1884年創業のブライトリングは、スイスを代表する時計ブランドの一つだ。その名声は、ナビゲーションウォッチやクロノグラフの分野を中心として先駆的な業績を挙げてきた同ブランドの革新性によるものだ。2024年に創業140周年を迎えたブライトリングは、その数々の功績を称えるべく、 これまでの伝統や歴史を振り返りながら、現在の先駆的な技術を用いたさまざまな新作を発表している。そしてジュネーブ・ウォッチ・デイズ2024で発表されたのが、ブライトリング史上最大のイノベーションの一つと言えるパーペチュアルカレンダー・クロノグラフムーブメント B19だ。
「140 Years of Firsts」
ブライトリングは、その歴史を簡単に振り返るだけでも、驚くほど豊かな歴史があることがすぐにわかる。1915年に、初の腕時計型クロノグラフを発表。スタート、ストップ、リセットは2時位置のプッシュボタンで操作するという、当時としては画期的なものだった。1934年には、4時位置に2つ目のプッシャーを備えたクロノグラフの特許を取得。1969年には、ブライトリングは初の自動巻きクロノグラフキャリバーの開発に携わっている。そして2009年、ブライトリングはついに初の完全自社開発のムーブメント、キャリバーB01を発表した。
キャリバー B19
そして15年後の2024年、時計製造の技術はキャリバーB19によって新たなレベルへと到達した。同ブランドで初となるパーペチュアルカレンダーを搭載したキャリバーだ。そしてこのキャリバーに、クロノグラフ以上にベストな選択肢はないだろう。 さらに、フルカレンダーとムーンフェイズ表示を備え、月の長さ(28日、30日、31日)やうるう年の自動的修正機能も搭載している。このキャリバーなら、ほぼ1世紀にわたり、わずかな調整だけで作動することになる。また、パワーリザーブは約96時間を誇る。そして、機能面だけでは物足りないかのように、このキャリバーの外観は非常に印象的に仕上げられている。ソリットゴールド製のローターには、同ブランドの歴史あるモンブリラン工房のエングレービングが施されている。この新しいキャリバーを搭載した創業140周年記念の限定版には、3つのモデルが選ばれ、「プルミエール」、「ナビタイマー」、「クロノマット」のアニバーサリーエディションがそれぞれ140本限定で登場した。さっそく、その3本を見ていこう。
1943年以来、ブライトリングのコレクションの一角を占めるプレミエ。当時、機能性を重視しながらも、エレガントな時計を求める紳士のためのクロノグラフとして発表された。アラビア数字と四角いプッシャーがひときわ目を引くデザインだ。キャリバーB19を搭載したアニバーサリーエディションは、18Kレッドゴールド製で、時計の外観、内部のどちらの価値も重視する時計ファンにぴったりの1本だ。
ナビタイマー B19 クロノグラフ 43 パーペチュアルカレンダー 140周年アニバーサリー
ナビタイマーは、クロノグラフと計算尺を組み合わせた初の時計だ。航空に必要な計算を可能にしたことから、瞬く間にパイロットの間で人気を博したが、その印象的なデザインから、パイロット以外の多くの人々も魅了した。アニバーサリーエディションは、18Kレッドゴールドの文字盤にブラックの計算尺が組み合わされ、アイコンウォッチにふさわしい真のアイキャッチャーとなっている。
スーパー クロノマット B19 44 パーペチュアルカレンダー 140周年アニバーサリー
1983年、クロノマットはイタリアのアクロバット飛行部隊、フレッチェ・トリコローリの公式時計として発表された。クロノマットは、クォーツ危機の最中とその後に、機械式クロノグラフの人気回復に貢献した時計である。アニバーサリーエディションは、15分毎の位置に配置された4つのライダータブと「オニオン」型リューズといったクロノマットの特徴的なデザインを踏襲しながらも、セラミック製のインサートと同ブランド初のスケルトン仕様の文字盤で、かつてないほどのエレガンスを表現している。
まとめ
ジュネーブ・ウォッチ・デイズでブライトリングは素晴らしいアニバーサリーモデルを発表した。しかし、同ブランドは140年という豊かな歴史や伝統に甘んじることなく、パイオニア精神を貫き続けている。今後も革新と進化を追い求め、新たなる140年の歴史を刻み、数多くの「ブランド史上初」、や「時計業界史上初」を生み出すにふさわしい存在であることは間違いないだろう。