2023年12月21日
 6 分

価格上昇の可能性あり|コストパフォーマンスに優れた高級時計5選

Sebastian Swart
ONP-752-2-1

多くの時計愛好家は時計の価格推移に首を振っている。多くの場合で価格はブランドの希望小売価格を大幅に上回るような高価格帯を推移しているからだ。筆者の別の記事では、希望小売価格以下で購入できる時計について紹介しているが、今回はここ数年で価格が大きく上昇したものの、依然としてコストパフォーマンスに優れていると言える5モデルについて紹介したい。Chrono24の2017年~2023年の中古モデルのデータを利用したところ、定番モデルの他にあまり知られていないモデルも見つかったが、すべてのモデルに共通しているのは、価値上昇の可能性が高いということだ。そのため、今回紹介する5本は “コストパフォーマンスに優れている” だけでなく、将来価値が上がる可能性も秘めている。

オメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ “タンタン”

今回の対象期間中にオメガでもっとも秀でていたのは、通称レーシングダイアルと呼ばれるダイアルデザインのスピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ 311.30.42.30.01.004だ。価格はおよそ50万円~200万円まで上昇し、価格上昇率305%という驚きの数字を出した。

このムーンウォッチは、”タンタン” というニックネームで呼ばれている。文字盤の外周にあるチェック柄の配色が、ベルギーの人気漫画『タンタンの冒険』の主人公タンタンと犬のスノーウィが月へ旅行した際に登場したロケットを彷彿とさせることから、この名が付けられた。その他すべてのスピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチと同様に、タンタンも42mm径のステンレス製ケース内に、レマニア1873をベースとしたオメガの手巻きキャリバー1861が時を刻んでいる。パワーリザーブは48時間で、もちろん風防はヘサライトガラスで、5連リンクのステンレスブレスを備えている。

Omega Speedmaster Professional Moonwatch “TinTin” – Wertsteigerung um 305 %
価格上昇率305%のオメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチ “タンタン”

パテック フィリップ ノーチラス 5711/1A-010

パテック フィリップでは、ステンレス製の定番モデル、ノーチラス 5711/1A-010が、価格推移で飛躍的な伸びを見せている。ただし、このモデルの価格や価値はここ数年で大きく変動しているため、ここでの価格推移の数字はあくまで2023年11月中旬時点のデータとして理解してほしい。過去6年間の価格上昇率は297%、価格は未使用の個体の場合は約1740万円となっている。

5711/1A-010はノーチラス生誕30周年を記念して2006年に発表されたモデルだ。有名デザイナーのジェラルド・ジェンタが1976年にこのモデルのデザインを考案したことはご存じのことだろう。ジェンタ自身の話によると、ノーチラスのデザインは発表の2年前にレストランで、わずか5分足らずでナプキンの上に描いたものだそうだ。もちろん、彼のデザインは大成功に終わった。

ノーチラスの特徴といえば、幅広の八角形のケース、ケースサイドの「耳」と呼ばれる突起、そして一体型ブレスレットだ。そして内部には45時間のパワーリザーブを備えたパテック フィリップの自社製キャリバー324 S Cが搭載されている。

Klassenprimus von Patek Philippe – Nautilus 5711/1A-010
パテック フィリップの不朽の名作、ノーチラス 5711/1A-010

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク “ジャンボ” 15202ST.OO.1240ST.01

オーデマ ピゲ ロイヤル オークのエレガントなタイムピースも、このリストに欠かせない。オーデマ ピゲといえば、ロイヤル オークコレクションがその代名詞であり、パテック フィリップ ノーチラスと同様、初代ロイヤル オークのデザインはジェラルド・ジェンタが手掛けた。ロイヤル オークは1972年に発表されており、ノーチラスよりも数年前だ。このモデルの特徴は、8本のビスで留められた舷窓をモチーフとした八角形のベゼル、そして一体型ブレスレットだ。

当時、ロイヤル オークは初のステンレススチール製高級時計だったが、それまでは貴金属製の時計のみが真の贅沢品と考えられていた。最近では、オーデマ ピゲ ロイヤル オーク “ジャンボ” としても知られる薄型の15202ST.OO.1240ST.01が特に人気がある。39mm径のケース内部には、オーデマ ピゲの自社製キャリバー2121が搭載され、40時間のパワーリザーブを備えている。

2017年以降、この時計の価格は240%上昇し、約300万円から2023年11月中旬には約980万円にまで上がった。

Audemars Piguet Royal Oak Jumbo 15202ST.OO.1240ST.01 – hervorragende Wertsteigerung
著しい価値上昇を見せているオーデマ ピゲ ロイヤル オーク ”ジャンボ” 15202ST.OO.1240ST.01

ロレックス デイトナ 116508 グリーン ダイヤル イエローゴールド

ロレックスには、市場価値が安定、もしくは上昇する可能性の高いモデルが数多く存在する。なかでも、コスモグラフデイトナは最も人気の高いモデルの1つだ。1963年の発売以来、数えきれないほど多くのリファレンスが登場し、そのすべてにおいて過去6年間で価値上昇が見られている。

特に安定していると言えるのは、パワーリザーブが72時間の自社製キャリバー4130が搭載されたグリーンの文字盤を持つ18Kイエローゴールドのロレックス デイトナ 116508である。

価格は、2017年にはおよそ380万円だったが、2023年半ばにはおよそ1150万円に達し、約200%の上昇率を見せた。

Bietet ein sehr gutes Preis-Leistungs-Verhältnis – Rolex Daytona 116508
優れたコストパフォーマンスのロレックス デイトナ 116508

カルティエ サントス カレ 2961 ホワイト文字盤、ゴールドとステンレスのコンビモデル

カルティエにも、過去6年間で順調な価格上昇を見せながらも、コストパフォーマンスに優れたモデルがある。それは、ホワイトの文字盤を備えたカルティエ サントス カレ 2961だ。ちなみに、ルイ・カルティエが初代サントスをデザインしたのは1904年のことで、斜体の大きなローマ数字が特徴的な世界初の男性用腕時計だった。

カルティエはサントス カレを1978年に発表し、1990年まで製造していた。サントス カレは現在ではヴィンテージモデルと言える。ステンレスとゴールドのコンビモデルで、サイズは29mm x 41mmと、女性用にもユニセックスの時計としても最適だ。ムーブメントには、ETA社製のムーブメント2671をベースにしたカルティエの自動巻きムーブメントが使用され、パワーリザーブは38時間だ。

ここ数カ月、高級時計の市場価格が下落傾向になる中、カルティエ サントス カレ 2961は安定して上昇傾向にある。2017年には約25万円だったが、2023年の終わりには約65万円の価格が付けられている。いずれにしても、まだまだ上昇の可能性があり、優れた投資になると言えるだろう。

Cartier Santos Carrée 2961 – Vintage-Uhr mit großem Potenzial
カルティエ サントス カレ 2961 – 大きな可能性を秘めたヴィンテージ時計

2017年~2023年の6年間でコストパフォーマンスに優れた時計5本をピックアップした。これらはどれも価格が安定、または今後上昇する可能性を持っているので、ぜひ今後も注目をしてみてほしい。


記者紹介

Sebastian Swart

すでに数年前からChrono24のサイトを時計の買取と販売、そして時計について調べるのに使っていました。私は子どもの頃から時計に興味を持っており…

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