2020年06月16日
 7 分

極限状態のための腕時計: 市場で最もタフな腕時計

Bert Buijsrogge
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極限状態のための腕時計: 市場で最もタフな腕時計 , 写真: Bert Buijsrogge

腕時計は1日を通して移り変わる状況にさらされている。デスクで働くだけなら腕時計の安全に関してそれほど心配する必要はないが、着用者がアクティブであればあるほど、その腕時計はより過酷な状態に耐えなければならなくなる。この記事では現在市場に出回っているタフな腕時計を見ていきたい。高度の水圧、衝撃、または極限の気温であろうとも、頼りになる機械式腕時計がある。  

機械式腕時計は、実はかなり繊細な手作りの品である。全ての極めて小さな部品が最小限の誤差で機能するように、正確に調整されていることを考えてほしい。私は何年も前に工場見学に訪れた際、その工房で「ここでは、1/1000ミリは誤差の許容範囲ではなく、単なる物理的距離である」と書かれた紙を見かけた。これは機械式腕時計メーカーが達成しなければならない正確さのレベルがいかに高いかを示している。腕時計は多くの小さな部品でできているためダメージを受けやすくはあるが、タフに作れないわけではない。 

そこで現在市場に出回るうち、最もタフな腕時計を選んでみた。傷に強いタイプ、極限状態に耐えうるもの、あるいは単に非常に丈夫なもの。何をするにつけてもこれらの腕時計なら頼りになるはずだ。 

 

ジン EZM 9 

この腕時計はパイロットウォッチの技術規格に準拠するものとして認証されたモデルである。これは ”パイロットウォッチ技術規格”、あるいはTESTAFと省略して呼ばれている。ダイバーズウォッチにはDIN 8306という安全規格のテストがあるのに対し、パイロットウォッチに関しては同じものが存在しなかった。TESTAFはこれを補足するために作られた規格である。それからまもなくして、この新しい規格はDIN 8330-1と2として登録された。 

 

Sinn EZM 9 (Ref. 949.010) 
ジン EZM 9 (Ref. 949.010), 写真: Bert Buijsrogge

 

ジン EZM 9のケースは直径44mm、ビーズブラスト仕上げのチタン製でテギメント処理を施してある。このテクノロジーは素材の硬さを増し、耐傷性を高めるものである。パイロットウォッチであるため、上空高くで遭遇する低圧条件にも耐えるようにできている。さらに防水性は200m。そのうえ、ジン EZM 9は-45°C〜+80°Cまでの気温環境での精度も保証されているのだ。タフな腕時計とはまさにこのことである。 

この腕時計には、ジンのArドライテクノロジーも搭載されている。簡単に言うと、ドライカプセル、特殊なパッキン、プロテクトガスの充墳により、潤滑オイルの劣化と急な気温低下による風防の曇りを防ぐことが可能なのだ。また、長年使用する間のムーブメントの信頼性を守ることにも繋がる。このチタン製のカプセルは時計の左下のラグに備わっている。 

  

ロレックス シードゥエラー ディープシー 

タフな腕時計といえば、ひたすら長持ちするように作られているロレックスのスポーツモデルを無視することはできない。私もいくつかのサブマリーナGMTを所有しているため、これらの腕時計がどれだけ丈夫かは実際によくわかっている。私の彼女が、食器洗浄器を開けたらサブマリーナがそこにあるのを初めて見たときのショックを受けた表情を覚えている。これはこの腕時計を洗うのに最適な方法で、これまでに問題があったことは一度もない。しかし、ロレックスの時計の中でも最もタフなものといえば、ロレックス ディープシーである。 

 

Rolex Sea-Dweller Deepsea 
ロレックス シードゥエラー ディープシー, 写真: Bert Buijsrogge

 

ディープシーは素晴らしい腕時計だが、これは気の弱い人向けのものではない。私はしばらくの間使用する機会に恵まれ、その重さ (実際、重いのだ) が自分向きではないと思ったのだが、それでも技術的な面から常に魅力的な腕時計だと感じていた。その44mm径のケースは他のモデルに比べるとかなり分厚いが、それは主に、文字盤を保護している印象的な5.5mmの風防のためである。この腕時計の防水性は3900m。最近、オメガが記録を塗り替えた10万925mには及ばないものの、それでもすごいものだ。それに、オメガのそのモデルはまだ一般には販売されていないのだから。 

 

UTSミュンヘン ダイバー 3000M 

このブランドは誰にでも知られているとは言い難いものの、間違いなく一見の価値がある。1999年にドイツ人エンジニア、ニコラス・スピナー氏によって創設されたこの会社は、スピナー氏自身による精密な計算に基づいたダイバーズウォッチ用の高精度ケースを製造している。同社の生産力は年に数百個に限られているが、この限定された生産数が、業界でより評判を高める結果となっている。 

同社が製造する全ての腕時計はグレードの高いステンレススチール製で、無反射コーティングが施されたサファイヤガラスを採用している。防水性などの技術的なディテールはそれぞれの腕時計の裏蓋にはっきりと刻まれている。少量生産型のメーカーであるため、モデル数は少ないものの、そのことがそれぞれのタイムピースの品質を保証することに繋がっている。私はダイバー 3000Mには非常に感動させられた。いつもと違って、あまり知られていないブランドの腕時計を見るのはとてもいいことだ。  

UTSミュンヘン ダイバーは5mmのサファイヤガラスで守られた42mm x 17mmのケースが備わり、それにより極度の圧力に耐えられるようになっている。また裏蓋は厚さ3mmで、8本のネジで止められている。この腕時計には信頼性のあるETA 2824-2ムーブメントが搭載され、パワーリザーブは49時間である。 

オメガ シーマスター ダイバー 300M 

丈夫な腕時計の多くがダイバーズウォッチであることは、大して驚きではないだろう。ダイバーズウォッチは、考えうる限りで最もハードな極限状態に耐えられるべく作られているのだ。しかし、耐傷性に関して言えば、セラミックケースに勝るものはない。先に述べたように、オメガは海中最も深くでの使用に耐えるダイバーズウォッチを作り上げたが、これはまだ実際に販売されるには至っていない。しかしそれまでは、同社のセラミック製ダイバーズウォッチで十分すぎるほどこと足りる。 

 

Omega Seamaster Diver 300M, 1993
オメガ シーマスター ダイバー 300M

 

ダイバー 300Mは43.5mmのセラミック製ケースを持ち、これに傷をつけるのはほぼ不可能だ。セラミックはスチールよりもはるかに強固で、何年も使用した後でも外見に変化はない。さらに紫外線にも強く、他のヴィンテージウォッチのように長年使用するにつれて老化するということがない。つまり、40年後には新品のように見えるヴィンテージウォッチを手にしている、ということになるはずだ。 

壊れにくいケースに加え、ベゼルもセラミック製である。コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー 8806を搭載したこの腕時計は非常に正確で、パワーリザーブは55時間を誇る。マスター クロノメーターであることから、それぞれの時計が10日間に渡ってテストされている。ムーブメントは衝撃に強く、対磁性も備えている。 

まとめ 

市場には、有名ブランド以外からも、多くのタフな腕時計が出回っている。異なる価格帯の丈夫な腕時計が存在し、それぞれの予算に合わせたモデルを入手することができる。もちろん、ぴったりな腕時計というのは常にそれぞれの判断によるものだ。私としては、シンプルなG-Shockをロレックスと同じように楽しんで着用できる。つまるところ重要なのは、自分の手首を見たときに浮かぶ笑顔なのだ。ひとつ確かなことは、この記事の後で、私の欲しい時計リストが少なくとも1本は増えたということだ。 

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