2021年01月22日
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人気は本物: ブロンズ素材のヴィンテージパワー

Jorg Weppelink
人気は本物: ブロンズ素材のヴィンテージパワー

人気は本物: ブロンズ素材のヴィンテージパワー

カーボン、セラミック、グラフェン、コバルト。これらは近年、腕時計を作るのに使用されたモダンな素材のほんの一例だ。その上、多くの時計メーカーが、独自の特許を取得した素材を作り上げようとしている。素材という点に関しては、時計の将来には、多数のエキサイティングなものが出てくると言って間違いないだろう。しかし、これまでずっと存在してきていながら、最近になってブランド各社が再発見したある合金素材といえば、ブロンズである。数年前に最初のモダンなブロンズ時計がリリースされてからというもの、ブロンズ時計のラッシュは止まらない。さて、この素材の何が一体そんなに特別なのだろうか?そして最も目を引くブロンズモデルはどれなのだろうか?

まず、ブロンズの全体的な見た目である。新しい素材のほとんどが過度にテクニカルなルックスを作るために使用されていることとは反対に、ブロンズはヴィンテージ感を醸し出す素材である。時計づくりの歴史は素晴らしいデザインにあふれており、ブロンズは数多くのレトロなタイムピースに驚くほど相応しい。しかしこれまで人類が何千年もの間使用してきた合金であるものの、ブロンズが時計シーンに初めて登場したのは比較的最近のことである。それは主に20世紀後半に登場し始め、その頃でさえほとんどダイバーズウォッチのみに限定されていたのだ。

ブロンズはその高い耐食性と過酷な海のコンディションに対する耐性のため、あらゆる種類の海での装具に使われてきた。これこそが、時計メーカーたちが過去、自身の最高のダイバーズウォッチの一部にブロンズを使用した理由のひとつである。この分野において、やがてはステンレススチールが主要な素材として取って代わったのであるが、それは主にブロンズが持つある奇妙な特徴、つまり経年による変色、緑青のためである。

緑青の発生したマイスタージンガー メトリス ウォッチ
緑青の発生したマイスタージンガー メトリス ウォッチ

緑青は自然な酸化過程の結果であり、ブロンズなどの素材の表面上にユニークな層を作り出す。腕時計に関しては、文字盤の変色、色あせた夜光塗料、無数の傷などが他のエイジングの印に含まれる。ブロンズの緑青効果はよく知られており、ブロンズ製の時計はボックスから取り出して使われ始めるやいなや、この緑青を形成させるのだ。ブロンズはまた柔らかい素材であり、傷がつきやすい。ということは、ブロンズ時計は着用すればするほど、その外見はより絶妙にエイジングされたルックスに変わっていくのである。一部の人にとっては、これが自分だけのオリジナルな時計の外見を作り出すことから、魅力として映る。他の人にとっては、時計は何年経とうと購入した日と全く同じ外見を保つべきであると考えるため、これを欠点と捉えるのである。

あなたの好みがどうであれ、一部の人がブロンズ時計の緑青を愛してやまないことは否定できない。ヴィンテージに影響を受けたタイムピースが多数リリースされているこの業界でなら、ブロンズ時計の人気には納得がいくというものだ。それでは、素晴らしいアイコニックなブロンズ時計をいくつか見てみよう。

チューダー ブラックベイ ブロンズ

チューダー ブラックベイ ブロンズ
チューダー ブラックベイ ブロンズ

最初の1本は、チューダー ブラックベイ ブロンズ。チューダーのブラックベイシリーズは、その発表以来、時計愛好家たちの間で次第に人気を上げてきている。その中で最も有名なモデルといえばブラックベイ 58である。しかしこのコレクションには、ブラックベイ ブロンズなど、他にも興味深いモデルがそろっている。このモデルは43mm径のケースを持ち、ブラックベイの他のモデルに比べて大型だ。このブロンズ時計は、ロレックスのタイムピースの名前を冠した、いわゆる “エクスプローラー” ダイヤルも持っている。この文字盤はつまり、3時、6時、9時にのみアラビア数字が備わった、より大胆な外見を持っている。約47万円で購入可能なブラックベイ ブロンズは、普通のステンレス製ブラックベイモデルの素晴らしい代替モデルなのだ。

