2023年09月25日
 11 分

ロレックス、究極のラグジュアリーブランド

Sebastian Swart
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時計に詳しい人でも、そうでない人でも、王冠マークのロレックスのことは知っているだろう。多くの人にとってロレックスはラグジュアリーウォッチの代名詞であり、そしてステータス・シンボルでもある。さらには、所有者の多くがロレックスの資産価値の高さからその恩恵を享受してきた。ロレックスはこれまでの約120年の歴史の中で、現在の時計というカテゴリー全体の青写真となる多くのラグジュアリースポーツウォッチを生み出してきた。伝説のダイバーズウォッチであるサブマリーナ、絶大な人気を誇るクロノグラフであるコスモグラフ デイトナ、ロングセラーのデイデイトは、数多くのアイコニックな時計のほんのひと握りにしか過ぎない。

この記事では、ロレックスの歴史やモデルについて詳しく見ていこう。また、ロレックスの時計が高値で取引される理由や、近年ロレックスを着用している著名人についても紹介したい。

ロレックスの歴史における重要なポイント

ハンス・ウイルスドルフは時計業界でもっとも有名な一人だ。ドイツのクルムバッハ出身で、進取の気性に富み、想像力豊かであった彼は、スイスでの生活後ロンドンに移り、1905年に24歳で自身のビジネスを始めることを決意。スイスの時計をイギリスに輸入することに従事した。しかし、人々の記憶に残るようなブランド名が欠けていた。

一説によると、ロレックスという美しい響きの5文字の造語は、数々のアルファベットの組み合わせを考えた末、思いもよらず生まれたと言われている。ある朝、ロンドンで乗合馬車の2階席に座っていたウィルスドルフは突然「ロレックス」という名前を思いついた。その名前は、シンプルでユニークであり、同時に響きが良く、まさに彼が求めていたものだった。

ロレックスはブランドがまだ若かったころから、品質の高さと革新性に重点を置いていた。その結果1914年には、航海用のクロノメーターのみに与えられるものだった精度証明を持つ時計を作り上げている。また、1926年には特許を取得したオイスターケースを使用した世界初の防水時計を発表。ベゼル、リューズ、裏蓋がミドルケースにねじ込まれているこの構造は、現在でもほとんどのロレックスの時計に採用されている。

現在も人気の高い、日付表示機能を備えたデイトジャストが誕生したのは1940年代だった。そして1950年代半ばに、人気モデルのサブマリーナやGMTマスターを発表し大ブレイクを果たす。その後まもなく登場した貴金属製のエレガントなデイデイトは、数々のアメリカ大統領に愛用された時計として歴史にその名を刻んだ。

Klassisch, schlicht und elegant: Rolex Datejust 41
クラシック、シンプルでエレガントなデイトジャスト 41

1963年にはロレックス初となるクロノグラフが誕生した。オメガ スピードマスターやホイヤー オータヴィアより数年遅れて、ロレックスはモータースポーツの愛好家たちに向けたコスモグラフ デイトナを発売した。また、何十年という時間の経過とともに、デイトナも究極の高級時計へとその地位を高めていった。

近年、ロレックスはこれまでに発売してきた定番モデルを進化させることに力を注いでいる。また、使用する素材の研究にも重点が置かれ、特許を取得したクロナジーエスケープメントやパラクロム・ヘアスプリングなどがある。従業員数は7000名を超え、売上高は数十億ドルを誇るロレックスはまさに時計業界の大企業だ。

ロレックスの主なコレクションとモデル

ほとんどの高級時計ブランドがラインアップに重要なシリーズを1~2つ持つが、ロレックスでは実質的にどのコレクションも外すことができない。これは、同ブランドが1940~60年代にかけて技術面、デザイン面ともに高いレベルを目指し力を注いできた結果であり、さらには完璧なマーケテイングや既存モデルの慎重なアップデートもこうした状況を生み出す理由となっている。そのため、年代に関わらずどのロレックスも一目見てそれとわかるものになっている。

