2020年01月02日
 12 分

手首の新鮮なルックス: 時計ベルトについてのアドバイス

Sebastian Swart
Ratgeber-Uhrenarmbaender-2zu1

手首の新鮮なルックス: 時計ベルトについてのアドバイス

パイロット、ラバー、NATO、オイスター、アンティーク、カーボン ― 時計ベルトにはほとんど無数のスタイルと素材が存在しており、ますます多くの時計メーカーやベルトメーカーが、さまざまな素材とスタイルの広大な選択肢を異なる品質で提供している。この記事では、ベルトの種類、交換方法、そして購入時の注意点について紹介していく。

時計ストラップを交換する理由

すべての時計着用者が時計ベルトの交換に大きな関心を持っているわけではない。ステンレスブレスには適切に取り扱っていれば時計の寿命よりも長く使用できるという利点がある。この組み合わせが気に入るのならば、ブレスレットの交換はまったく必要ないだろう。しかし、中には変化を好み、時々時計に新しいルックスを与えたいと思う時計オーナーもいる。または、単純に古いレザーが寿命を迎えたために、新しいストラップを購入せざるを得ない場合もある。その時、同じ純正品以外のストラップを手に入れたい方の目の前には、広大な選択肢が広がることになる。

ベルトの種類と素材

レザー、ステンレス、キャンバス、ラバー、ナイロンなど、異なる素材の時計ベルトを定期的に交換することは現在のトレンドであり、中にはヴィーガンストラップというものもある。また、クイックチェンジシステムを搭載したベルトの人気もますます高まっている。というのも、この機能によって不慣れな方でも素早くベルトを交換することができるからだ。驚くべきは、一見まったく同じように見えるベルトの間に、非常に大きな価格の隔たりがあることである。しかし、あらゆる製品において当てはまるように、その品質は価格に比例する。

ラグ幅は時計ベルトの購入において特に重要になる。これはベルトの幅を決めるラグの間の間隔のことである。女性用時計の一般的な偶数のラグ幅は14mmから18mmの間で、男性用時計では18mmから22mmの間。パネライなどの特に大きい時計のラグ幅は26mmにまでなる。いくつかの時計メーカーで使用されている19mmや21mmなどの奇数のラグ幅を持つベルトを見つけるのはやや難しい。しかし、老舗の品揃え豊富なオンラインショップであればこれらのサイズのベルトも見つけることが可能だ。

レザー製ストラップ ― パイロット、レーシングなど

クラシックなパイロットストラップは通常牛革か仔牛革から作られている。パイロットスタイルのベルトは、とりわけリベット打ちとコントラストステッチを特徴としている。両要素ともに元々はベルトに高い強度を与えるために使用されたが、現在ではどちらかと言えば装飾的意味合いの方が強い。ほとんどの有名なベルトメーカーはこのタイプのストラップを取り揃えており、ドイツの伝統的メーカーであるラコは、有名なパイロットウォッチと並んでパイロットストラップの幅広いオプションも異なる価格で提供している。

Laco Paderborn
Laco Paderborn

牛革または仔牛革は大抵の場合レーシングウォッチのベルトにも使用されている。このタイプのベルトは特にパンチングを特徴とし、タグ・ホイヤー オータヴィアやオメガ スピードマスターなどの定番レーシングクロノグラフに非常によく似合う。パイロットウォッチやレーシングウォッチの特徴的なレザーストラップの他に、ベルトは多くの異なるバリエーションや色、そしてクロコダイル柄などのエンボス加工で提供されている。エンボス加工が施されたエキゾチックな印象を与えるベルトは、安いモデルではほとんどが牛革製で、その名前通りの革から作られているわけではない。

時計ベルトの製造にはクロコダイル、オーストリッチ、魚、蛇などのエキゾチックレザーも使用される。しかし、そのような革を使用したベルトの価格はエンボスレザーよりも大幅に高くなる。また、すべてがエキゾチックレザーから作られているわけではなく、これらの素材の薄い層がライニングレザーの上に接着され縫い付けられていることもある。また、エキゾチックレザー製のベルトにおいては、必ずその出所に注意しなければいけない。これについては後ほど説明する。

時計ベルトに興味が出てきたならば、カウフマン、ヒルシュ、リオス、メイホファーなどの有名メーカーのコレクションを見てみてほしい。便利なレザーストラップを約3000円から見つけることができる。しかし、価格の幅は大きく、特に高級なオーダーメード品はその10倍またはそれ以上の価格になることもある。

