2023年03月07日
 7 分

ロレックス エクスプローラーを購入する前に知っておくべき5つのこと

Jorg Weppelink
Rolex-Explorer-2-1

ロレックス エクスプローラーは時計愛好家なら誰もが知っているアイコンだ。時計の世界にはまだ詳しくないという方も、この記事でご紹介していくのでご心配なく。この時計は、その有名な3、6、9の数字が刻印された文字盤のレイアウトですぐにそれと分かる。1953年の発表以来、ロレックスはモダンなアップデートを施した新たなリファレンスをいくつか製造してきた。しかし、まだ残っているのはそのどこでも目に留まる独特のキャラクターとデザインだ。ロレックス エクスプローラーについてまだあまり知らない、または購入を考えているという方のために、この時計に関する5つの事実をリストアップした。すでにご存じの方であっても、この有名なタイムピースについて読むのは興味深いだろう。

1. ロレックス エクスプローラーはエベレストに初めて登った時計ではなかった

ロレックス エクスプローラーは、エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイがエベレストを制覇した同じ年である1953年に登場した。しかしロレックス エクスプローラーが実際にデビューしたのは、1953年5月29日の歴史的な登頂の後である、1953年の夏だった。ヒラリーとノルゲイはその1年前に贈呈されたロレックスの時計を所有していたものの、実際にこの2人がエベレストで何の時計を身に着けていたのかについては、何年もの間議論されてきた。

一般的に、ヒラリーはロレックス Ref. 6098 “バブルバック” をベースキャンプ地に残し、スミス デラックス A409を着用していたと考えられている。また、ノルゲイはゴールドのロレックス デイトジャストを所有していたが、山頂に到達したその日には着用していなかったとされている。写真では、ステンレス製の時計を着用しているのが見えるものの、ゴールドのロレックスではない。また、2人はエベレストの山頂でロレックスを着用していたと一度も主張していない。しかし、ロレックスの賢いマーケティングのおかげで、ロレックスの名前とエクスプローラーは山、そしてヒラリーとノルゲイの功績にずっと関連付けられている。ロレックスが初登頂後の夏に時計のリリースと同時に使用したエクスプローラーの広告も、エベレスト山頂にあったのはロレックス エクスプローラーではなかったと誰もが知っているものの、素晴らしいものであった。

2. ロレックス エクスプローラーは定番の3、6、9の数字を大きく配置した文字盤を持った初のロレックスウォッチではなかった

ロレックス エクスプローラーは定番の3、6、9の数字を大きく配置した “エクスプローラーダイヤル” で知られている。しかし、1953年に発売された初のロレックス エクスプローラー Ref. 6350は、このレイアウトを持つ初のロレックスではなかった。その栄誉はロレックス プレ・エクスプローラー Ref. 6150に捧げられるものだが、Ref. 6150とRef. 6350との唯一の違いは、文字盤上の名前であった。

Ref. 6150は文字盤の下部に “Precision” の文字があるが、一方でRef. 6350には “Explorer” の文字が刻印されている。このように、3-6-9の文字盤はロレックス エクスプローラーが誕生する前に登場していた。さらに、Ref. 6150に使用されたムーブメントはクロノメーター認定を受けていないが、1953年以降のすべてのエクスプローラーは認定を受けている。そのため、多くのコレクターはRef. 6150が同じ36mmのケースに独特の外観、そして目に留まる文字盤のデザインを備えているにもかかわらず、真のエクスプローラーとは見なしていないのだ。

Rolex 6150 Pre-Explorer
ロレックス 6150 プレ・エクスプローラー

3. ロレックス エクスプローラー Ref. 1016は、最も長く製造されたロレックスのリファレンスではなかった

一部のロレックスのリファレンスは長い期間生産されており、そのほとんどが50年代後半、60年代前半のモデルで、20年以上生産されていたものもある。人気モデルの例は、ロレックス サブマリーナ Ref. 5512とGMTマスター Ref. 1675で、どちらも1959年から1980年までブランドのポートフォリオに含まれていた。しかし、ロレックス エクスプローラー Ref. 1016は、これらの製造期間を超え、1963年から1989までにおよぶ。この26年間で、ロレックスは文字盤の夜光塗料にアップグレードを加えたが、それ以外には、この時計はほとんど変わっていない。

