2020年07月20日 | 更新日: 2024年07月30日
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ロレックス以外で資産価値の安定している90万円以下の時計3本

Chrono24
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ロレックス以外の安定した価値を持つ60万円以下の時計 3本

時計のコレクションが近年これほどまでに注目を集めている理由の一つは、高級時計の資産価値にある。高級時計の場合、その価値は購入によってすべて失われることはなく、保たれ、さらに時計によっては価値を増す場合もある。この事実は時計をコレクションする動機にもなっている。 ご存じのように、最も資産価値が高く、価値の増加が見込まれるブランドはロレックスオーデマ ピゲパテック フィリップである。最も人気が高いロレックスモデルの価格は170万円前後、オーデマ ピゲとパテック フィリップのモデルの価格はさらにその2倍または3倍となる。 市場でこれらの時計が時にメーカー希望小売価格の2倍ほどで売買されている事実を見れば、大抵の時計コレクターにとっては入手は困難であろう。 しかし、ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲではなくとも、手頃な価格帯で優れた資産価値を持ち、人気の高い時計があることを、以下に紹介する90万円以下の時計3本が証明している。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル

スピードマスターは時計の世界以外でも知られている数少ない時計の一つだ。 1969年に初めて月面に着陸した時計であるため、ムーンウォッチとも呼ばれている。 この時計は唯一無二の驚異的なストーリーを持っているのである。 当時テレビを持っていた人なら誰でも、意識的にせよ無意識的にせよ、月面着陸やNASAの他の数多くのミッションで宇宙飛行士の手首にムーンウォッチが巻かれているのを目にしたはずだ。 ユニークなデザインで、有名なモデルの外見を模倣したり、似せたりしている他の多くの時計とは明らかに違う。

オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル、写真:Watchvice
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル、写真:Watchvice

スピードマスターが頑丈な時計であることは、宇宙空間という極限状態で数多く使用されたことからも明らかだが、日常使いにも適しており、ケース径が42mmながらも、ほとんどの人が着用しやすいサイズ感となっている。これは45mmというラグトゥラグの長さによるものだ。 また、厚みは14.3mmでシャツの袖の下にもすんなりと収まる。このように、スピードマスターはシーンを選ばない時計だ。 スピードマスターにはステンレスブレスだけではなく、さまざまなストラップが用意されている。NATOストラップやレザーストラップなど、どのようなタイプと合わせてもさまになり、多様なバリエーションで変化を楽しませてくれる。 付属品も他には類を見ないもので、まさに特別感がある。スピードマスターのパッケージは数多くの付属品が同梱された大型のボックスで、時計の歴史やNASAのミッションを紹介した美しいパンフレット、NATOストラップ2本、ルーペ、バネ棒といった工具が入っている。 スピードマスターには2つのバリエーションがある。ヘサライトガラスが使用されたバージョンは「flight qualified by NASA for all manned space Missions(すべての有人宇宙計画用としてNASAが認証)」した時計でもあり、こだわりの強い愛好家にとってはファーストチョイスとなることが多い。一方で、サファイアガラスが使用されたバージョンはシースルーケースバックが見る人を魅了し、歴史と日常的な実用性を兼ね備えた仕様となっている。

オメガ スピードマスター プロフェッショナルのムーブメント、写真:Watchvice
オメガ スピードマスター プロフェッショナルのムーブメント、写真:Watchvice

どちらのバージョンにせよ、オメガ スピードマスター ムーンウォッチはその歴史とアイコニックなデザインで、時計コレクションには欠かせないマストアイテムとなっている。防水性能(5気圧)の低さや48時間以内に手動で巻き上げなくてはいけないことなどの小さな欠点を考慮しても、この評価が変わることはない。 また、資産価値も極めて安定している。 スピードマスターは中古でも価値が最大20%上昇した数少ない時計の一つであり、 これはロレックス、オーデマ ピゲ、パテック フィリップ以外ではほぼ見られない現象だ。

カルティエ サントス デュモン

今回紹介する2本目の時計にも歴史がある。というのも、パリの高級宝飾・時計ブランドであるカルティエの数あるコレクションの中でも最も古く、種類も豊富なサントス・コレクションの一つだからだ。 カルティエ サントスは、このモデルの名前の由来となったブラジル航空界のパイオニア、アルベルト・サントス=デュモンの依頼で作られた男性用腕時計であり、史上初のパイロットウォッチだとされている。 飛行中に時間を読むための実用的で便利なツールを求めた彼の願いを、親友のルイ=フランソワ・カルティエが実現した。 カルティエ サントスは、それまでコックピットで使用されていた懐中時計に取って代わり、最終的にはカルティエの裕福な顧客の手首を飾るようになった。

