置くパテック フィリップが、1976年に初めてノーチラスを発表したとき、この時計がその後数十年にわたってサクセスストーリーを生み出すことになるとは、当のパテック フィリップ自身もおそらく予想できなかっただろう。高級時計にはゴールドを使うのが当たり前だった時代に、ノーチラスの最初のリファレンスを質素なステンレスで作るという勇気を見せ、「世界で最も高価な時計はスチール製」というぴったりの宣伝文句で未来のフラッグシップモデルを発表した。この伝説的なスポーツウォッチのアイコニックなデザインを考案したのは、オメガやオーデマ・ピゲのデザインも手がけたジェラルド・ジェンタ。船の舷窓からインスピレーションを得た、丸みを帯びた八角形のデザインが特徴だ。 

二次流通市場のパテック フィリップ ノーチラス

今ではノーチラスのホワイトゴールドやピンクゴールド仕様も、様々なバリエーションで提供されているが、特に人気があるのはステンレス製のふたつのモデルで、1位は5711/1A-010、2位は5712/1A-001だ。この両モデルは需要が非常に高いため、正規販売店で入手するのは実際のところ不可能だ。特に5711/1A-010の価格はここ数年で天文学的に高騰してきた。しかし、ひとつのモデルのみがもてはやされ、その結果ブランドの認知度が偏ってしまうことが、パテック フィリップには悩みの種だった。そこで、2021年初頭、このモデルの生産を中止し、グリーンの文字盤を持つ後継モデル「5711/1A-014」を発表した。 

生産中止になったパテック フィリップ ノーチラス Ref.5711/1A-010
生産中止になったパテック フィリップ ノーチラス Ref.5711/1A-010

ノーチラス Ref.5711/1Aについて

ノーブルでエレガント、それでいてシンプル。Ref.5711/1A-010のデザインは革新的でありながらも控えめだ。このノーチラスは3本の針とブルーの文字盤を備え、シンプルな外観にもかかわらず、あるいはまさにそのシンプルな外観ゆえに、コレクションの中でも追随を許さない人気の高さを誇っている。Chrono24で最も売れているノーチラスなのも頷ける。 

その価値は近年大幅に上がっていたが、Ref.5711/1A-010の生産中止以降、さらに上昇した。メーカー希望小売価格は生産終了前は「たったの」350万円程度だったが、Chrono24では2021年4月末に1450万円以上で取引されていた。1月には約925万円で購入できたことを考えると、約30%価格が上昇したことになる。メーカー希望小売価格で入手できた幸運なオーナーは、現在300%以上の利回りにご満悦だろう。しかし、パテック フィリップ社の社長兼オーナーであるティエリー・スターン氏は、たったひとつのモデルを巡るまさにこのような投機を行き過ぎだと感じ、生産を中止することで状況に緊急ブレーキをかけたのだ。 

ノーチラスは見た目も、金銭面も、ステータス志向的にも魅力的なだけでなく、品質も優れている。40mm径のケースには120m (12気圧) の防水機能が備わっており、これはスポーティーなドレスウォッチとしては珍しいことだ。しかし、文学史上最も有名な潜水艦の名前がついているのだから、防水性を期待するのも当然だろう。時計内部では、マニュファクチュールキャリバー26-330 S C (巻上げローターには21Kゴールドが使用されている) が時を刻んでいる。ジャイロマックステンプとスピロマックスヒゲぜんまいを採用しており、パワーリザーブは最大48時間だ。 

品質を保証する特別なラベルがパテック フィリップ・シールだ。時計業界で最も厳しい基準を課していることで知られ、極めて高い精度を保証する。日差は最大で-3/+2秒。品質ラベルはムーブメントだけでなく、すべての部品を対象にしており、常に部品の品質の高さを保証するものだ。 

シンプルでエレガント、そして人気が高い。3針とブルーの文字盤のノーチラス
シンプルでエレガント、そして人気が高い。3針とブルーの文字盤のノーチラス

リファレンスナンバー5711/1A-014。グリーンの文字盤の初代ノーチラス

パテック フィリップは2021年の初めに、生産中止となったRef.5711/1A-010のファイナルエディションを発表した。そして、同年4月に開催された時計見本市、Watches and Wonders 2021に合わせて、このアイコニックなモデルの新作が登場した。最新のノーチラスのリファレンスナンバーは5711のあとに「1A-014」がつくが、オリーブグリーンの文字盤以外は先行モデルと全く同じだ。「色がグリーンに変わっただけ」と、この時計のファンや業界通は思ったが、グリーンはここ最近の絶対的なトレンドカラーゆえに、このモデルを手にするには、また長い時間がかかることになるだろう。 

