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プロスペックスシリーズの新作: 新開発セイコー プロスペックス LXシリーズ

Jorg Weppelink 著
2019年3月22日
7 分
プロスペックスシリーズの新作: 新開発セイコー プロスペックス LXシリーズ

写真: セイコー

バーゼルワールドが来る度にセイコーは同社の豊富な時計シリーズに新しいモデルを追加し、多くのファンを喜ばせている。今年、セイコーはプロスペックスの新シリーズである「LXライン」を発表した。また、その他にも1970年のアイコニックなダイバーズウォッチの限定復刻モデルや、日本の匠の技をとり入れたプレザージュシリーズの新モデルも発表した。

セイコー プロスペックス LX シリーズ

バーゼルワールド2019初日の最も大きなニュースの1つは、セイコー プロスペックス LXシリーズの発表であった。セイコー プロスペックス コレクションの始まりは、1965年に発売された同ブランド初のダイバーズウォッチにまで遡り、それ以来同ブランドの時計はダイバーや冒険家に愛用され続けている。1968年、セイコーはアイコニックなプロフェッショナルダイバーズウォッチを市場に送り出した。この時計は、その頑丈なデザインと機能性によって世代を超える人気を誇った。セイコーはバーゼルワールド2018でプロスペックシリーズの1968年プロフェッショナル ダイバーズウォッチ復刻モデルを発表し、50年前のデザインが今でもその魅力を失っていないことを証明した。

新型プロスペックス LX シリーズ
新型プロスペックス LX シリーズ 写真: セイコー

プロスペック LXシリーズも、この同じヴィンテージ時計にインスピレーションを受けている。このシリーズの時計は陸・海・空の3つのフィールドを横断し、そのデザインは独創的かつ現代的なひねりを、1968年のプロフェッショナル ダイバーズウォッチに加えている。コレクションは3つのベースモデルで発表されており、時計の素材はすべてチタンとなっている。”陸” モデル (SBDB029) はGMT機能と簡易方位計つき回転ベゼル、”空” モデル (SBDB031) はGMT針と3つ目のタイムゾーンの時間を表示することができる両方向回転ベゼル、”海” モデル (SBDB027) は逆回転防止ベゼルを搭載している。

さらに、セイコーは各ベースモデルの美しいオールブラックエディションも発表した。この極言まで要素を削ぎ落とした時計は色彩を持たず、硬質ブラックコーティングによって保護されており、すべての平面はザラツ研磨によって仕上げられている。”空” (SBDB025) と “陸” (SBDB023) モデルにはレザーストラップが組み合わせられており、”海” (SBDB021) モデルにはダイバーズウォッチにより相応しいシリコンストラップが採用されている。このセイコーのアイデアは素晴らしく、外観のデザイン要素を超えて、各時計が互いに独創的であることを強調している。

セイコー SNR031
セイコー SNR031写真: Seiko

セイコーはKEN OKUYAMA DESIGNと提携することで、開発プロセスに新たな観点をもたらした。奥山清行氏は自動車業界で名を上げた有名な工業デザイナーで、ポルシェやゼネラルモーターズでの仕事や、とりわけピニンファリーナ社での伝説的なエンツォフェラーリのデザインで知られている。セイコーと奥山氏は時計をより快適に着用できるよう、ケースの重心を低くすることを共に決めた。その他の優れたディテールはケース上面の急な角度で、これによりザラツ研磨仕上げが施された表面をより際立たせている。

各プロスペックス LXにはセイコーの5Rスプリングドライブが搭載されている。5Rスプリングドライブは激しい温度変化や衝撃に強い機構で、それにより高品質で精悍なルックスのスポーツ・アドベンチャーウォッチが誕生した。プロスペックス LXのメーカー希望小売価格は、”陸” モデルが53万円 (SBDB029、SBDB023)、”海” モデルが63万円 (SBDB021、SBDB027)、”空” モデルが58万円 (SBDB025、SBDB031) となっている。これは決して安いとは言えないが、セイコープロスペックスが価格に見合った時計であることは間違いない。発売は2019年7月を予定している。

セイコー 1970 メカニカルダイバーズ 復刻デザイン限定エディション

セイコーはバーゼルワールド2019で、セイコー6150で知られているクラシックなダイバーズウォッチの復刻エディションも発表した。セイコー 1970 メカニカルダイバーズ 復刻デザイン限定エディション (SBDX031) は、1960年代後期に開発されたダイバーズウォッチの美しい復刻デザインだ。6105は機能性に焦点を当てた時計として開発された。例えば、幅の広いケースは4時位置のリューズの保護性を高めるために採用された。この6105の後期型はアイコニックなダイバーズウォッチで、その形状から多くのファンに「タートル」と愛着を持って呼ばれている。

セイコー SBDX031
セイコー SBDX031写真: セイコー

このセイコー 1970 ダイバーズウォッチの復刻エディションは非常にセンスよく、オリジナルのデザインに忠実だ。外観における違いはサイズだけで、オリジナルの6105は直径41mm、SLA033はそれよりも少し大きい45mmとなっている。また、レトロなデザインとは対象的に、この時計は最先端の性能を備えている。200mの防水性能を誇るセイコーキャリバー8L35を搭載し、シリコンストラップで腕に着用される。

は2500本限定で、すべて北日本に位置する雫石高級時計工房で組み立てられている。この時計の価格は45円だ。

セイコー プレザージュ 有田焼ダイヤル

プレザージュも成功しているセイコーコレクションの1つだ。このシリーズの時計は、伝統的な時計製造技術と日本の匠の技を結びつけている。バーゼルワールド2019で、セイコーは特別な文字盤を搭載したプレサージュシリーズの新モデル「プレザージュ 有田焼ダイヤルモデル」を2つ発表した。

セイコー プレサージュ
セイコー プレサージュ写真: セイコー

この2つの新モデルには有田焼ダイヤルが採用されている。有田は南日本に位置し、400年以上にわたる磁器製造の歴史を持つ小さな町だ。そして、この伝統は同じく有田で製造される文字盤にも反映されている。この時計の文字盤は初期の有田焼で使用されていた柞灰釉と同じ淡く青みがかった白を再現。その結果、有田の歴史と匠の技がセイコーの時計製造技術と完璧に融合した、特別な時計が誕生した。レサージュ シリーズの次のステップを表している。

両時計ともにセイコー6Rシリーズ キャリバーが採用されている。SARW049は45時間のパワーリザーブを持つセイコーキャリバー6R27を搭載し、パワーリザーブ表示は9時位置に、日付表示は6時位置に配置されている。もう1つのモデルであるSARX061は新開発キャリバー6R35を搭載。この時計のデザインはより控えめで、パワーリザーブは70時間を誇る。両時計ともにセイコー プレサ

全体として、バーゼルワールド2019におけるセイコーの発表は、セイコーがこれまでと同じく重要なブランドであり続け、あらゆる人々に向けて時計を提供していくことを示していた。しかし、今回の発表の目玉は間違いなくプロスペックス コレクションだ。プロスペックス LX シリーズと1970 ダイバーズ復刻エディションは、多くの時計ファンの心を掴んだに違いない。

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こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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