カルティエ サントス デュモン
カルティエ サントス デュモン

現在、サントス・シリーズはカルティエ サントス ドゥ カルティエとカルティエ サントス デュモンの2つに分かれている。 後者は2004年に発表され、1904年当時の歴史的な初代モデルに最も近いものだ。 すべてのサントス・シリーズの時計がそうであるように、カルティエ サントス デュモンもまた、時代を超越したエレガントで整ったデザインが印象的な時計だ。四角いアールデコ調の文字盤にはカルティエらしいローマ数字が配され、外周にはレイルウェイ ミニッツトラックもある。 ねじ込みベゼルとカボションリューズといったデザイン上の特徴はここにも見られ、クラッシックなカルティエスタイルとなっている。 クロコダイルレザーのストラップが全体を引き締め、ステンレス製ブレスレットのサントス ドゥ カルティエと比較するとエレガントな雰囲気を与えている。 さて、価格の話だが、ステンレス製ケースとクオーツムーブメントを備えたRef. WSSA0022のようなモデルは、一番大きなケース径のバージョン(43.5mm)でメーカー希望小売価格66万円となっている。Chrono24マーケットプレイスでは約65万円(新品/未使用)で出品されているものもある。 Chrono24ウォッチコレクションの価格推移を見ると、このモデルは2019年以来、市場価値が着実に上昇し、数年間にわたって比較的安定した価値を維持しているようだ。 

チューダー ブラックベイ 58

ブラックベイ 58は世界中が待ち望んでいた時計と言っても過言ではない。チューダーは2012年にブラックベイを発表したことで大きな成功を収めた。しかし、時計業界で人気を得ているとしても、購入を検討している人にとって大きな欠点が一つある。それは、時計の分厚く無骨な外観だ。素晴らしいデザインであるにも関わらず、必要以上に大きく見えてしまうため、多くの時計愛好家が二の足を踏んでしまっている。 バーゼルワールド2018での発表以来、ブラックベイ 58がチューダーで最も人気の高い時計となっているのは驚くべきことではない。このブラックベイは人気のヘリテージと同じような外観を持っているが、より小さく薄くなっているからだ。

チューダー ブラックベイ フィフティエイト、写真:Watchvice
チューダー ブラックベイ フィフティエイト、写真:Watchvice

時計の直径は41mmではなく39mmだ。 ラグトゥラグは50mmではなく、47mm。厚みも14.8mmではなく、わずか11.8mm。 最もスリムなブラックベイと言ってよく、誰の腕にもフィットする。 さらに200mの防水性能と、70時間のパワーリザーブを実現するチューダー自社製ムーブメントにより、文句のない1本となっている。 しかし、ブラックベイ 58が支持される最大の根拠はやはり、その独特な個性にある。ピンクゴールドの針、ざらざらしたマットブラックの文字盤、ゴールドのアクセントが付いたアルミ製ベゼル、赤い三角マークと夜光パール。ブラックベイ 58はヴィンテージ感に溢れ、絶妙のバランスで50年代のロレックスやチューダーを彷彿とさせるのである。

チューダー ブラックベイ フィフティエイト、写真:Watchvice
チューダー ブラックベイ フィフティエイト、写真:Watchvice

素晴らしいデザインと非の打ち所のない機能性によって、この時計は高い人気を獲得している。それによって、ブラックベイ 58はロレックス以外でメーカー希望小売り価格よりも高めに売買される数少ない時計の一つとなっている。

何が時計の資産価値を安定させるのか

必ずしもロレックス、オーデマ ピゲ、パテック フィリップである必要はない。 特に人気があったり、時計の世界でリスペクトされていたりすると時計の価値は安定する。 それがブランドの名前だけによるものではないことは、今回紹介した3本の時計が証明している。 波乱に富んだストーリーや功績、イノベーション、あるいは優れたコストパフォーマンスといったものが、時代に左右されないデザインと組み合わさった時に、その時計は熱狂的に愛される1本となる。  

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