エクスプローラー Ref. 1016が一番製造期間が長かったロレックスのリファレンスであると思っている人は多くいるが、その栄誉はロレックス エアキング Ref. 5500のものだ。このリファレンスは驚きの32年もの間生産されており、1957年に初めて発売され、ついに廃盤となった1989年までロレックスのラインナップに残っていた。この間、ロレックスはエクスプローラーダイヤルを備えたRef. 5500を提供していた。基本的に、これらのRef. 5500のエアキングは36mmのRef. 1016と比べて小さめの34mmのケースサイズ以外は同じである。そのため、エクスプローラーはRef. 5500とかなりの関連性がある一方で、すべてのロレックスモデルの中で最長の製造期間を誇るのはエアキングなのだ。

Rolex Explorer Ref. 1016
ロレックス エクスプローラー Ref. 1016

4. ロレックス エクスプローラー 39mmのRef. 214270には2つの異なるバージョンがある

ほとんどのロレックスファンが知っていることだが、ロレックスの世界にまだ精通していない方は、ロレックス エクスプローラー Ref. 214270に2つの全く異なるバージョンがあることに驚くかもしれない。新しい39mmのエクスプローラーは、2010年に発表され、先代のエクスプローラーと比べて3mmもサイズが大きい。それと同時に私たちが慣れ親しんでいるような視覚的にバランスが取れたロレックス エクスプローラーではなくなった。この新しく大きなバージョンは、ロレックスの失敗だった。ロレックスが誤った2つの点は、文字盤の3、6、9の数字に夜光塗料を施さなかったこと、そしてこの大型サイズに対して針のセットが小さく細すぎたことだ。

コレクターは、このダイヤルをマーク1ダイアルとして定義している。ロレックスは、数字に夜光塗料を施した新たな文字盤と、よりバランスの取れた大きな針でこの時計をアップデートした。2番目のオプションの方が優れていることは明らかだが、ロレックスファンが製造上の奇妙な特徴や間違いを好むことも確かであり、これらの時計は時間の経過とともにその価値が上昇している。ロレックス エクスプローラー Ref. 214270 マーク1は、おそらくこの伝統を引き継ぐことだろう。

The Rolex Explorer ref. 214270
ロレックス エクスプローラー Ref. 214270 マーク1

5. エクスプローラー Ref. 124273は、ゴールドとスチール製の初のエクスプローラーである

ロレックス エクスプローラーの最新世代では、ロレックスはRef. 124270で信頼のおける36mmサイズに戻した。多くのファンはこの復活をとても喜んだ。また、ロレックスは、エクスプローラーに初めて貴金属を使用したゴールドとスチールのバージョンを発表した。ゴールドと、ゴールドとスチールの組み合わせは、ロレックスのスポーツモデルには見慣れたものだが、エクスプローラーとエクスプローラー IIの両方は、以前はステンレススチール製でのみ販売されていたのだ。

多くのファンにとって、コンビモデルのバージョンは慣れるのに時間がかかるものだった。超高性能なエクスプローラーがラグジュアリーになった姿は、決して万人向けではない新しいルックスを示した。Ref. 124273が時間の経過とともにふさわしい価値の上昇を見せることは確実だろうと思う。ただし現時点においては、Chrono24でエクスプローラーのコンビモデルを現行の定価で購入できる。これは、今の市場では非常に注目すべきことだ。また、長いロレックス エクスプローラーのシリーズの中で、最新のモデルを詳しく見る絶好の機会となる。

The Rolex Explorer ref. 124273: the first two-tone Explorer
ロレックス エクスプローラー Ref. 124273:初のコンビ仕様のエクスプローラー

記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

記者紹介

最新記事

Rolex-Submariner-Hulk-2-1
2023年05月19日
ロレックス
 6 分

サブマリーナ購入は正規店かネットか

Donato Emilio Andrioli