2022年10月27日
 12 分

潜りも華麗に。現行のゴールド製ダイバーズウォッチ5選

Sebastian Swart
Rolex-Submariner-Date-2-1

正直言って、高級ダイバーズウォッチを本当にダイビングに使っている人などいるだろうか?愛用者100人に聞いても「はい」と答える人などほとんどいないのではないか。ロレックスやブランパン、パネライといった大手時計メーカーが、水中の過酷な条件に耐えられる専門性の高いツールウォッチを海軍や軍関係に売り込んでいた時代はもう終わった。しかし、ダイバーズウォッチはその魅力的でスポーティーなデザインで、ファッションアイテムの主流となって久しい。特に大手メーカーのステンレス製モデルは人気が高く、定価の何倍もの値段で取引されている。 

しかし、権力と富の象徴であるゴールドのモデルもあるのに、ステンレス製のダイバーズウォッチを身につける意味があるだろうか?Chrono24は先日のジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2022でもゴールドウォッチのトレンドを見て取ることができた。もちろん、すべての時計愛好家が煌びやかなゴールドウォッチを好むわけではない。ゴールドウォッチの需要が比較的少なく、価格も安定しているのはそのためでもある。しかし、派手なゴールドウォッチに関してどんなに悲観的な予測があったとしても、やはり貴金属には魅惑的なカリスマ性があり、身につける人のタイプやシーンによっては素晴らしくマッチするものなのである。センスの良いスーツと合わせれば理想的なコーディネートになるし、ハワイアンシャツと日焼けした手首に無造作に着けるのもいいだろう。  

ここでは、デスクでも水中でも輝きを放つ、現行のゴールド製ダイバーズウォッチを5本ご紹介したい。  

オメガ シーマスター 300、セドナゴールドかイエローゴールドか? 

オメガ シーマスター 300は1957年から今日に至るまで、オメガのカタログに常に掲載されている常連だ。その始まりはリファレンスCK2913で、シリーズのデザインのベースになっている。矢印型のブロードアロー針、台形のトラペーズインデックス、3時、6時、9時、12時のアラビア数字。これらの要素がシーマスター300のスタイルの決め手となっている。このモデルにはステンレス製バージョンが豊富に用意されており、ステンレスとゴールドのコンビカラーのバリエーションもある。  

ここでもゴールドの2モデルはひときわ目を引くルックでシリーズの中でも存在感を示している。シーマスター 300 Ref.233.60.41.21.01.001の41mm径ケースとブレスレットはオメガ独自の18Kローズゴールド合金セドナゴールド製だが、233.60.41.21.01.002は全てイエローゴールド製となっている。それぞれ黒いサンドイッチ文字盤とのコントラストが際立っており、アワーマーカーには各ゴールドと色調を合わせたスーパールミノバが使用されている。時・分・秒の針も18Kゴールド製だ。シーマスター 300の現行モデルと同様、ベゼルにはセラミックを使用し、ダイビングスケールはゴールド製だ。 

The classic Omega Seamaster 300 look, but in Sedna gold – the ref. 233.60.41.21.01.001
オメガ シーマスター 300 セドナゴールドRef. 233.60.41.21.01.001

シーマスター 300のゴールドモデルを身につける人の多くは、裏蓋までもゴールド製であって欲しいと思っているかもしれないが、実際にはコーアクシャルキャリバー8401が見えるように、サファイアガラス製になっている。ゴールドのテンプ受けとローターを備えるムーブメントの外観は確かに美しく、コート ド ジュネーブのアラベスク模様が気品溢れる外観を完成させている。二重香箱を搭載し、60時間のパワーリザーブを実現している。オメガはコーアクシャル・キャリバーにもシリコン製のヒゲゼンマイを搭載しているため、最高1万5000ガウスの磁力に耐えられる。シーマスター 300の新しいモデルはすべてそうだが、ゴールドバージョンももちろん300m(30気圧)防水となっている。 

これほどの黄金とこれほどの高い技術には、当然ながらそれなりの対価が必要だ。Chrono24ではイエローゴールド・モデルの価格が400万円弱であるのに対し、セドナゴールドはそれより15万円ほど高い価格で販売されている。しかし、これは両モデルともオメガの希望小売価格である3万4100ユーロ(約500万円)を大きく下回る金額だ。 

Ref. 233.60.41.21.01.002: The yellow gold Seamaster 300
Ref. 233.60.41.21.01.002 イエローゴールド製シーマスター 300

パネライ ルミノール サブマーシブル ゴールドテック 42mm

パネライ サブマーシブル ゴールドテック(Ref. PAM01164)も注目すべきゴールド製ダイバーズウォッチだ。「ゴールドテック」はパネライが独自に開発した金合金で、一定量の銅を含んでいるため赤みの濃い色合いになっている。また、プラチナを混ぜることで貴金属の酸化を防いでいるという。 