デイトジャスト

ロレックスがデイトジャストを発表したのは1945年だった。その名のとおり、この時計は風防にルーペが付いており、そこに日付が表示される。デイトジャストのケースサイズは28~41mmで、文字盤のカラーバリエーションも豊富だ。素材に関しては、ステンレススチール、ホワイト、ローズ、イエローゴールド、プラチナで提供されている。詳細は、ロレックス デイトジャスト 購入ガイドをご覧いただきたい。

サブマリーナ

ドットインデックス、メルセデス針、逆回転防止ダイビングベゼル、200m(20気圧)の防水性を備えたロレックス サブマリーナは、時計ファンに愛されている時計だ。1953年に発表されたこのツールウォッチは、史上初となるプロ仕様のダイバーズウォッチの1つであり、そのデザインはひと目ですぐにそれとわかる。そのため、時計に詳しくない人々でもロレックスと言えば、サブマリーナを思い浮かべることだろう。

Seit 1953 die Blaupause der Taucheruhr: die Rolex Submariner
1953年に発表された、ダイバーズウォッチの青写真とも言えるサブマリーナ

1953年に発表された、ダイバーズウォッチの青写真とも言えるサブマリーナ

GMTマスター

ロレックス GMTマスターは1955年に登場した。ロレックスはパンアメリカン航空から依頼を受け、パイロットと客室乗務員に向けてこの時計を考案。1982年に登場したGMTマスター IIは、旧モデルとは、時針が独立して動くという点で異なる。現在、すでに生産が終了している旧モデルのGMTマスターはロレックスで最も人気の高いモデルの一つとなっている。

デイデイト

アメリカ大統領に贈呈された時計としても知られているロレックス デイデイトは、1956年から発売されている。この時計は、日付と曜日表示を備えた初の腕時計だった。デイデイトでは、プラチナ、イエロー、ホワイト、ローズゴールドなどの貴金属のみが使用されている。デイデイトのブレスレットのニックネームである「プレジデントブレス」は、複数のアメリカ大統領やその他の国家元首がこのモデルを身に着けたことから付けられた。

Die Uhr der Präsidenten – Rolex Day-Date 歴代アメリカ大統領に愛用されてきた時計、デイデイト

コスモグラフ デイトナ

ロレックス コスモグラフ デイトナは、最も人気のクロノグラフの1つだ。1963年に発売されたこの時計は、主にモータースポーツでプロのレーサーが時間を計測するために使用された。このモデルは当初人気がなく、ロレックスはラインアップから外したいと考えていた。しかし、レーシングドライバーとしても活躍したハリウッド俳優のポール・ニューマンがデイトナを着用している姿がキャッチされると、この時計は一躍人気となった。

シードゥエラー

1967年にロレックスは新たなプロ仕様のダイバーズウォッチをラインナップに加えた。シードゥエラーは、サブマリーナの上位モデルとも言える時計で、初期の頃のモデルですでに1200m(120気圧)の防水性を実現していたが、これは当時の数字としては驚異的なものだった。現在ロレックスは、2022年に発表された1万1000m(1100気圧)の防水性能を持つシードゥエラー ディープシー チャレンジなど、貴金属やチタン製モデルを含む、多くのバリエーションを展開している。

2023 die aktuelle Sea-Dweller von Rolex, die Referenz 126600
2023年の現行のロレックス シードゥエラー Ref. 126600

 

