価格帯に関係なく、時計ブランドの多くがブラックやホワイトといったクラシカルな色に加え、グリーン、ブルー、オレンジ、イエロー、レッドといった鮮やかな文字盤カラーを多くのモデルに採用している。特にロレックスはデイトジャスト、オイスター パーペチュアル、デイデイトで、さまざまなカラーで展開している。しかし、ロレックスに限らずオメガやオーデマ・ピゲをはじめとするその他の主要ブランドも、数年前からカラフルな時計を発表している。
色彩心理学と時計の関係
時計業界が最近カラフルな時計を発表しているのは、単なる偶然ではない。舞台裏とも言えるマーケティングを担う人々は、色が神経心理学上、対象グループのセグメント化において重要な役割を果たすことを知っている。ここでは脳の大脳辺縁系が関わっており、研究者によるとこの大脳辺縁系が無意識のレベルで購入に大きな影響を与えているという。研究によると、この大脳辺縁系はホルモンにより冒険家、パフォーマー、規律主義者、伝統主義者、調和主義者、開放主義者、快楽主義者から成る合計7つのタイプに区別することができるそうだ。そしてそれぞれのグループに、性格的特徴とともに好む色があるという。
マーケティングを行う上で、各グループをカテゴライズすると、自然とパターンが見えてくるということだ。この記事では、色と性格について読み解いていこう。皆さんは当てはまるだろうか。
ブラック & レッド – 成功への道を歩むエリートパフォーマー
現代の脳研究を信じるのであれば、あなたは権力を追求し、その場を支配したいタイプであり、男性的な面が強いと言える。
そんなあなたは、冒険とスリルを求めるタイプで、日々最高のパフォーマンスを発揮しようとする努力家。毎朝早起きし、エクササイズを欠かさない。仕事熱心で毎日残業もこなし、成功も収めている。友人と過ごす時間よりも、こうして成功を追い求める方に情熱を燃やすタイプだ。
そんなあなたに最適なのは、ハイエンドな高級車、そしてそれにぴったり合うブライトリングだろう。ブラックとレッドのスーパーオーシャン クロノグラフ IIはどうだろうか?
ブルー & ホワイト – ルーティンを好む人
ブルーやホワイトの文字盤の時計を持っているという場合、 あなたは規律を好む倫理的なタイプだ。日々のルーティンを大切にし、イレギュラーを好まない。週末は友人との時間を大切にし、語り合うのが好きという平穏な日々を好む。
必要なものだけを購入し、残りを貯金するというあなたは、より高価な時計を買う余裕があったとしても、ドイツメーカーの実用的なクロノグラフを選択することだろう。ぴったりなのは、ジンの358 Sa Flieger B E.だ。
ブラウン & グリーン – 調和を重んじる人
ブラウンまたはグリーンの文字盤を持つ時計を選択したあなたは、オープンで楽天家なタイプ。友情をとても大切にしているため、友人の輪は非常に広く、家族構成は40歳以上の夫婦に子供は最低1人というパターンが多い。このタイプは大脳辺縁系の愛情ホルモンとして知られるオキシトシンが作用しているためと言える。
また環境への意識も高く、大量に二酸化炭素が排出される長距離フライトが必要な出張や旅行は避けたいと思っていることだろう。自家用車は電気自動車、または乗り換えを考えている。
あなたは時計にはほとんど興味がないようだが、敢えてすすめるならオリスのパイロット×カーミット エディションだ。オリスはサステナビリティレポートを発表するなど、持続可能性についても考えているブランドだ。この時計は、ディズニーマペッツ「カーミット」をモチーフにした、遊び心のあるモデルだ。
オレンジ & イエロー – 純粋に欲望を追い求める人
オレンジやイエローの文字盤の時計を持っているあなたは、神経心理学の色彩スペクトルにおいては他のステレオタイプから大きく外れた位置にいる。現代の脳研究では、これらの色は快楽主義者であるとされている。そのため、あなたはドーパミンに満ちており、純粋に欲望を追い求めるタイプだ。きらびやかでラグジュアリーなことを好むあなたは、パーティーなど、派手は場所へ行くのが好きな人物。そして「毎日を人生最後の日だと思って生きる」ことがモットーなのだ。
おそらく、ラグジュアリーさを求めるあまり、暗号通貨への投資などにも興味を持っている、または既に経験済みかもしれない。しかし、リスクを恐れない姿勢こそが、あなたに常に新たな原動力を与えているのだ。
そんなあなたには2つのブランドが適している。お手頃価格のものなら、スイスメーカーのドクサがぴったりだ。中でも特に派手なのは、イエローまたはオレンジの文字盤を持つドクサ 1500T ダイビングスター。超高級かつ派手なものを求めるなら、リシャール・ミルのタイムピースをおすすめしたい。RM 011-03 マクラーレン フライバックでも許容範囲なことだろう。
色と性格
時計の色と神経心理学の視点から、おおまかな性格タイプについてご紹介した。もしかしたら、心当たりがあったかもしれない。しかし、どんなタイプであれ、時計の色が、あなた個人、そしてスタイルに合っていることが重要だ。オールラウンダーをというのであれば、どんなタイプやシーンにも合うブラックまたはホワイトの文字盤を持つ時計を選ぶとよいだろう。