2023年07月03日
 10 分

ロレックス デイデイト 購入ガイド

Sebastian Swart
ONP-463-Buyers-Guide-Rolex-Day-Date-2-1-JP

デイデイトはロレックスの中でも特に名声の高い腕時計である。その歴史は同社が時計界に画期的な革新をもたらした1950年代に遡る。文字盤上に日付とフルスペルの曜日の両方を表示することを可能にしたのだ。この誰もなし得なかった特徴により、デイデイトは他の高級時計とは一線を画し、成功とエレガンスのシンボルとなった。

当時、ロレックス デイデイトの最も注目すべき点は貴金属素材をケースに使用していることであった。現在に至るまでロレックスはこの時計をゴールドかプラチナでしか作っていない。この事実がVIP、特権階級向けの高級時計というイメージを強くした。こうしてデイデイトは今日に至るまでスターのみならず、国家元首や要人の間でも高い人気を誇ってきた。その高い評価と、歴代のアメリカ大統領がデイデイトを愛用していたという事実から、「大統領の時計」(プレジデントウォッチ)とも呼ばれるようになった。

今回は購入ガイドとして、Chrono24で人気のあるリファレンスのトップ4について詳しく紹介したい。

Rolex Day-Date
ロレックス デイデイト

ロレックス デイデイトの歴史

ロレックスの創業者ハンス・ウィルスドルフはデイデイトの開発に1950年代初頭から着手していた。ウィルスドルフは有名人や権力者たちにアピールできるような時計を作ろうと考えていた。彼が思い描いていたのは、正確な時刻を刻むだけでなく、日付や曜日を見やすく表示するラグジュアリーウォッチだった。このコンセプトが1956年のデイデイトの発表につながり、それ以来途切れることなく生産されている

ファーストモデルは36mm径で、2015年に初めて40mm径のバリエーションがコレクションに加わった。デイデイトは、その見間違うことのないユニークな文字盤デザインが特徴だ。3時位置の日付と12時位置の曜日表示がスタイルの決め手となっている。プレジデントブレスレットは今では伝説的な存在であり、半円形の3連リンクがこのモデルの外観に高貴な印象を与えている。

数十年にわたり、デイデイトはその外観も技術もアップデートが繰り返されてきた。特に注目すべきは、1978年に日付のクイックセット機能を搭載したキャリバー3055が導入されたことだ。2000年にはキャリバー3155が発表された。ダブル・クイックセット機能により、日付と曜日をそれぞれ別々に設定することが可能になった。

Rolex Day-Date eine der am meisten bevorzugten Luxusuhren von Musiklegenden
ロレックス デイデイトは音楽界のレジェンドたちにも非常に人気が高い

1位:Chrono24で最も人気が高いデイデイトRef.18038

デイデイト Ref.18038 イエローゴールドは、ロレックスが1978年から1988年にかけて生産した18000系のリファレンスだ。特に人気なのはゴールド文字盤のものだが、木製の文字盤やステラダイヤルと呼ばれるカラフルな文字盤も登場した。また、このリファレンスから、アプライドのバーインデックスやローマ数字の文字盤も登場した。中にはダイヤモンドがアワーマーカーやベゼルの装飾に使われているバージョンもあり、選択肢は非常に幅広い。

技術的に見ると、18038はデイデイトをさらに大きく発展させたものだ。前モデル(Ref.1803)とは対照的に、ロレックスはデイデイト18000系のモデルには、それまで使われていたアクリルガラスに代えて、初めてサファイアガラスを採用した。

さらに時計内部は大幅に改良され、キャリバー3055が搭載された。これはキャリバー1556に代わって採用されたもので、日付のクイックセット機能を備えている。また、テンプの振動数は毎時2万8800振動に増えた。それまでは毎時1万9800振動止まりだったのだ。

 

