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時計通のための時計ブランド トップ3

Donato Emilio Andrioli 著
2025年4月23日
6 分
Stand out in the crowd! _Hublot_1

時計通のための時計ブランド トップ3

ロレックス、オメガ、ブライトリングなどのメジャーブランドは選択肢に入らないという皆様や、 持っている人があまりいない、主流から外れたブランドにむしろ興味があるという皆様にこそ、この記事は読んでいただきたい。普通とは一味違うものを身に着けたいという時計通のために、魅力的なブランドを3つご紹介しよう。 

時計通向けの時計ブランドとは?

筆者の考える時計通向けの時計ブランドとは、時計ファンの間ではよく知られているものの、世間一般ではほとんど注目されず、ロレックス、オメガ、ブライトリングといった人気ブランドのような知名度がない時計メーカーのことだ。しかし、一般的な知名度だけがすべてではない。デザイン面で他とは一線を画すブランドも時計通に向いていると言える。というのも、時計通というのは概ね、すでに普通の時計を複数所有しており、新しいものに比較的オープンだからだ。この記事では、筆者が考える時計通にぴったりなメーカーを3社ご紹介したい。少々ネタバレになるが、最後の3つ目のブランドは賛否の分かれる高級時計メーカーだ。それでも(あるいはだからこそ)時計通向けには最適だ。

時計職人の時計師:ジャガー・ルクルト

ジャガー・ルクルトは時計愛好家なら誰でも知っている名前かもしれないが、一般にはほとんど知られていない。時計の世界でも、この伝統あるブランドが話題にのぼることは比較的少ない。名前の発音が難しいからだろうか?マーケティングの仕方が間違っているのだろうか?それとも時計のデザイン言語に問題があるのだろうか?これらの疑問に対する答えを筆者は持ち合わせていないが、一つだけ確実に言えることがある。ジャガー・ルクルトは、時計業界の歴史の中でも類をみない魅力的で興味深い時計ブランドだということだ。1833年に創業したこのメーカーは、時計業界における大きな革新を数々手がけており、「時計職人の時計師」と呼ばれるのももっともだ。なにしろ数十年にわたり、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、カルティエなどの一流ブランドにムーブメントを提供してきたのである。 しかし、自社の時計も素晴らしいもので、現在時計業界に存在するものの中でも特に秀逸な時計と言える。マスター・コントロールコレクションは控えめで上品なドレスウォッチを揃えており、ポラリスコレクションはスポーツウォッチのファンなら誰でも魅力を感じる時計だ。そして最も有名なレジェンドモデルといえば、ジャガー・ルクルト レベルソだ。アールデコデザインの長方形のケースで、他にはない個性を持つ時計であり、今日もなお大きな存在感を放っている。名前の由来となったユニークな反転式ケースは元々ポロ選手用に、時計の文字盤を強い衝撃から守るために設計されたものだ。今日では、例えば第2の文字盤を組み込んだり、ムーブメントを見せたりする目的に使用されている。ジャガー・ルクルトは、時計通や時計愛好家であれば注目すべき素晴らしい時計ブランドだ。

レベルソは1931年からジャガー・ルクルトのポートフォリオにラインアップされており、他に類のないアイコニックな時計だ。
レベルソは1931年からジャガー・ルクルトのポートフォリオにラインアップされており、他に類のないアイコニックな時計だ。

特別なクラスのユニークな文字盤:グランドセイコー

グランドセイコーも時計通にはよく知られているが、一般の人々の間では混乱を招いている。というのも、セイコーという名前は、約3万円から購入できる手頃な価格の機械式時計として有名なのだ。グランドセイコーはセイコーの高級版と言えるだろう。価格はクオーツムーブメント、ハイビート自動巻きムーブメント、スプリングドライブムーブメントのいずれが搭載されているかによって、下は30万円前後から上は200万円前後、さらにそれより高価なものもある。グランドセイコーの最大の強みは、クオーツと機械式ムーブメントの長所を組み合わせた独自のスプリングドライブ技術である。また、このブランドは他のどこにもないような個性を持つ文字盤でも知られている。特に人気が高いのは、ヘリテージコレクションの「雪白(スノーフレーク)」と呼ばれるモデルだ。41mm径のオールラウンダーであり、時代を超越したデザインで、スプリングドライブムーブメントを搭載しており、愛称の由来である「雪白パターン」の文字盤で知られている。グランドセイコー「雪白」は、ロレックス オイスター パーペチュアル、ロレックス デイトジャスト、あるいはオメガ シーマスター アクアテラといった定番すぎる時計とは一味違うものを求める人にとって、日常使いに最適な時計だ。

グランドセイコー 雪白:時計界でも類を見ない美しい文字盤
グランドセイコー 雪白:時計界でも類を見ない美しい文字盤

論争の的:ウブロ

ウブロを時計通向けのブランドと呼ぶのは、ブランド自体の評価と同様にかなり論争を招く話かもしれない。実際、外部から購入したムーブメントを使っていることなどから、時計愛好家の間ではよく批判の的になっているし、デザインも万人向けとは言いがたい。しかし、客観的に見れば、ウブロは多くの時計ファンが求めていることをまさに実現していると言える。つまり、デザインが斬新で独特であり、他と一線を画しているのだ。新しいことに挑戦することを恐れず、デザインだけでなく素材の選択においても創造性を発揮している。また、ウニコという自社開発ムーブメントもすでに採用している。デザイン面では、ウブロ クラシック・フュージョンは現代の時計の中でも群を抜いた美しさと言える。このスポーツタイプのオールラウンダーは、1980年の初代モデルを忠実に再現しており、サイズが42mmに、素材がチタンになった以外はほとんど変わっていない。初代モデルはユニークで時代を先取りしたものだった。今日では、スポーツウォッチにラバーストラップを使うのは当たり前だが、80年代には想像もできなかったことだ。ウブロ クラシック・フュージョンはウブロの主要モデルであるだけでなく、ウブロの世界へのエントリーモデルとしても最適な一本だと思う。価格は85万円以下から購入可能だ。面白がって批判する声はさておき、ウブロは非常に魅力的でクリエイティブであり、特に時計通にとっては興味が尽きないブランドだ。

ウブロ クラシック・フュージョン
ウブロ クラシック・フュージョンのデザインは現代の時計の中でも群を抜いて優れている。 

記者紹介

Donato Emilio Andrioli

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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