Chrono24を選ぶ理由 ログイン

ピッティ・イマージネ・ウォモ 95: なぜファッション見本市が時計ファンにとっても興味深いのか

Pascal Gehrlein
2019年01月07日
Pitti Uomo

 

ピーコック達がまたやってくる! – 年に2回、最新の流行を誇らしげに見せるために、メンズファッションの「Who is Who」がイタリア・フィレンツェにある「フォルテッツァ・ダ・バッソ」に集合する。時計愛好家の私たちにとって、それがどう関係しているのか?ファッションと時計に対する熱意自体がそれほどかけ離れていないだけではなく、驚くべき時計も写真家のレンズの前に現れる。だからこそこのファッション見本市は、時計愛好家にとっても見逃せないイベントなのだ!

1922年、フィレンツェ当時ここではいくつかのイタリアの最高級男性ファッションブランドが、自社の新製品を発表していた。この見本市は元々、イタリアメーカーのクラフトマンシップを、国境を超えて宣伝することを目的としていた。今日では国際的にも有名なボレッリ、ドレイクス、ゼニアなど、約1300社が参加している。ミラノやパリで開催されている大規模なファッションショーとは対照的に、この見本市の焦点は当時と変わらず、ブランドと購入者を引き合わせ、その場で流行品の注文が可能な状況を提供することだ。それでも、18日〜11日の間、3万人以上の来場者がこのトスカーナ州の町を訪れる。その中で最も外向性があるのが「ピーコック」達だ。最高級のウールを使用したオーダーメイドのスリーピーススーツと、完璧にコーディネートされたアクセサリーを着こなす男性達は、写真家達のモチーフとしてこの見本市の人気者となる。

 

 

 

ソーシャルメディアの流行とストリートファッションの高まる重要性によって、このような画像は雑誌のような印刷物に載せられるのではなく、すぐさまインスタグラムにアップロードされるようになった。よって近年、モデルのブロガー、インフルエンサー、そして写真家にとって「ピッティ」は重要なステージとなった。#pittiuomo のハッシュタグがつけられネット上に投稿された715000枚の画像が、この宣伝効果を明らかにしている。おそらく2019年初めには、多くのインスタグラムユーザーがフィレンツェから発信することだろう。今回はオシャレな男性達の手首に注目してみよう!

 

ファッション愛好家と時計愛好家の共通点

Pitti Uomo View
ピッティ・イマージネ・ウォモ

 

ファッションと時計には、共に虜にされてしまう「世界」がある。ステンレス製ケースの冷たい感触、セラミック製ベゼルの光沢、自動巻きまたは手巻きキャリバーを巻く際の感覚、エナメル製の文字盤や「トロピカルダイヤル」の艶。このようなディテールは高級服にも見られる。時計キャリバーは、ジャケットの着心地や自分の体へのフィット感を決めるスーツ内側の裏地に似ている。使用されるウールはスーツの寿命を決定し、ブリティッシュツイードの織り目を注意深く見ると、なぜレディメイドのスーツを選ばなかったのか、その理由を再認識させてくれる。また、高級時計を魅力的にしているのは、オメガ スピードマスターロレックス エクスプローラーなどの歴史でもある。そして、ファッションの世界でもそういった歴史が存在する。「必要は発明の母」と言うが、その例として1901年に考案されたトレンチコートは、イギリス軍の将校が塹壕の「トレンチ」で実用的な雨具を必要としたためにデザインされたのだ。

 

 

良いストーリーや高品質な製品に対する受容性は、オメガのような時計メーカーも看過できない。そのため、一部のメーカーはこういった世界にあえて入り、ブランドパートナーと共にピッティ・ウォモに参加している。

 

時計が服装を決めるまたはその逆?

もちろん、このようなストーリーや時計の性質をあまり重要としない方もいる。そのような方にとって時計は単なるファッション要素であり、「男性が着用できる唯一のアクセサリー」とはよく聞くものだ。それが見本市に来場する多くの男性に該当するかどうかについて、私は意見を述べない。明白なのは、近年の来場者の中には、服装にコーディネートされた興味深い時計が見られたということだ。それは全ての時計ファンに歓喜を与えた。過去の見本市で撮影されたスナップショットを、1月に開催されるピッティ・ウォモに向けて見てみよう。

 

80年代の上品さロレックス バイカラー

Pitti Uomo Rolex

 

ハリウッドの名画となっている「アメリカン・サイコ」では、主人公のパトリック・ベイトマンがバイカラーのデイトジャスト 16013を着用している。このデイトジャストには、美しい「リネン・ダイヤル」が搭載されており、ベイトマンはニューヨークのヤッピー世代のモットーである「所持しているのなら、見せびらかせ!」を例示している。ゴールドとステンレス製のロレックス以外にどうこのモットーを例示できるのだろうか。今日のミニマリズムのトレンドとは対照的とも言える。だが、現在バイカラーモデルを所持する者は、この10年間の文化的意義と、煌びやかなモデルの減少を認識しており、1980年代へ好意を持っていると仮定することができる。このような紳士たちは、ブルゴーニュのコートとコーディネートしたブルーのグレンチェックスーツだけでは十分満足しない。よってバイカラーのデイトジャストが最後に人目を引く要因となる。

 

カモフラージュの復帰 – パネライ ラジミール PAM 735

Pitti Uomo Panerai

 

この年配の男性は時計を見せたくはないようだが、どのような時計が彼に合っているか、という推測はせずにはいられない。この年はミリタリーパターンが特に流行していた。ミリタリールックは、古着のM-65ミリタリージャケットからボトムまで、ヴィンテージ時計のように人気がある。真のファッション愛好家たちは、元々は純粋に機能的な衣服をアレンジし、ジャケットやカーディガンとコーディネートした。このような特別な「ピーコック」は、その上にもう一つの要素を加える。彼らグリーンやブラウンなどの異なるアースカラーの重ね着に、カラフルなアクセサリーを合わせることで洗練させるのだ。それに最適なのが、45 mmチタンケースとマットグリーンの文字盤をもつパネライ PAM735だ。この時計はヴィンテージとミリタリールックの両方の基準を簡単に満たし、パネライブランドの歴史によってイタリアのセンスを醸し出している。

 

ストリートスタイルと高級スポーツ時計との融合パテック フィリップ ノーチラス

Pitti Uomo Patek Philippe

 

ミリタリージャケットとの組み合わせでも、スーツはフォーマルすぎると思うならば、ミリタリージャケットをゆるいTシャツとブルーのチノパンでコーディネートすることもできる。それに合うのが、時計市場で現在最も人気のある高級スポーツ時計のパテック フィリップ ノーチラス 5711/1Aだ。残念なことにすでに亡くなっているこの時計のデザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏は、彼のデザインが現在多くのファッション愛好家によって「デイリー・ドライバー」として選ばれていることを気にしないことだろう。スポーティーでエレガントなステンレス製のノーチラスは、1976年以来「アンファンテリブル」と見なされており、パテックのドレスウォッチの伝統を超え、世界で最も高価な時計として販売された。おそらくそれが理由で、ファッション反乱軍が現時点でパテックを着用しているのであろう!

 

今年のピッティ・ウォモ 95で見られるファッションや時計がどういうものになるか、期待に胸が膨らむばかりだ。

 

もっと読む

TPOに合わせた時計選び

機械式時計とアナログレコード


Pascal Gehrlein
記者 Pascal Gehrlein
2019年01月07日
すべての記事を見る

ハイライト