2022年07月06日
 10 分

ブランドと時計の種類 トップ5のダイバーズウォッチブランドとは?

Jorg Weppelink
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ダイバーズウォッチの元々の使用目的は、現在では着用者にとってかなり重要性が低くなっているが、だからといってダイバーズウォッチやそのブランドを楽しめないわけでは全くない。この記事では、ダイバーズウォッチで有名となった5つの時計ブランドを見ていきたい。ところで、スキューバダイバーの腕に機械式時計が見られる可能性はゼロに近い。今日のダイバーは腕に機械式時計よりもコンピュータを着用しているのだ。しかし、これは決して時計ブランドが最新の素材や技術でダイバーズウォッチを改良し続けることができていないことを意味するものではない。それでは、ダイバーズウォッチの世界で最も卓越したブランドを紹介しよう。 

1. オメガ

ダイバーズウォッチをリードするブランドといえば、1932年にオメガ マリーンを誕生させたオメガである。この時点までにおける時計の防水性は、ちょっとした水はねに耐える程度のものであり、マリーンは水中でも着用できる時計だった。オメガ マリーンは、レマン湖で73メートルまで潜水し、その後圧力室で135メートルの深さに耐えることができるかどうかテストされた。これをきっかけにブランドは防水時計の開発を本格的に開始し、最終的にオメガはダイバーズウォッチを代表するトップブランドのひとつとなった。第二次世界大戦後にはスキューバダイビングの人気が急激に上昇し、これが現代のダイバーズウォッチの最初の時代と言われている。オメガは1957年にスピードマスター、レイルマスター、シーマスターの3部作のひとつである有名なシーマスター 300をリリースしており、このアイコニックな時計は現行のシーマスター 300コレクションのインスピレーションにもなっている。オメガは今日でもプロダイバー用の本格的なダイビングツールを開発し続けている。 

これらの中で最も有名なのは、おそらくフランスの潜水専門会社COMEXと共同開発されたオメガ プロプロフで、このモデルはこのスイス産ブランドにとってもう一つのアイコンとなった。そして、これらはオメガが発売してきた数多くのシーマスターモデルのうちの2本に過ぎない。現在、シーマスターのラインアップには複数のモデルがあるが、最も人気があるのは、”ボンド” シーマスターとても知られているオメガ シーマスター ダイバー 300Mコレクションだ。さらに、前述の1957年製でアンティークのシーマスター 300からインスピレーションを受けたシーマスター 300コレクションもある。プラネット オーシャンコレクションには最近、2019年に地球で最も深い地点に到達した5大深海探検にも使用された印象的なオメガ ウルトラ ディープをベースに、いくつかの新作が加わった。オメガは、技術の限界を押し広げるタイムピースや、美しいアンティーク調のモデルなど、ダイバーズウォッチの世界をリードするブランドであり続けている。 

オメガ シーマスター 300Mコレクション

2. ブランパン

ダイバーズウォッチの世界に大きな影響を与えた他のブランドには、ブランパンがある。このブランドは、初めて近代的なダイバーズウォッチを開発し、今日私たちが知っているダイバーズウォッチの基調を定めたと言われている。ブランパンは1953年にフィフティ ファゾムスをリリースした。これはフランス海軍特殊潜水部隊、コンバット・スイマーのロベール・マルビエ中佐が、水深50ファゾムス(91.44m)で作動する時計の開発に協力することになった1年前のことである。ロレックスにも当時同じ水深を実現する時計の試作品があったが、これらの時計はまだ市場に出回っていなかった。同時期に、マルビエ中佐はブランパンにダイバーズウォッチの発売について相談していた。1953年にデザインが完成し、ブランパンはLIPと販売契約を結んだ。その後1954年にこの時計が発売され、歴史にその名を残すこととなったのだ。 

ブランパン フィフティ ファゾムスのレガシーは、今や伝説といっていいものだ。時計がリリースされた当時は主にミリタリーダイバーに愛用されていたが、この時計は日常的な時計着用者たちからの支持は得られず、より大きな市場での商業的な成功には至らなかった。フランスの有名な海洋学者、ジャック=イヴ・クストーは、1956年のアイコニックな映画『沈黙の世界』でフィフティ ファゾムスを着用していたことで知らている。ブランパンは現代のダイバーズウォッチの発展における中枢と考えられている。現行のコレクションには、1950年代のクラシックウォッチにインスパイアされたフィフティ ファゾムスのモデルと、モダンな外観と素材を持つフィフティ ファゾムス バチスカーフのモデルがある。ブランパンは、ダイバーズウォッチの世界において当然と言える特別な地位を確立しているのだ。   

The Blancpain Fifty Fathoms
ブランパン フィフティ ファゾムス

3. ロレックス

ロレックスがこのリストに入っていることは言うまでもない。ロレックスは、何十年もの間世界の深海に挑む時計を開発してきた。1953年にロレックスは有名な潜水艇トリエステ号の外側にロレックス “ディープシー スペシャル“ を取り付け、潜水時計の世界で大きな成功を収めた。トリエステ号は水深3,150メートル地点まで潜水し、ロレックスは完全な状態で戻ってきた。7年後の1960年、トリエステ号はディープシー スペシャルを外側に取り付け、今度はなんと驚きの水深10,916メートルまで潜水したのだ。そして今回も、ロレックスは正確な時間を刻んだまま無事に地上に戻ってきたのである。当時のディープシー スペシャルはもちろん今日私たちが知っている通常のダイバーズウォッチではなかった。その時計は巨大なドーム型のクリスタルと特大のケースを備え、美しさと装着感には議論の余地があった。 