時計ベルトについて調べていく中で、もしかしたらシェルコードバンという言葉に出くわすかもしれない。これは、高い強度を特徴とするホースレザーのことであり、オイルが多く含まれているため高い撥水性も持っている。しかし、馬好きの方にとってこのレザーは購入の対象とならないだろう。

NATO / ZULUストラップ

NATOストラップとは、ナイロンなどの合成繊維から作られている引き通し式ストラップのことを言う。元々は軍で時計用ストラップとして使用されており、一般市民が手に入れることは難しかった。イギリスの国防省がこのストラップにNATOストック番号を与え、それによって「NATOストラップ」と呼ばれるようになった。このタイプのストラップはバネ棒の上からラグ、そして時計下部へと、裏側にベルトを通して装着される。

Rolex Submariner NATO strap
Rolex Submariner NATO Strap

NATOストラップには多くの色や柄、そしてさまざまな品質がある。シンプルなNATOストラップは約1800円から手に入れることができるが、ブランドによってその価格は1万8000円またはそれ以上にまで上がることもある。おそらく最も有名なモデルはいわゆる「ボンドNATO」で、この名前は1965年に公開された『007』シリーズの『007 ゴールドフィンガー』で登場したことから付けられた。ショーン・コネリーはこの映画で派手なブラック・グリーン ストライプのストラップが付けられたロレックス サブマリーナ Ref. 6538を着用していた。

ZULUストラップはNATOストラップに非常によく似ており、同様にナイロン製であるが、より丈夫に仕上げられている。ZULUストラップは元々プロダイバー用に作られており、少々厚いオーバル型のメタルループによってNATOストラップから区別される。NATOストラップと同じくその価格は1800円ほどから始まるが、カラーバリエーションはそれほど豊富ではない。それはおそらくNATOストラップの方が人気が高いことによっている。

チュードルやオメガなどの時計ブランドはNATO / ZULUストラップのトレンドを認識し、これをブラックベイやスピードマスターなどのいくつかのモデルに採用した。また、しばらく前から革製やキャンバス製のNATOストラップも市場に登場している。

ラバー製のストラップ

シリコンまたはラバー製のストラップもダイバーズウォッチに非常に適している。インターネットでは膨大な量の商品が提供されており、数百円で買える非常に安価なシリコンストラップから、2万円を超える天然ゴム製の高級モデルまである。この素材のストラップも多様なデザイン、形、色で提供されている。現在、非常に古いダイバーズウォッチで使用されていたトロピカルストラップが再び人気を集めており、同じくセイコーがよく使用しているワッフルパターンのストラップも非常に高い人気を誇っている。

Omega Seamaster Rubber Strap
Omega Seamaster Rubber Strap

エベレストは米国に本拠地を置く高級ラバーストラップのメーカーで、多くの一般的なロレックスモデルにオーダーメードのスイス製ストラップを提供している。同じく米国に本拠地を置くイソフレーンは、1960年代と70年代においてすでにオメガやティソ用のストラップを製造していた。ヨーロッパではとりわけオーストリアに本拠地を置くヒルシュが、ラバー製の高級プレミアムストラップを素晴らしいコストパフォーマンスで提供している。

ステンレス製の伝説的ブレスレット

おそらくこの記事を読んでいるほとんどの読者がオイスターブレス、ジュビリーブレス、プレジデントブレスの意味を知っていることだろう。これらのブレスレットの名前はロレックスに由来し、何十年も前からこのスイス高級時計ブランドの成功モデルを飾り立ててきた。ロレックスがオイスターブレスを発表したのは1947年。ロレックスはこのブレスを現在までほとんど変わらずにサブマリーナやシードゥエラーなどの大定番モデルに搭載してきた。1945年にデイトジャスト用に初めて発表されたジュビリーブレスはそこまで有名ではないかもしれないが、その伝説的価値は劣っていない。

Rolex Datejust Jubilee Bracelet
Rolex Datejust with Jubilee Bracelet

これらのブレスレットが登場して以来、他のブランドは多大なインスピレーションを受けてきた。中には模倣するブランドまで出てきたのだが、これらのブレスレットのデザインが時を超えるスタイルアイコンであることを考えれば、それも不思議ではない。このタイプのブレスレットを探す場合、もちろん純正品を買う必要はない。市場には無数のメーカーが存在するが、それらのストラップの品質には大きな幅がある。そのため、購入時には希望のブレスレットの製造元に注意するべきだろう。許容できる品質を持つブレスレットの価格は約4800円から始まる。