Chrono24では、ゴールドの文字盤のイエローゴールド製Ref.18038を230万円前後から購入することができる。ただし、コンディションや付属品によっては、310万円以上のものもある。黒文字盤のローズゴールド製モデルの価格は約280万円から470万円以上にもなる。例えばステラダイヤルのモデルのような希少なものはかなり高価で、約1550万円だ。

Beliebt und begehrt: die Rolex Day Date 36 Ref. 18038
ロレックス デイデイト36 Ref.18038は人気の高い憧れの存在

2位:ロレックス デイデイト Ref.1803

デイデイト Ref.1803は18038のすぐひとつ前のモデルであり、1800系に属する。1800系は1956年に登場した初代デイデイトに代わって投入されたもので、1959年から1978年までの約20年間ラインナップされていた。ロレックスはこの世代のモデルに、いわゆるパイパンダイヤルを採用した。「パイを焼くパン(皿)」を意味するニックネームのパイパンダイヤルと、後のフラットな文字盤との違いは、パイパンダイヤルでは外側の周縁が平らに傾斜していて、ある種の立体感ができているところだ。

1960年代の初めから、ロレックスは蓄光塗料を変更し、それまで使われていたラジウムの代わりにトリチウムを使用するようになった。1803の風防の素材には、まだプラスチックが使われていた。

1803には、製造年によってキャリバー1555(毎時1万8000振動)か1556(毎時1万9600振動)のいずれかが搭載されている。ロレックスは1970年代前半、デイデイトとして初めて後者にストップセコンド機能を搭載した。

長い製造期間の中で、ロレックスはデイデイト1803の様々なバージョンを世に送り出した。中にはカラフルなステラダイヤル、木製ダイヤル、バーインデックスやローマ数字を施したゴールドやシルバーの文字盤などがある。宝石をあしらったバージョンもChrono24のマーケットプレイスに出品されている。

 

このリファレンスの価格は、そのバリエーションの多様さを反映している。例えば、イエローゴールド製のケースとブレスレット、ゴールドの文字盤、ローマンインデックスの1803は、Chrono24では2023年6月の時点で、中古のものが約190万円となっている。

新品同様のコンディションの場合、300万円をはるかに超えると見ておいた方がいいだろう。ステラダイヤルのデイデイト1803の中古品は400万円~600万円ほどだ。特に状態の良いものや、木製文字盤のような希少性の高いものは、1500万円の大台を超えることもある。

Day-Date Ref. 1803 mit sogenanntem Oxblood-Zifferblatt in Dunkelrot
デイデイト Ref.1803 ダークレッドのいわゆるオックスブラッドダイヤル

3位:ロレックス デイデイト Ref.18238

デイデイト Ref.18238はChrono24では3番目に人気の高いデイデイトだ。ロレックスはこのモデルを18200系のひとつとして1988年頃から1990年代の終わりまで生産しており、18000系の前モデルたちと同様に、傷のつきにくいサファイアガラスを装備している。18238の外見は前モデルとほぼ同じだが、改良されたキャリバー3155日付と曜日のクイックセット機構を備えた初めてのムーブメントだ。3155のテンプは時代に相応しく毎時2万8800回で振動し、パワーリザーブは48時間だ。

 

デイデイト18238にもやはり文字盤バリエーションが多数存在している。ゴールドの文字盤とバーインデックスを備えたバリエーションは人気があり、中古で230万円前後で入手できる。新品同様のものは300万円を超える。黒文字盤だと780万円前後と、かなり高価になる。希少性のあるモデルや特に保存状態の良いステラダイヤルや木製ダイヤルのモデルはさらに高価だ。