トリエステ号による初の潜水から1年後の1954年、ロレックスはバーゼルワールドで有名なサブマリーナを発表した。これは、ダイビングの世界におけるロレックスによる影響力のある冒険の始まりとなった。何十年もの間、ロレックスは引き継きサブマリーナを改良してきた。限界に挑戦するプロフェッショナルダイバーズウォッチの必要性に応え、ロレックスは1967年にシードゥエラーを発表した。これは、さらに深海での作動を実現するヘリウムエスケープバルブを搭載した初の時計だった。また、この時計のケースはサブマリーナよりも厚いものだった。これらのモデルは両方とももちろん未だに現行のロレックスコレクションの一部であり、ロレックスは常に自社の時計を改良し、ロレックス ディープシーのラインアップを拡大している。より大きく、大胆で、最大3,900mの防水性を備えたこのモデルは、ロレックスが今もダイバーズウォッチの技術開発におけるリーダーであることを明確に示す、印象的なダイバーズウォッチである。 

ロレックス サブマリーナ “ハルク”:世界で最も有名なダイバーズウォッチの一つ

4. パネライ

ダイバーズウォッチの世界で有名なまた別のブランドには、パネライがある。20世紀前半、パネライはイタリア海軍の正式な海軍用計器のサプライヤーとして、また同軍の戦闘ダイバーのための時計として広く知られるようになった。1930年代にパネライがイタリア海軍のために生産したタイムピースは、現在でもダイバーズウォッチファンの間でとても人気がある。興味深いのは、これらのダイバーズウォッチがすべてロレックスが設計および製造したものだということだ。特大のクッション型ケース、そして大きな数字が施されたミニマルな文字盤など、ラジオミールとして知られるこれらの時計は、今日でも際立った存在である。 

現在私たちが知っているパネライは、1990年代から始まったブランドへの新たな関心から生まれた。何十年もの間、パネライはさまざまな軍の特殊潜水部隊のために時計を製造していたが、軍事費の削減とクォーツ時計への集中により、1970年代には事業は小規模化された。1992年に日本の時計専門誌に掲載された記事のために、このイタリアブランドが持つ豊かな歴史へ大きな関心が寄せられるようになった。これを受けて、今度はより多くの人に向けて、ブランドを再び知らしめるべく動き出したのだ。以来、パネライはダイバーズウォッチの世界をリードするブランドとなっている。そのコレクションは、リューズ保護機能を備えた有名なルミノールのモデルと、パネライの過去のモデルへのオマージュであるパネライ ラジオミールのモデルから構成されている。サブマーシブルコレクションは、パネライの現代的なダイバーズウォッチを集めたものとなっている。パネライは新素材、デザイン、技術の面でも最高品質のものを提供しており、モダンとアンティーク調モデルの両方においてブランドがダイバーズウォッチのリーダーであり続ける理由を示している。 

パネライ ラジオミールシリーズ

5. ドクサ

このリストで最後に紹介するブランドはドクサだ。ドクサと聞いてピンとくる人は多くないかもしれないが、ダイバーズウォッチの世界においてドクサはビッグネームである。しかし、ドクサは最初からダイバーズウォッチブランドとしてスタートしたわけではなく、その歴史は19世紀後半までさかのぼる。1908年、ドクサは非常に優れたパワーリザーブを備えた8デイズと呼ばれるムーブメントを開発し、その名が広まった。この機能のおかげで、これらの時計はブガッティ車にも採用された。その後、自動車のコックピットにもドクサの計器が搭載され、さらに船舶や航空機にも使用された。ブランドは、ジャック・クストーがドクサと共同でプロ用のSUB ダイバーズウォッチを開発した1960年代にダイバーズウォッチで大ブレイクを果たした。 

ドクサ SUB 300は1967年に発表され、その後ブランドのアイコニックなタイムピースとなる。この新しいスタイルのダイバーズウォッチは、クストーの映画で見ることができ、クルーはオレンジの文字盤を備えた、この優れた時計を着用している。その後すぐに、ドクサはT.グラフやコンキスタドールなどの新モデルを発表したが、クォーツショックの勃発により、ドクサは生き残ることが難しくなった。しかし、時が経つにつれてドクサは時計業界で成功を取り戻し、現在では非常に人気のダイバーズウォッチブランドとなっている。そのコレクションは数々のアイコン的モデルで構成されているが、中でも一番有名なのは間違いなくSUB 300とSUB 300Tだろう。また、SUB 600TとSUB 200 T.グラフもチェックしておきたい。これらの時計は、そのユニークなデザインと素晴らしいカラーオプションで際立つモデルで、素晴らしいダイバーズウォッチであり続けるだけでなく、その鮮やかな色合いがサマーウォッチとしてもぴったりだ。 

The Doxa SUB 300
ドクサ SUB 300

ダイバーズウォッチで知られている5つのブランドはこれで以上だ。ロレックスやオメガのような名門ブランドから、ブランパンやドクサのような小規模時計メーカーまで、これらのブランドはすべて今日私たちが知っているダイバーズウォッチの発展に極めて重要な役割を果たしてきた。ぜひ一度チェックしてみてほしい。  


記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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