2021年11月19日
 8 分

ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M

Donato Andrioli
Rolex-Submariner-2-1
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ロレックス サブマリーナは史上最も有名なダイバーズウォッチであるだけではなく、最も頻繁にコピーされている時計でもある。他方で、オメガ シーマスター 300Mは着実に時計ファンの人気を高めている。それもそのはず。シーマスター 300Mは独特なデザインと優れた技術を備えた多くの時計を、ロレックスよりも大幅に手頃な価格で提供しているのだ。本記事では両者を5つのカテゴリーで比較し、どちらのダイバーズウォッチが優れているのかという問いに決着をつけたい。

  1. ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: 歴史

高級時計の購入に際して、時計の歴史は多くの時計ファンにとって比較的重要な意味を持っている。結局のところ、時計の購入とはその時計が達成した偉業の一部を所有することでもある。1954年に市場に投入されたロレックス サブマリーナは、非常に長い歴史を持っている。この点において、オメガ シーマスター 300Mはロレックスには到底及ばない。シーマスター 300Mがシーマスター 200Mの後継機としてリリースされたのは、1993年になってからであった。

歴史の長さは違うが、この2つの時計を有名にした1つの共通点がある。それは、ジェームズ・ボンドだ。サブマリーナはとりわけショーン・コネリーとロジャー・ムーアの最初の映画で目にすることができ、その後ジェームズ・ボンドを演じる他の俳優の手首も飾るようになった。それに対し、シーマスター 300Mが初めてボンド映画に登場したのは1995年。映画『ゴールデンアイ』の中で、ピアース・ブロスナが身に着けるボンドウォッチは、ロレックス サブマリーナからオメガへと交代したのだった。サブマリーナの歴史と知名度に対抗することは簡単ではないが、オメガ シーマスター 300Mがサブマリーナと比べて劣っているということは決してない。

The Rolex Submariner looks back on a long, storied history.
ロレックス サブマリーナは長く素晴らしい歴史を持っている。
  1. ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: デザイン

 ロレックス サブマリーナは最新モデルにおいてもそのルーツに忠実であり続けている。この時計の約41mm径のケースはあらゆる手首に似合う。ブラックの塗装が施された文字盤はデザインに驚くほどの深みを与えており、ダイビングベゼルはすべてセラミック製、サテン仕上げが施されたオイスターブレスレットはその外観によって見るものを納得させる。特許を取得しているグライドロッククラスプも、素晴らしいデザインを持つ便利な機能である。これによって特別なツールを使うことなくブレスレットを数ミリ短くしたり、長くしたりできる。現代的な印象を与えながらも、サブマリーナは非常に伝統的にデザインされた時計である。最新のサブマリーナを一度古いリファレンスと比較してみてほしい。多くの変更点はよく見てみないと気付かないだろう。

オメガは現行リファレンスのデザインにおいてロレックスよりも大胆であり、シーマスター 300Mに新鮮で未来的と言っても過言ではない外観を与えたが、それにも関わらず1993年にリリースされたオリジナルモデルに対する類似点は失われていない。ベゼルと同じくセラミック製の文字盤は極めてユニークで、レーザーエングレービングによる波模様が見る者に催眠術をかけるかのような印象を与える。ケースはその形状と斜角面によって凝ったデザインを纏っており、42mmの直径によって少々大型な時計となっているが、それでも大抵の手首にまだ合わせられるサイズである。ブレスレットはロレックス サブマリーナよりも少々どっしりとした印象を与える。クラスプには独自のシステムを採用しており、それによってブレスを数ミリ短くすることが可能となっている。ロレックス サブマリーナのデザインはより伝統的でシンプルであり、オメガ シーマスターのデザインはより新鮮で大胆。この2つの時計が史上最も人気の高い時計の1つであり、その背後に素晴らしいファン層がいることは偶然ではない。

Omega delivers a fresh, bold design with the Seamaster 300M
オメガはシーマスター 300Mに新鮮で大胆なデザインを取り入れた。
  1. ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: 技術

