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ブライトリング:航空飛行にインスパイアされた高級時計の精度と性能

Donato Emilio Andrioli 著
2023年12月19日 | 更新日: 2025/04/15
6 分
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ブライトリング:航空飛行にインスパイアされた高級時計の精度と性能

スイスの高級時計メーカー、ブライトリングは間違いなく高級時計界の重鎮である。主に航空分野に特化し、長い歴史を持ち、時計愛好家、コレクター、ビギナーの間で絶大な人気を誇っている。この記事では、ブライトリングの歴史を紐解き、その最も重要なモデルを始め、知っておきたいすべてについて紹介したい。

ブライトリングの歴史

ブライトリングは1884年にレオン・ブライトリングによって設立され、直径サイズが大きく、ディテール豊かな文字盤を持つパイロットウォッチで知られている。同社の歴史のごく初期には、後に主力製品となるべきクロノグラフの開発に力を注いでいた。1936年には、早くも英国空軍に航空機搭載用の時計を供給し、後にアメリカ陸軍航空軍はクロノマットやナビタイマーといった今日のブライトリングを象徴する時計を採用するようになった。ブライトリングはその後もラインナップを拡大し続け、さまざまなサイズとカラーのパイロットウォッチ、ダイバーズウォッチ、オールラウンダーウォッチを展開しており、中にはアナログとデジタル表示を組み合わせたモデルもある。2017年からジョージ・カーンがブライトリングの経営を担っている。この新CEOは今やブライトリングの顔となっており、伝統あるブランドに新たな息吹を吹き込んだ。

The new Breitling Chronomat GMT
ブライトリングは創業当初からパイロットクロノグラフに力を入れていた。クロノマットが初めて発表されたのは1942年。

ブライトリング:アイコニックな時計

ブライトリングは史上最もアイコニックなパイロットウォッチを数々世に送り出してきた。1942年、計算尺を備えた手巻きクロノグラフのクロノマットを初めて発表。このモデルは10年後に登場した伝説的なナビタイマーの前身モデルとされている。ナビタイマーはさらに精巧なベゼルを装備し、燃料消費量、上昇率、下降率、平均速度などの複雑な計算も可能になった。クロノマットとナビタイマーは現在もブライトリングのカタログにラインナップされており、高い人気を誇っている。だが、同社が優れたパイロットウォッチだけのメーカーではないことは、スーパーオーシャンが証明している。このダイバーズウォッチは1958年に発表され、現在もコレクションに含まれており、特に人気の高いモデルのひとつとなっている。ツール的なデザインと高級感が完璧に両立している時計を探している方には、40mm径のクロノマット GMTが最適だろう。その他の人気モデルには、よりエレガントなクロノグラフのプルミエや、ドレスウォッチともいえるダトラがある。また、エマージェンシーという、本当にユニークなモデルまで用意されており、これまでにも緊急事態で何人もの人々を救っている。最後に紹介するのはアベンジャー、3針タイプとクロノグラフが入手可能だ。少なくともクロノマットやナビタイマーと同じくらいアイコニックで人気があり、最近になって新しいデザインになったばかりだ。ブライトリングの現行のポートフォリオを見ると、同社のモデルがいかに多彩であるかが分かる。

Die neue Breitling Avenger wurde einem Re-Design unterzogen
新生アベンジャーはデザインを一新

価格:ブライトリングはビギナー向きか

ブライトリングと言えば複雑時計で知られているが、近年特にビギナーに優しい時計ブランドに成長している。もちろん、品質の面でも申し分なく、時計としての完成度でこれ以上望むべきものは何もない。他社製をベースに改良したムーブメントを採用しているモデルもあるが、ナビタイマーなどの代表的なモデルには自社製ムーブメントが搭載されている。特に人気が高いのはキャリバーB01で、ブライトリングの定番モデルだけでなく、他の有名時計ブランドにも使用されている。例えば人気のチューダー ブラックベイ クロノもキャリバーB01を搭載しているのだ。価格についてだが、ブライトリングで特に人気が高いモデルのメーカー希望小売価格は73万円から124万円だ。ナビタイマーやクロノマットなどの人気モデルは、二次流通市場で購入するならば、価格はかなり安定している。例えば、ステンレス製ブレスレットのナビタイマー B01 クロノグラフ 43の最新バージョンでは、メーカー希望小売価格が118万8000円だが、二次流通市場では未使用の状態で約90万円から入手可能だ。複雑な時計が多く、やや高めのサービスコストを覚悟しなければならないが、ブライトリング は総じてビギナーにも適した時計ブランドである。

Der Luxusuhrenhersteller hat sich vor allem in den letzten Jahren zur einsteigerfreundlichen Uhrenmarke entwickelt
ブライトリングは特に近年、ビギナーに優しい時計ブランドとして成長してきた。

ブライトリング:ブランドの評判

ブライトリングといえば、力強く堅牢で男性的な、特に空で活躍する時計が有名だが、幅広い製品ポートフォリオを見れば、それが真実を半分しか語っていないことが分かる。確かに、特に航空ファンにとってブライトリングは時計の理想郷と言えるだろう。しかし、クロノマット GMT 40のようなオールラウンダーや、スーパーオーシャンのようなダイバーズウォッチも展開しており、今やブライトリングはどんなテイストにも合う時計を取り揃えている。中にはダイヤモンドを躊躇なくあしらったレディースウォッチさえもあるのだ。また、サステイナビリティにも真剣に取り組んでいる。アップサイクルされたペットボトルのみで作られた、環境に優しく再利用可能な折りたたみ式ウォッチボックスを初めて採用した時計メーカーであり、美しい地球を守るための多くのプロジェクトや組織を支援している。

Breitling Navitimer
ブライトリングと言えば数々のパイロットクロノグラフで知られている。

ブライトリングとロレックスとのライバル関係

ブライトリングについて語る時、必ずロレックスにも言及することになる。パイロットウォッチのエキスパートであるブライトリングと同様、ライバルのロレックスもまた時計界の重鎮だからだ。しかし、両ブランドはこれ以上ないほど異なっている。ブライトリングが航空界の王者であるのに対し、ロレックスは水に関して無敵であることは間違いない。とはいえ、見逃せない類似点もある。両ブランドとも魅力的な歴史があり、史上指折りのアイコニックな時計を生み出してきた。そして顧客を惹きつける幅広い製品ラインナップを誇っている。これだけ多くのハイクラスな名作があるのだから、両社が世界でも特に人気のある時計ブランドであり、時計ファンが常に両社を比較しているのも当然のことだろう。

記者紹介

Donato Emilio Andrioli

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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