本記事の編集終了時点では、Chrono24にこのノーチラスはまだ出品されていないが、価格が大幅に上昇する可能性は非常に高い。そのため、もし誰かがこのモデルをメーカー希望価格の3万100ユーロ (約400万円) で提供してくれるなら、絶対に買った方がいい。このモデルでは地味すぎるし、もっと高級感が欲しいという場合は、リファレンスナンバー5711/1300Aがお勧めだ。そのベゼルには32個の宝石があしらわれている。価格: 8万1620ユーロ (約1100万円) 

ノーチラス5712、ムーンフェイズ表示付き

ノーチラスのベストセラー第2位は、Ref. 5712/1A-001だ。3針の姉妹モデルと同様にウェイティングリストが長く、二次流通市場での価格も高い。また、姉妹モデルと同じステンレス製で、時・分表示に加えて、スモールセコンド、ムーンフェイズ付きポインターデイト、パワーリザーブ表示を備えている。これらすべての機能を、22Kゴールドのミニローターを搭載した自社製自動巻きムーブメント240 PS IRM C LUが可能にしている。さらに、ジャイロマックステンプ、スピロマックスヒゲぜんまい、人気のパテック フィリップ・シールなどの特徴も備えている。パワーリザーブ: 最大45時間 

このモデルは技術的にはるかに複雑で、推奨小売価格3万8770ユーロ (約515万円) は3針モデルの価格を大幅に上回っているが、二次流通市場での価格は比較的低い。4月末にChrono24で約1350万円で取引されており、3針タイプよりも105万円ほど安い価格だ。5712/1A-001についても前述の1A-014と同じことが言える。価格がまだ希望小売価格に近いところにあるなら、買うべきだろう。 

ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ、ポインターデイトを備えた、ノーチラス5712/1A-010
ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ、ポインターデイトを備えた、ノーチラス5712/1A-010

レディースモデル、Ref.4700

Chrono24で最も売れているノーチラスの第3位は、Ref.4700だ。パテック フィリップが1980年代から90年代にかけて製造していたクオーツ式のレディースモデル。素材には18Kイエローゴールド、あるいは、コンビモデルにはイエローゴールドとステンレスを使用している。ケース径は27mmで、40mm径の大型モデルに比べて格段に小さく、華奢な女性の手首にもフィットする。 

素材の組み合わせが多彩であるのに加えて、ノーチラス4700にはさまざまな文字盤が用意されている。たとえばブラック、ホワイト、ゴールドなどだ。バリエーションによっては、バーインデックス、ローマ数字、さらにはダイヤモンドをアワーマーカーに使用している文字盤もある。特にエレガントなモデルは、ケースとブレスレットにイエローゴールドを使用したRef.4700/1だ。文字盤はブラックで、ゴールドのアップライトインデックスが配されている。こちらは状態の良い中古でも、130万以下で購入できる。つまり、過去4年間、価格は横ばいのままなのだ。 

ベゼルにダイヤモンドをあしらったモデルを探している場合は、価格はもう少し高くなる。Ref.4700/1Jもその一つで、中古で185万円程度だ。このモデルの価格も近年は安定している。 

華奢な女性の手首に似合う、18Kゴールド製のノーチラスRef.4700。
華奢な女性の手首に似合う、18Kゴールド製のノーチラスRef.4700。

価格、価格推移、ご購入ガイド

一般的に、パテック フィリップの時計は価格に見合った価値があり、また、さらに価値が上がる可能性が高いと言われている。しかし、パテック フィリップのノーチラス、それも特に人気の高いRef.5711/1A-010やRef.5712/1A-001を入手しようと考えているなら、「なぜなのか」その理由を具体的に考えてみる必要がある。もし、この時計が本当に気に入り、プレステージが第一で、価格はあまり重要ではない、という場合は、信頼できるオファーであれば間違いないだろう。 

資産価値や価値の上昇に特に注目するならば、現在のところ、エントリーモデルとしての購入は価格が適正である場合にしかお勧めできない。単純な3針のこの時計の市場価格が1330万円を大きく超えていることと、当時のメーカー希望価格が3万ユーロ (約400万円) 以下だったことを考えると、価値が上昇する潜在的な力がすでに尽きている可能性もあり、適正な価格かどうかの判断は難しいところだ。確かなことは、いわゆる均衡価格は、需要が高く供給量が少ないため、すでに非常に高くなっているということだ。原則として、物には常に誰かがそれに支払ってもよいと考えるだけの価値がある。 

レディースモデルのRef.4700は比較的安価なエントリーモデルだが、価格は極めて安定している。 

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記者紹介

Sebastian Swart

すでに数年前からChrono24のサイトを時計の買取と販売、そして時計について調べるのに使っていました。私は子どもの頃から時計に興味を持っており…

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