機械式時計に興味を持つようになってからというもの、自分も一本所有したいという思いが頭から離れず、少しずつお金を貯めて、いよいよ初めての高級腕時計を買おうとしている。そんなあなたにお薦めしたいブランドはオメガだ。オメガには素晴らしい歴史があり、すでに数々のアイコニックな時計、あるいはレジェンドとも呼べる時計を生み出してきた。初心者には特に嬉しいことだが、オメガはコストパフォーマンスが良く、60万円以下で手に入るモデルもある。本稿でそのモデルをご紹介したい。ひとつだけ先に言っておくが、その中には非常に有名な時計も含まれている。
オメガ ムーンウォッチが60万円以下で買える?
オメガのスピードマスター リデュースドは、ムーンウォッチではないが、初心者が初めて使うのに最適な機械式時計だ。名前がすでに、すべてを物語っている通り、これは「オリジナル」よりも小型でお手頃なスピードマスターだ。おなじみの文字盤デザイン、プレキシガラス、クロノグラフ機能などを備えた馴染みのあるスピードマスターの外観ではあるが、いくつか違いがある。直径は42mmではなく39mmとコンパクトになっているため、手首の細い方にもお薦めだ。例えば、スモールセコンドが文字盤の左ではなく、右に配置されているなど、インダイヤルのレイアウトも通常とは異なる。30分積算計は左側に置かれた。12時間積算計は大型のモデルと同じ、6時位置に配置されている。
スピードマスター プロフェッショナルとの最大の違いが、オリジナルにはない利点でもあり、純粋主義者でない限りこれは見逃せない。プロフェッショナルは手巻き式で、毎日身につけていても常に巻き上げが必要なのに対し、スピードマスター リデュースドは40時間のパワーリザーブをもつ自動巻きの時計なのだ。ムーブメントには、信頼性が高いことで知られ、時計師なら誰でも簡単に点検・修正できるETAムーブメントを採用している。後のサービスコストが高くなるのを避けるためだ。他にも、スピードマスター リデュースドが初心者にとって魅力的な理由として、価格と価格の安定性があげられる。2009年頃まで製造されていたこの時計は、40万円以下で購入できるのだ。また、どうしてもオリジナルのムーンウォッチを購入したいという方は、予算が60万円以下でも購入可能だ。しかし、この価格帯での品揃えは非常に少ないので、ボックスや書類のついていない古いモデルで我慢することになるだろう。それでも、正真正銘、世界で最も有名なスペースウォッチを手に入れることができる。
毎日の生活に欠かせないオメガ
次にご紹介するオメガの時計は、初心者向けの時計としては理想的と言えるかもしれない。この価格帯では他の追随を許さないコストパフォーマンスを実現しており、唯一それを上回れるとすれば、おそらくこの後にご紹介する3つ目の時計だけだろう。調べていくうちに、このオメガが60万円以下の予算でも購入できることを知り、筆者自身も愕然としてしまった。なんといってもこの時計の素晴らしい点は、妥協の1つや2つはどうしても避けられないアンティーク時計ではなく、現行のオメガのカタログに掲載されているモデルだということだ。最先端の技術と最高水準の品質が提供されている。
「どれのことを言っているのだろう」と気になるところだろう。筆者は、毎日使える初心者向けの時計では、オメガ シーマスター アクアテラが最高だと考えている。おそらくこの時計にできないことはない。最高の精度と60時間のパワーリザーブを備えた、スイス連邦軽量・認定局 (METAS) 認定の自社製コーアクシャル ムーブメントを内蔵し、極めて高い精度を保証する。さらに、日付表示、最大150m防水、最大1万5000ガウスの耐磁性まで備えている。
しかし、技術の素晴らしさもさることながら、アクアテラが普段用に最適なのは、その巧みでモダンなデザインあってこそだと筆者は思う。ジーンズやTシャツ、スーツ、スポーティな服装でも、アクアテラはどんなシーンにもマッチして、場に映える時計だ。光沢のあるポリッシュ仕上げのケースと、やはりポリッシュ仕上げのミドルリンクを備えたブレスレットが、非常にエレガントな印象を与える一方で、サンバーストを施した文字盤はスポーティな雰囲気を醸し出している。また、「チークコンセプト」と呼ばれる文字盤は、幅広の横縞模様で豪華客船のウッドデッキをイメージしている。太陽の光を受けて輝く文字盤は格別で、腕元を何度も眺めたくなるだろう。また、アクアテラはサイズや文字盤の色、ブレスレットのオプションなど、バリエーションが豊富であり、60万円以下でもモデルの選択肢は十分すぎるほどに多く、ほぼすべてのバリエーションが含まれる。さらに予算が限られているのなら、よりお手頃な価格の前モデルをお薦めしたい。外見上の主な違いは、チークコンセプトの文字盤が縦縞なことだが、横縞同様に印象的だ。シーマスター アクアテラは初心者に限らず、普段使いの時計としてすべての人にお薦めしたい。
コスパ抜群のアイコニックな時計: オメガ シーマスター
このモデルは、オメガ シーマスター コレクションの中でも、かなり理想的なダイバーズウォッチと言えるだろう。アクアテラと比較してもコストパフォーマンスがさらに高く、ロレックス サブマリーナに代わる最も優れた選択肢だとの評価を受けているのも頷ける。ここでは、初心者かベテランかは問題ではない。シーマスター 300Mは時計に興味のある人なら誰が見ても、現代で最も魅力的なダイバーズウォッチだと筆者は思う。その理由は特に、他の時計にはないユニークな文字盤デザインにある。しかし、その話をする前に、この時計の機能と仕様の素晴らしさをまず紹介したい。42mmの時計の内部には、極めて高い精度と55時間のパワーリザーブを備えたMETAS認定の自社製ムーブメントが収められている。6時位置の日付表示、最高300m防水、最高1万5000ガウスの耐磁性を備え、サファイアガラス、サファイアガラスのケースバック、セラミックベゼルが採用されている。
しかし、波模様のオールセラミック製文字盤をよく見ると、そういうことはすべて頭の後ろに追いやられてしまうのではないだろうか。文字盤全体に流れる波が、息を呑むような奥行き感を演出している。見ていると催眠効果を発揮する3Dアニメーションのようだ。筆者個人的には、シーマスター 300Mにはラバーストラップが一番似合うと思っているが、メタルブレスレットを好む方にも、60万円以下で購入できるモデルは十分数が揃っている。中には新品で未使用のものもある。このように、オメガ シーマスター 300Mは、初心者のエントリーモデルとしても理想的だ。予算が足りない場合は、前モデルもお薦めしたい。最新のリファレンスとは全く違う個性のモデルではあるが、アイコニックな時計であることには変わりがない。そして、シーマスター 300Mをここまで有名にしたのは、ピアース・ブロスナンがボンド・ウォッチとして腕につけた前モデルなのだ。
もっと読む
ジェームス・ボンド インフォグラフィック: 6人のボンド俳優と彼らが着用する時計