2021年05月14日 | 更新日: 2021年12月16日
 9 分

初心者向けロレックス: 90万円で買える2021年のベストモデル

Donato Emilio Andrioli
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遂にこの日がやって来た。頑張って働き、節約して、初心貫徹したことで、遂に夢の時計を手にできることになった。最初から、まずはロレックスだ、というのは決めていた。ロレックスはデザインと完璧な技術だけでなく、価値が上がることもよく知られているからだ。だが、本当にそうだろうか?ここで紹介する、90万円で買える3つのエントリーモデルがその疑問に答えてくれる。(免責事項) 将来のことは保証しないが、現時点で最もよく知られているロレックスも含まれている。

クリスマスは愛する人と過ごす時間だ。しかし、常に他人のことを考えなければならないわけではない。憧れの美しい時計を自分へのご褒美にしてみてはいかがだろうか?

どんなシーンにも合わせられるエントリーモデル、オイスター パーペチュアル39

オイスター パーペチュアル39 ロジウムダイヤルモデル (生産終了)

ロレックスのエントリーモデルといえば、まず最初に思い浮かべるのはオイスター パーペチュアルだろう。だからといって、他のモデルより劣っているわけではない。ロレックスのオイスター パーペチュアルはエントリーモデルと位置づけられているが、他のモデル同様作りが素晴らしく、普遍的なデザインや防水性 (このモデルは100m防水) などの長所はすべて備わっている。時計初心者がパーペチュアルを買う時に譲らなければならない点は、ごく些細なことだ。例えば、クラスプにイージーリンクシステムのような簡単に微調整できる機能はなく、見た目も比較的シンプルだ。しかし、文字盤の選択肢が広く、どんな好みにも対応できる。特にベーシックで普段使いに最適なのが、ロレックス オイスター パーペチュアル ブラックダイヤル (Ref.114300) だ。ブルーやブラックの文字盤ならば、どんな装いやシーンにも合わせられる。

生産終了となったロレックス パーペチュアル:エントリーモデルで価格上昇は見込めるか

少々派手目が好みなら、特徴的なライトブルーのアクセントが入ったロジウムダイヤル (Ref.114300) や、赤い輝きが特徴的なレッドグレープダイヤル (Ref.114300) もチェックすべきだろう。後者のモデルは、前回ロレックス パーペチュアルがモデルチェンジした際に生産を終了している。にもかかわらず、このモデルがいまだに90万円あれば手に入るという事実には驚くしかない。ロレックスの時計は通常、生産を終了すると価格が上がることが多いのだ。

手首の細い方に最適なエントリーモデル、オイスター パーぺチュアル

前述の39mm径モデルはほとんどの人の手首にフィットするはずだが、手首の細い人にはもうひとつ、オイスター パーペチュアル36 (Ref.116000) もお勧めだ。この小さめのロレックスにも、魅力的なダイヤルカラーが豊富に揃っている。特に注目して欲しいのは、エクスプローラーにインスパイアされた文字盤で、3時、6時、9時の位置にそれぞれブルーとシルバーのアラビア数字が配されている。

The delicate 36-mm Oyster Perpetual with a white dial is reminiscent of the Rolex Explorer.
繊細な36mm径のオイスター パーペチュアル ホワイトダイヤルはロレックス エクスプローラーを彷彿とさせる。

エントリーモデルの覇者、ロレックス エクスプローラー

気負いがなく、おとなしくて控えめ。それがロレックス エクスプローラーだ。そのキャラクターゆえに、ロレックスの他のスポーツモデルと比べれば知名度が低いとしても、同じくらい心に響く長い歴史をもっている。エクスプローラーは1953年に誕生したモデルで、サブマリーナとは同い年だ。ダイバーズウォッチが海を制覇してきたのに対して、エクスプローラーは世界を探検してきた。言うなれば、探検や自分だけの冒険に出かける時に持って行くべき時計なのだ。しかし、冒険心のない人にとっても、ロレックス エクスプローラーなら初心者向けの時計としての資質に間違いはない。おとなしい外観が好みだったり、普段使いに適した落ち着いた時計を探している、あるいは初めて高級時計を買うことに気後れを感じているなら、エクスプローラーはどんなに厳しい要求にも十分答えられるスポーツモデルの定番だ。

The Rolex Explorer is the perfect entry-level sports watch.
ロレックス エクスプローラーはスポーツウォッチのエントリーモデルとして最適だ。

スポーティーでスタイリッシュ。それがロレックス エクスプローラーの強みだ

エクスプローラーは非常にスタイリッシュなデザインの時計だ。1953年に発売されて以来、ごくわずかなマイナーチェンジとアップデイトがおこなわれただけだ。直径39mm、厚さ11.5mmで、ほとんどの手首サイズにフィットする。3時、6時、9時の大きな数字と、12時の大きな三角形が、マットブラックでありながらモダンな印象の文字盤上で見事なシンメトリーを見せている。

オイスター パーペチュアルに対するエクスプローラーのアドバンテージは、すべてサテン仕上げのブレスレットに付いているクラスプだ。ロレックスは、例えばオイスターパーペチュアルにはない、5mmのイージーリンクを備えたオイスターロック セーフティフォールディングクラスプをエクスプローラーには採用している。エクスプローラーは普段使いができる堅牢なオールラウンダーだ。カジュアルにもエレガントにも、どんなシーンでも「様」になり、その上最大100mの防水性を備えている。

