2012年04月12日
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伝説的時計ブランド – スポーティーな特徴を持つ高級時計の象徴 オフィチーネ・パネライ

Chrono24
伝説的時計ブランド – スポーティーな特徴を持つ高級時計の象徴 オフィチーネ・パネライ
写真: Bexsonn

オフィチーネ・パネライの歴史は1869年にイタリアのフィレンツェで始まった。同会社は20世紀前半から、イタリア海軍のための精密計測機器製造を専門としていた。パネライは蛍光物質ラジオミールを発明し、それによって暗闇でも時間を読み取ることを可能にした。ラジオミールルミノールは同ブランドの最もよく知られた時計モデルである。両時計ともに当初は軍の特殊部隊のためだけに作られていたが、1993年になって初めて限定エディションとして一般向けに製造された。2004年以来、パネライはスイスの自社マニュファクチュールで、最高品質の機能性を持つムーブメントを製造している。

大手時計メーカーの礎を築いたジョヴァンニ・パネライ

ジョヴァンニ・パネライが時計師としてフィレンツェで開業したのは1869年。パネライは時計店と時計工房を兼ねたGuido Panerai & Figlioを設立し、同時にこの店はフィレンツェ初の時計学校でもあった。これによってパネライはオフィチーネ・パネライの礎を築くことになる。1890年、会社の経営が創業者のひ孫であるグイド・パネライへと受け継がれた。このフィレンツェの時計工房の焦点は、第一に航海用精密機器の製造であった。間もなくして時計分野の特許開発が行われるようになり、1913年からイタリア王立海軍のための精密機器を製造するようになった。

ラジオミールが水中での時間の読み取りを実現

1915年、グイド・パネライは天才的な発明に成功する。彼は硫化亜鉛と臭化ラジウムから合成される蛍光物質ラジオミールを開発したのだ。ラジオミールは文字盤の製造において使用され、それによって水中など完全な暗闇の中でも時刻を読み取ることが可能となった。そして1916年にラジオミールはフランスで特許を取得した。1936年、パネライは現在ラジオミールの名で知られる時計の、初の試作モデルを開発した。ダイバーズウォッチ ラジオミールは、水中で使用するための時計を必要としていたイタリア海軍特殊部隊のために製造された。

直径47mmのクッション型のステンレスケース、夜光性のマーカーと数字、ケースに直接はんだ付けされたワイヤーループ、頑丈な機械式ムーブメントなど、この試作モデルの多くの特徴は現在まで変化していない。イタリア海軍の歴史的文献には、この時計の試作モデルは1936年に10本も製造されていなかったと記されている。1938年に始まるラジオミールの実際の製造に対して、オフィチーネ・パネライは元の試作モデルにいくつかの変更を加えた。この調整は文字盤のより強い発光力と優れた視認性、そして機器に高い堅牢性をもたらした。ラジオミールと後のルミノールは、長らく軍事機密のもとにあり、当初は潜水工作部隊だけによって着用されていた。

オフィチーネ・パネライの国際的時計メーカーへの成長

1972年、この老舗ブランドは転機を迎える。グイド・パネライの息子が亡くなった後、エンジニアのディノ・ゼイが会社の社長に就任し、ブランド名が「オフィチーネ・パネライ」へと変更されたのだ。1993年、オフィチーネ・パネライの時計はようやく一般向けに製造・販売され始めた。パネライはルミノール、ルミノール マリーナ、マーレ ノストゥルムの3モデルを限定エディションで発表。時計コレクターと愛好家は、歴史的モデルに着想を得たコレクションにすぐに夢中になった。オフィチーネ・パネライは1997年にヴァンドームグループ (現在のリシュモングループ) の傘下となる。イタリア国内の有能な代理店網の構築に成功し、国際市場においてもパネライの存在感は増していった。ほとんどのコレクションは限定エディションとしてのみ市場に送り出され、イタリア製スポーツウォッチに対する関心はますます高まっていった。

Panerai Luminor Base Logo
Panerai Luminor Base Logo

シルヴェスター・スタローン 自他ともに認めるパネライファン

アメリカ人俳優のシルヴェスター・スタローンも、パネライの知名度を高めるのに大きな貢献を果たした。1996年に公開された映画『デイライト』で、スタローンは本人の希望によってパネライの腕時計を着用している。その時計はヴァンドームグループの傘下に入る前のモデル、ルミノール ロゴであった。

それによって、スタローンはハリウッドにおける本格的なパネライブームを引き起こした。注意深い鑑賞者であれば、例えば『トランスポーター』、『イレイザー』、『カリフォルニア・ダウン』における “ザ・ロック・ジョンソンの腕などに、この力強い時計を見つけることができる。現在、パネライは世界で最も有名で人気の高い高級時計の1つに数えられている。

自社マニュファクチュールで製造される最高水準のムーブメント

2002年、パネライはスイスのヌーシャテルにマニュファクチュールをオープンし、持続的に研究・開発を行うことができる環境を作り出した。それから3年後、パネライは初の自社ムーブメントを発表。この機構はマニュファクチュールがオープンした年に着想を得て、キャリバーP.2002と名付けられた。このキャリバーは手巻き式でGMT機能を搭載し、8日間のパワーリザーブを誇っている。

それから2年後、さらに3つの新開発ムーブメント、P.2003P.2004P.2005が発表された。パネライはP.2005によって複雑機構トゥールビヨンを搭載する、特別に革新的なムーブメントの製造に成功した。2008年、同社は72時間のパワーリザーブを持つ自社キャリバーP.9000とキャリバーP.2006を発表した。

その5年後、このマニュファクチュールはさらに3つのムーブメントを発表する。その1つはキャリバーP.9100で、これはでフライバック機能を備えた初の自社製自動巻きキャリバーであった。2014年、パネライは新しいマニュファクチュールをピエール・ア・ボットにオープン。それとともに、例えばパネライ ルミノール マリーナ 1950 3 デイズ オートマティックなどには、自社製自動巻きキャリバーP.9010が使用された (このキャリバーは2019年に発表されたBMG Techモデルにも使用されている)。この新しいマニュファクチュールでは、2018年に発表されたP.6000も開発されている。この新型キャリバーは手巻き式で3日間のパワーリザーブを備え、その振動数は21600/時である。また、この機構を搭載する6つの新作モデルも発表された。

Panerai Luminor Daylight
Panerai Luminor Daylight写真: Auctionata

SIHH 2019とルミノール サブマーシブル 1950 カーボテック

Panerai Submersible BMG TECH PAM00799
Panerai Submersible BMG TECH PAM00799写真: Panerai

それに対し、SIHH 2019においてパネライは新型キャリバーではなく、サブマーシブルと使用されるケース素材に注力していた。BMG-Techとカーボテックは同ブランドの新しいスターである。チタン、ニッケル、ジルコニウム、銅、アルミニウムから作られる、いわゆるバルク金属ガラスは、SIHH 2017でもすでに発表されていた。非常に堅牢で、カーボンファイバーをベースとするカーボテックの使用は、タフガイのための真の「ツールウォッチ」というパネライのイメージに完璧にマッチしている。

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