ロレックスを愛用している著名人

ロレックスを愛用している著名人は数えきれないほど多い。今回はその一部を紹介したい。

  • ロジャー・フェデラー:スイス出身のテニスプレーヤー、ロジャー・フェデラーは長年ロレックスのアンバサダーを務めている。そのため、彼が多くのロレックスを所有しているのも驚くことではない。その中には、GMTマスター II バットマン Ref. 116710BLNR、ローズゴールドのデイデイト Ref. 228235、ゴールドのデイトナ “オレンジ” Ref. 116588SACOなどがある。後者の時計は、現在Chrono24でも500万円ほどで見つけることができる。
Goldig, orange und teuer – Rolex Daytona „Orange“ Ref. 116588SACO
ゴールド、オレンジでとても高価なロレックス デイトナ “オレンジ” Ref. 116588SACO
  • リアーナ:ポップ界のアイコンであるリアーナもロレックスの時計を愛用している。彼女はヴィンテージのキング ミダス、コンビモデルのデイトジャスト、ローズゴールドのデイデイトなどを着用している姿を目撃されている。
  • クリスティアーノ・ロナウド:サッカー選手であり、Chrono24の投資者でもある彼は時計愛好家として知られており、ロレックスの愛用者だ。彼が所有する時計には、ゴールドのGMTマスター II Ref. 16758SARU、ダイヤモンドが美しく輝くホワイトゴールドのGMTマスター II 、そしてゴールドのデイトナレインボー(Ref. 116595RBOW)などがある。彼の時計コレクションについては、こちらの記事で紹介しいる。
Warum kleckern, wenn man klotzen kann? Eine Daytona Rainbow Ref. 116595RBOW
希少で豪華なデイトナ レインボー Ref. 116595RBOW
  • ブラッド・ピット:年齢を重ねながらも、まだまだ若々しいブラッド・ピットは、多くのロレックスウォッチを着用している姿を目撃されている。その中には、ゴールドのデイデイト Ref. 228238、同じくゴールドのGMTマスター II Ref. 116718、そしてRef. 116520であると言われているステンレス製のデイトナなどがある。

ロレックスの時計が高価な理由

最近の時計市場でロレックスを注意深く見ていた人なら、一部のモデルの価格が合理的な説明がつくものではないことに気が付いているだろう。ただ、ロレックスはその卓越した品質やデザインに見合った希望小売価格を設定しているため、ここでは定価ではなく、二次流通市場での価格ついて触れていきたい。

オメガは業界内でロレックスと同様の位置づけにあるが、時計の価格が上昇するというケースはあまりない。そのため、ロレックスの価格上昇はブランドが持つ名声やブランド名そのものによると考えることができる。もう1つの要因としては、需要に対して供給量が少ないことが多く、それが価格高騰につながっている。つまり、デザインと品質に加えて、ブランドが持つ名声と供給量がロレックスの価格を決定している。

ロレックスは優れた投資品なのか?

2022年以降、価格高騰は収まってきているが、長期的には特にステンレス製のスポーツモデルは価値上昇のチャンスがある。しかし、ロレックス投資を考えるなら、価格上昇の見込みがあるのか、またそれはいつになるのか、しっかりと見極めることが重要である。

例えば、白文字盤のロレックス デイトナ Ref. 116520は、Chrono24で2023年8月時点でおよそ500万円となっている。ちょうど3年前、同じ時計は約370万円で販売されていた。また、2013年8月時点では、わずか160万円ほどで手に入った。つまり、10年間でこのモデルの価値は約230%増加したことになる。

上記の例は、価格上昇率という点においては中間点にあたるものだ。一部のモデルでは価格がさらに上昇する可能性があり、また一方で、そうでないモデルもある。

ロレックス vs. オメガ

ロレックスまたはオメガの時計を購入したいものの、決められないという方はいないだろうか?であれば、他の多くの時計ファンと同じである。(オメガがロレックスのような地位を得る日は来るのか?の記事も併せてご覧いただきたい。)基本的には、値札を見るだけですでに質問の答えは出る。オメガは技術と品質という点で、少なくともロレックスと同等だが、価格は通常はロレックスよりも安い。デザイン、機能、そして名声という点ではどうだろうか。最初の2つの点については、両ブランドともに人気の機能を備えた魅力的な定番モデルを提供しているため、どちらが優れているかと言ったら個人的な好みの問題になる。

しかし、友人や同僚に自分の高級時計を自慢したいのであれば、ロレックスの方がいいだろう。価値の上昇またはその維持が重要な場合でも、ほとんどの場合ロレックスがより良い選択であると言える。しかしながら、ロレックスか、それともオメガか、という質問に一律な答えを出すことはできない。


記者紹介

Sebastian Swart

すでに数年前からChrono24のサイトを時計の買取と販売、そして時計について調べるのに使っていました。私は子どもの頃から時計に興味を持っており…

記者紹介

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