エントリーモデルの代表格、ロレックス デイトジャスト

The Rolex Datejust might very well be the most famous Rolex of all time.
ロレックス デイトジャストは最もよく知られたロレックスだ。

スタンダードサイズのロレックス デイトジャストは最も優れ、知名度が高く、象徴的な時計だというだけでなく、間違いなく最も認知度の高いロレックスでもある。「エレガント」と「スポーティー」をこれほどバランスよく融合させたエントリーモデルは他にない。デイトジャストを着けて、友人と湖で楽しい一日を過ごし、夜には彼女とおしゃれなディナーに出かけたり、どんなシーンにも合わせられる。デイトジャストはまさにカメレオンのように、スポーティでも、エレガントでも、スイムウェアでも、どんなファッションと組み合わせても良く似合う。さらに、デイトジャストの堅牢性と最大100mの防水性は、日常生活のあらゆる状況に対応できる。だからこそデイトジャストは理想的な日常のパートナーとして輝いているのだ。その上、知名度も高い。有名なスターや映画の中でもデイトジャストが使われ、誰もが一目でロレックスだとわかるようになったからだ。

デイトジャストがこれほど有名になったのには、外見以外にも3つ理由がある。まず1つ目はホワイトゴールドまたはイエローゴールド製のフルーテッドベゼルで、今日まで愛されている普遍的なデザインだ。2つ目は日付窓。デイトジャストは世界で初めて日付窓に日付を表示した時計だ。12時ジャストに日付が変わるところがポイントで、「デイトジャスト」の名前の由来となっている。最後の3つ目はデイトジャストの最もよく知られている特徴である「サイクロップレンズ」だ。このレンズは1953年にデイトジャストが初めて使用したもので、それ以降広く知られるようになり、人気も高かったため、短期間のうちに日付を表示する複雑機構を備えたロレックスのほぼすべてのモデルに搭載されるようになり、ロレックスのトレードマークとなった。

The Rolex Datejust is available in an assortment of colors, shapes, and sizes.
ロレックス デイトジャストは色、形、サイズが豊富である。

デイトジャストの魅力はこのモデルのバリエーションの多さにもある。文字盤のスタイルや色、ブレスレットの選択肢など、種類が非常に豊富だ。初めてのロレックスで少しだけ自分らしさを出したいという人には、コンビカラーのバージョンで注目を引くのもアリだろう。90万円前後の予算で初心者が手に入れられるロレックスとして、これほど豊富で多彩な選択肢を提供してくれるモデルは他にない。

例えば、60年代に発表され、80年代初頭まで生産されていたクラシックウォッチRef.1601。そして、技術的にはRef.1601とまったく同じだが、おなじみのホワイトゴールドやイエローゴールドのベゼルではなく、少し変わったデザインのスチール製フルーテッドベゼルを採用しているRef.1603。こちらは65万円前後でも見つけられる。

The Rolex Datejust 1601: A classic entry-level timepiece.
ロレックス デイトジャスト1601は初心者向け高級時計の定番だ。

予算に余裕があれば、1989年 に発売されたサファイアクリスタル製のRef.16234も選択肢として面白い。65万円までの予算なら、2005年に初めて発売された6桁リファレンスモデルを手に入れることも可能かもしれないし、Ref.116234やRef.116200を選べば、「ルック & フィール (見た目と操作感)」が最近のロレックスに近いデイトジャストを手にすることになるだろう。

最終的にどれを選んでも言えることは、デイトジャストの最大の魅力は、リファレンスナンバーごとに異なる個性的な特徴とユニークな魅力で、さらに評価の点数が上がるとしても、基本的にはずっと同じ時計を持っていることになるところだ。ロレックスはデイトジャストの象徴的なデザインを何年もの間ほとんど変えていないからだ。

初心者向けのロレックス:90万円で買える時計の資産価値

予算が90万円まででも (デイトジャストの場合は65万円でも)、王冠がトレードマークのロレックスのアイコニックで普段使いのできる時計が手に入れられることがわかった。しかし、この3つのエントリーモデルは資産価値も安定しているのだろうか。

オイスター パーペチュアル39 (Ref.114300) の過去3年間の価格推移を見れば、このリファレンスではすべてのカラーバリエーションで同じように価値が安定しており、わずかながらも着実な上昇傾向にあることがわかる。

9月に生産中止になるまでの2020年の平均販売価格は65万円前後だったが、それ以降は大幅に上昇し、現在ではロジウムバージョンの平均価格は約85万円に達している。

今年のWatches and Wondersでモデルチェンジが発表される前は、非常に状態の良いエクスプローラー (Ref.214270) の平均販売価格は90万円をわずかに下回っていた。しかし、その前の数ヶ月間でも、価値が大きく上昇していることが見て取れる。エクスプローラー誕生50周年を機にデザインを一新した後、どれだけ価格が上昇するかは未知数だ。しかし、大幅な飛躍が予想される。

また、生産数が非常に多かったデイトジャスト36も、この3年間は価格が極めて安定しており、着実な上昇傾向にある。現在の平均販売価格はRef.1601が約60万円、5桁のRef.16234が約70万円となっている。この3つのうちではRef.116234が最も新しく、平均販売価格が90万円超と最も高い。


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記者紹介

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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