技術に関して、オメガはシーマスター 300Mで現行のロレックス サブマリーナよりも高い機能性を提供している。オメガ シーマスターの防水性は最大300mで、この点に関しては両者ともに互角である。しかし、水深300m相当の水圧試験にかけられた「だけ」のサブマリーナとは異なり、シーマスターは実際に水深300mまで潜水してテストされている。オメガ シーマスターの55時間のパワーリザーブはロレックス サブマリーナの70時間よりも劣っているが、オメガは技術的にまったく異なる品質を持っている。オメガ シーマスター 300Mは極めて高い精度と最大1万5000ガウスの耐磁性能を持つ、METAS認証を受けたムーブメントを搭載しているが、サブマリーナはこの精度と耐磁性能のどちらも提供していない。また、サファイアクリスタルケースバックを通して自動巻きムーブメントの美しい動きを見ることができるのも、シーマスターだけだ。しかし、どちらにせよこれはサブマリーナにふさわしくない印象を与えるに違いない。技術面に関しては必要最低限、というのがサブマリーナから受ける一般的な印象だからだ。もちろんサブマリーナの性能にはなんら疑う余地もないが、オメガの方がシーマスターにおいてより感性と創造性を注ぎ込んでいるように思われる。

オメガ シーマスター 300M: METAS認証を受けたムーブメント、300mの防水性、最大1万5000ガウスの耐磁性能。

  1. ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: 品質

オメガ シーマスター 300Mの文字盤は極めて高い品質で仕上げられている。レーザーエングレービングによる波模様は非常にシャープで、コンピューターアニメーションのような印象を与える。この文字盤の品質は、ロレックス サブマリーナの文字盤よりも優れていると思う。しかし、時計の触り心地に関してロレックスの右に出るものはなく、これはサブマリーナにも当てはまる。ブレスレットは柔らかくしなやかで、同時にケースのエッジはナイフのように鋭い。クラスプは非常に気持ちのいい音を出してぴったりと留まる。この音を超えるのはセラミックベゼルだけだ。

この120ノッチのセラミックベゼルは、ゆっくり回すことも、速く回すこともできる。時計市場全体を見ても、これ以上のベゼルはないだろう。オメガのダイバーズウォッチに使われている素材は高品質であるが、サブマリーナのような触り心地を実現したことはこれまでに一度もない。しかし、シーマスター 300Mにおける最大の批判点はセラミックベゼルであると思う。このセラミックベゼルはサブマリーナのように正確に回すことができず、少々異物のように感じられる。オメガが今後の後継機でこの点を改良することを期待している。

A Rolex Submariner delivers a haptic experience like no other watch.
ロレックス サブマリーナは他の時計にはない素晴らしい触り心地を提供している。
  1. ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: 価格と資産性

オメガ シーマスター 300Mは65以下で手に入れることができ、そのコストパフォーマンスは素晴らしい。また、ロレックス サブマリーナに引けをとらないだけではなく、いくつかの点においては勝っている。最新のサブマリーナを手に入れたい場合は、この2倍の資金が必要となる。しかし、サブマリーナの価値は数年後も維持されているだけでなく、おそらく上昇しているだろう。時計の購入を少しでも投資として考えているならば、ロレックス サブマリーナは正しい選択かもしれない。これまで、価値が大きく上昇した時計モデルをロレックスほどに多く提供してきたブランドは他に存在しない。

ロレックス サブマリーナ VS オメガ シーマスター 300M: まとめ

それでは、どちらのダイバーズウォッチの方が優れているのだろうか?ロレックス サブマリーナは素晴らしい歴史と名声を提供しており、シーマスター 300Mは技術面でより優れている。デザインに関して両者は互角といえる。ロレックスのデザインは伝統的であり、オメガは新鮮で大胆。ロレックス サブマリーナの触り心地は群を抜いているが、コストパフォーマンスはオメガ シーマスターの方が断然いい。しかし、資産性はロレックスの方が少々高い。

シーマスター 300Mは安定した資産性を持っているが、ロレックスとは異なり価値が大きく上昇する見込みは高くないと思われる。しかし、最終的にサブマリーナが現在の市場状況によって勝者の座を掴むのはフェアではないだろう。時計はそれ自体として評価されるべきであり、この点において両者は拮抗している。結局のところ、時計に何を望むかが決め手になる。名声を得ている有名で伝統的な時計をお望みであればロレックス サブマリーナを選ぶべきだし、少々新鮮で斬新、そして技術的に優れたコストパフォーマンスの高い時計をお望みであればオメガ シーマスターを選ぶべきなのだ。どちらの時計も、それぞれに今ある最高のダイバーズウォッチであることは間違いない。


記者紹介

Donato Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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