Rolex Day-Date 18238 mit Holzzifferblatt
ロレックス デイデイト 18238 木製ダイヤル

4位:ロレックス デイデイト40 Ref.228238

2015年からロレックスのカタログに掲載されているデイデイト40 イエローゴールド(Ref.228238)は、現行のデイデイトコレクションのひとつである。このモデルのケースは40mm径で、こちらもまた様々な文字盤カラーとバーインデックスまたはローマンインデックスが用意されている。ただし、前モデルのような派手なカラーのものはない。ゴールド、シルバー、黒、白の文字盤の中で、グリーンの文字盤のバージョンだけが色彩的に際立っている。

ロレックスは228238にキャリバー3255という新しいムーブメントも搭載した。3255は、ブルーのパラクロムヒゲぜんまいとパラフレックス ショックアブゾーバを装備している。テンプの振動数は毎時2万8800回で、約70時間のパワーリザーブを備えている。

 

デイデイト228238の価格もかなり幅があり、メーカー希望小売価格が458万9200円であるのに対し、市場価格ではそれよりはるかに高いものもある。最も高いのはグリーン文字盤のもので、ほぼ950万円だ。ゴールド文字盤であれば「たった」の700万円前後である(2023年6月現在)。

Day-Date 228238, grünes Zifferblatt, römische Ziffern
デイデイト228238、グリーン文字盤、ローマンインデックス

ロレックス デイデイトの価格と価格推移

多くの高級時計と同様に、2022年以降多くのデイデイトの価値が多少下がっているが、長期的に見ればその価格推移は良好である。これはもちろん、購入の動機とタイミングにもより、2022年の年初に購入した方は、2023年半ばの現在の市場価格と比較して恐らく損失を出しているだろう。しかし、この時点で購入するのであれば再び値ごろ感があると言っていいだろう。

極端な例と言えば、グリーン文字盤のリファレンス228238だ。2022年の夏の時点でも、このモデルはChrono24で1420万円近くで取引されていた。1年後の今、価格は約40%安くなったが、とはいえメーカー希望小売価格の約58%高い値段だ。購入者の中には憤慨している人もいるだろうし、価格の上昇を喜んでいる人もいるだろう。

一方、黒文字盤のRef.18038の価格推移は全く違うカーブを描いている。2010年以降ほぼ連続的に価格が上昇し、2022年以降もわずかな下落にとどまっている。2010年にこの時計を70万円強で手に入れた方は、2023年には約260万円になってきっと喜んでいるだろう。ゴールド文字盤の1803についても状況は非常に似ており、2010年には約60万円、2023年半ばには約180万円となっている。

つまり、ロレックス デイデイト(あるいはその他いずれかの高級時計)について、価格の上昇を狙っているのであれば、市場が過熱し、あまりに投機的な状況にある間は購入を控えるべきなのだ。

ロレックス デイデイトを着用しているのは誰?

冒頭で述べたように、ロレックス デイデイトは多くの音楽界のレジェンドや映画スター、政治家によく愛用されている。アメリカ大統領のリンドン・B・ジョンソン、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンといった面々も着用していた。今は亡きエルビス・プレスリーやジョン・レノンもデイデイトを着用していたのが確認されているし、現代のミュージシャンではラッパーのジェイ・Zがよく知られている。

ハリウッドスターとしてはブラッド・ピットが恐らく最も有名なデイデイト愛用者だが、ハリソン・フォードもこの時計のファンだと言われている。また、スポーツ選手もサッカーイングランド代表のミッドフィールダー、ジャック・グリーリッシュや、テニスのエース、ロジャー・フェデラーがデイデイトを愛用している。

ロレックス デイデイト Ref.18038の概要

製造期間 1978年頃〜1988年頃
リファレンスナンバー 18038
ケース イエローゴールド
防水性 100m (10気圧)
ベルト プレジデントブレスレット、イエローゴールド
直径 36mm
キャリバー 3055
文字盤 ゴールドカラーの文字盤にサンバースト仕上げ

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記者紹介

Sebastian Swart

すでに数年前からChrono24のサイトを時計の買取と販売、そして時計について調べるのに使っていました。私は子どもの頃から時計に興味を持っており…

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