オリス ビッグクラウン ポインターデイト

オリス ビッグクラウン ポインターデイト
オリス ビッグクラウン ポインターデイト

2本目の人気のブロンズ時計は、オリス ビッグクラウン ブロンズ ポインターデイトだ。オリスはダイバーズ65 カール・ブラシア クロノグラフとブロンズベゼルを持つオリス ダイバーズ 65 クロノグラフなど、数々のその年を代表する素晴らしいブロンズ時計をリリースしてきた。しかしオリスのブロンズ時計で間違いなく最も人気があるのは、ビッグクラウン ブロンズ ポインターデイトである。価格約24万円の40mmサイズと、価格わずか23万円以下の36mmサイズのものから選ぶことが可能だ。どちらも見事なタイムピースで、非常にお手頃である。

パネライ サブマーシブル ブロンゾ

パネライ サブマーシブル ブロンゾ
パネライ サブマーシブル ブロンゾ

このパネライモデルを抜きにして、ブロンズ時計についての会話が成り立つわけがない。2019年、パネライはセラミックベゼルを持つ47mm径のサブマーシブル ブロンゾを、本格的なダイバーズウォッチコレクションであるサブマーシブルシリーズの定番として追加した。ブラウンのベゼル、そろいのブラウンのダイヤルと組み合わされたブロンズケースのレトロなルックスはまさに見事である。定価約170万円と、確かに市場で最も安いブロンズ時計ではないが、このデザインと時計素材としてのブロンズの歴史という点を考えると、その価格に見合った価値がある。

IWC パイロットウォッチ クロノグラフ スピットファイア

IWC パイロットウォッチ クロノグラフ スピットファイア
IWC パイロットウォッチ クロノグラフ スピットファイア

ヴィンテージのパイロットウォッチに着想を得たアイコニックなIWC パイロットウォッチ クロノグラフ スピットファイアは、そのタイムレスなデザインで常に私を感動させる。その歴史が特徴の時計でありながら、モダンなルックスを保ってもいる。とは言うものの、ブロンズケースとダークグリーンの文字盤バージョンのこの時計は、真にレトロな驚くほど魅力的な時計である。ずば抜けた視認性は、この時計の美しさを際立たせている。定価約67万円のIWC パイロットウォッチ クロノグラフ スピットファイアは、それ以上の価格の時計のように見えるだけでなく、最も素晴らしいデザインを持つクロノグラフのひとつでもあるのだ。

ラドー キャプテンクック ブロンズ

ラドー キャプテンクック ブロンズ
ラドー キャプテンクック ブロンズ

私が最後にお勧めしたい時計は、ラドー キャプテンクック オートマティック ブロンズである。このスイスの時計メーカーは、このモデルを2017年に発表した。1962年のラドー ダイバーズウォッチのデザインを元にしたこの時計は、同ブランドのヒット作となった。キャプテンクック オートマティック ブロンズは素晴らしいルックスの時計コレクションであり、グリーンブルーブラウンの文字盤から選ぶことができる。

オリス ヘルシュタイン エディション 2020
オリス ヘルシュタイン エディション 2020

これらは数多くある美しいブロンズ時計のうちのわずか5本にすぎない。ぜひあちこち見て回って、市場に出回る素晴らしいブロンズのタイムピースを他にもいろいろと見つけて欲しい。私の個人的なお気に入りをいくつか挙げるとすれば、IWC アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・チャールズ・ダーウィン”ゼニス パイロット タイプ20 エクストラスペシャルブロンズケースのタグ ホイヤー オータヴィア、そして目を見張るようなオリス ヘルシュタイン エディション 2020がある。私はこのオリスのモデルを試着する機会に恵まれたのだが、同ブランドのアイコニックなダイバーズ65 クロノグラフの完全ブロンズバージョンであるこのタイムピースは、ただもう見事としか言いようがない。ゴールドウォッチのビジュアルから、キラキラした派手さを良い意味でマイナスした感じなのだ。私は、この派手さはないのに特別な感じがするということ、これこそがブロンズを魅力的な素材にしているのだと思う。そして最高なのは、ブロンズ時計は時を経てあなたのストーリーを語ってくれるということ。それは腕時計との繋がりとしては非常にパワフルなものだ。だからこそ、ブロンズ時計の人気は一過性のものではなく、これからも続くのだと思う。

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