ライスビーズと呼ばれるブレスは1960年代と70年代に流行したデザインで、細い楕円形のリンクの表面が米粒を想起させることから、その名前が付けられた。長年にわたって日の目を見ない存在であったが、現在再び人気が高まっている。2017年から再びライスビーズブレス付きで入手できるようになったタグ・ホイヤー オータヴィアは、その代表的なモデルである。このブレスもいくつかのメーカーやオンラインショップで見つけることができ、約4800円から提供されている。

Tag Heuer Autavia Beads of Rice Bracelet
Tag Heuer Autavia with Beads of Rice Bracelet

ミラネーゼブレスレットは19世紀に初めてミラノで製造され、20世紀初頭にドイツに持ち込まれた。このブレスレットの全盛期は1960年代と70年代で、メッシュを思い出させる編み込まれた構造からメッシュブレスとも呼ばれている。このスタイルのブレスも同様に約4800円から手に入れることができる。

ベルトの交換方法

一般的な2つのベルト部分から成るストラップの交換は、バネ棒外しと呼ばれる工具を使用して行われる。これはバネ棒をラグ穴から外すための特殊工具で、基本的にはシンプルな原理であり難しいことではない。そのため、技術的に自分で交換することも可能であるが、バネ棒を穴からまったく取り外せない、ということが起こる場合もある。

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この原因は、バネ棒が古くて汚れていたり、ベルトとケースの間の間隔が狭すぎて取り外すための隙間がなかったりすることにある。これは特に非常に精密なメタルブレスにおいて頻繁に起こり得る。そのため、時計の傷やさらに大きな損傷を防ぐために、プロに依頼することをおすすめしたい。基本的に時計師であればベルトを問題なく交換できるはずだ。しかし、ベルトの交換後は特にラグ背面の表面の傷を毎回確認してほしい。時計によっては小さな傷が大きな価値の損失となることもある。

先に触れたように、いくつかの時計 / ベルトメーカーはベルトにクイックチェンジシステムを搭載している。メイホファー社の「Easy-Click」システムやカウフマン社の「Change-It」などはその一例である。その原理は至ってシンプルで、小さなレバーによってバネ棒を手で簡単にラグから取り外すことができる。

モーリス・ラクロアも2019年に発表されたアイコンによって、時計にたびたび新鮮なルックスを与えたい顧客の要望に応えた。同時に、このような仕事を行えるのが時計師だけの特権ではないことも証明した。これは歓迎されるべき発展であると個人的には感じていて、ぜひ他のメーカーにも追従してほしい。

Maurice Lacroix Aikon
Maurice Lacroix Aikon

ベルトを購入する際に気を付けるべき点

「Buy the seller」という言葉を知っているだろうか?これは「Buy the manufacturer」と言い換えることもできるだろう。製革および加工された革製のベルトでは、その出所に気を付けてほしい。その原産地まで辿ることができることは恐らく稀だろう。しかし、高級ブランドベルトの購入によって、少なくともベルトが安価で好ましくない状況で製造された可能性を減らすことができる。また、製革においてどのような基準が使用されたかに注意し、化学的な製革ではなく植物性製革法を選んでほしい。

有名メーカーは常に高品質レザーを使用しており、それは専門的な多くの製造工程を経て時計ベルトに加工される。丈夫で高品質なレザーストラップは数百円で手に入れられるものではない。安すぎると思われる商品を見つけたら、疑いの目を持った方が良いだろう。エキゾチックレザー製のベルトに決めた場合は、製造者がワシントン条約に基づく適切なCITES許可書を取得している革を使用して加工していることを確認してほしい。例えばベルリンの皮革製品メーカーMaysは、自社ウェブサイトにてCITES許可書を提示している。

ナイロン製または似たような素材のベルトの場合、その出所を辿るのはさらに難しくなるだろう。ナイロンやポリアミドは大きな工場で石油から製造され、環境に優しいベルトとは言い難い。疑わしい場合にはその出所を質問し、安すぎる商品では疑いの目を持つこと。使えるナイロン製のNATOストラップの価格は2000円から4000円であるが、ブランドやメーカーによってはそれ以上する。例えばオメガは同社のNATOストラップを1万8000円ほどで提供している。また、「ヴィーガン」時計ベルトにおいても疑いの目を忘れてはいけない。多くの化学薬品を使って東アジアで製造された合成繊維製のベルトは確かにヴィーガンであるが、許可書を取得しているエキゾチックレザー製のレザーストラップに比べて環境に優しくもなければ、モラル的に安心もできないことは間違いない。

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