サブマーシブル・シリーズはパネライのカタログの中ではまだ新しく、2019年に独立したコレクションになったばかりだ。ルミノールとの類似性がないわけではないが、サブマーシブルならではのデザインエレメントもある。例えば逆回転防止ベゼルやドットインデックスであり、6時と12時位置のバーインデックスである。  

直径42mm「しか」ないサブマーシブル ゴールドテックは、パネライの中では平均的な大きさだ。ケースは典型的なクッション型で、ブランドの特徴である削り出しのリューズガードもゴールドだ。ロレックスやオメガとは異なり、パネライはサブマーシブル ゴールドテックに素材に合わせたゴールドのブレスレットを装備していない。代わりに黒いカウッチュー(ラバー)ストラップが付いている。  

ゴールドピースの内部にはパネライの自動巻きキャリバーP900が搭載され、3日間のパワーリザーブを実現している。このキャリバーはパネライ同様リシュモングループに属するムーブメントメーカー、ヴァルフルリエが製造している。チタン製の黒いケースバックで隠されているので見ることはできず、装飾はほとんど施されていない。 

2020年、パネライは予告なくムーブメントをダウングレードしたため、一部の業界メディアで否定的なセンセーションを巻き起こした。例えば、それまで搭載されていたストップセコンド機構がなくなったことで、秒単位で正確に時間を合わせることが難しくなってしまったのだ。 

パネライはこのモデルの価格を367万8400円としたが、Chrono24での市場価格は約350万円である。 

Italienisches Taucheruhrendesign in Gold: Panerai Submersible Goldtech 42 mm
イタリアンデザインのゴールド製ダイバーズウォッチ、パネライ サブマーシブル ゴールドテック 42 mm

ロレックス サブマリーナ デイト 126618LB

本稿でゴールドのサブマリーナを取り上げないわけにはいかないだろう。イエローゴールドで青文字盤のサブマリーナ デイト(Ref.126618LB)を詳しく見てみよう。 

サブマリーナ デイト 126618LB(LBはLunette Bleue青いベゼルの略)は2020年に発表された。同時発表のステンレススチール製と同様直径41mmで、先代のサブマリーナ デイト 116618LBよりちょうど1mm大きくなっている。また、ケースの大型化に伴い、ブレスレットのラグ幅も20mmから21mmに拡大された。サイズアップの数字はかなり控えめなものだが、数ミリの違いでも腕に乗せるとはっきりその違いが分かる。 

オメガ シーマスター 300のゴールドバージョン同様、サブマリーナ デイトのケースとブレスレットは18Kゴールドだ。青い文字盤に施されたサンバースト仕上げが一層の輝きを放っている。文字盤のデザインについては、サブマリーナ デイトでお馴染みのデザインだということ以外、多くを語る必要はないだろう。クロマライトのドットインデックスをイエローゴールドにセットし、日付とサイクロップレンズはやはり3時位置に配置されている。特徴的なメルセデス針はケースやブレスレットに合わせてイエローゴールド製だ。ブルーベゼルには、ロレックスがセラクロムと呼んでいるセラミックが使用されている。126618LBには人気の高いオイスターブレスレットが装着されており、このバージョンではポリッシュ仕上げのセンターリンクがついている。 

時計内部に搭載した自社製キャリバー3235はロレックスの他のキャリバーと同様にクロノメーター認定を受けている。また、ムーブメントには、磁場の影響を受けにくいニッケルリン合金製のクロナジー エスケープメントが採用されている。 

ロレックスのメーカー希望小売価格である450万2300円は、ゴールドのブレスレットを用意していないパネライ サブマーシブルと比較すると、なかなか控え目な価格設定だと言える。しかし、現在の市場状況で見ると、未使用の状態で700万円を下回ることはほとんどない。それでも2022年4月に比べると130万円ほど安くなっているのだ。ちなみにこのモデルには黒文字盤、黒ベゼルのRef.126618LN(Lunette Noire黒いベゼルの略)もある。 

The Rolex Submariner looks great in gold, either with a blue or black dial

ブルーやブラックの文字盤が華やかな、ゴールド製のロレックス サブマリーナ

チューダー ブラックベイ 18K グリーンの文字盤とアルミニウムベゼル

ロレックスの姉妹会社チューダーは今や約100年の歴史ある会社だ。長い間、王冠マークのロレックスに代わる安価な選択肢とされてきたが、この10年ほどの間に親会社の影から抜け出す大きな一歩を踏み出すことができた。その主な成功例のひとつが2011年に初めて発表されたダイバーズウォッチコレクションのブラックベイで、当時発表されたのはステンレススチール製の41mm径バージョンだった。ドットインデックス、ワインレッドのベゼル、スノーフレーク針など、1950年代のクラシックでシンプルなダイバーズウォッチのデザインは発売後すぐに幅広い層に受け入れられた。41mm径ブラックベイにカラーバリエーションがいくつか登場した後、2018年にはスリム化したチューダー ブラックベイ フィフティ-エイトがこれに続いた。サイズは39mmに小型化され、厚さも12mmと初代モデルより大幅にスリムになった。 

2020年、チューダーはブラックベイ フィフティ-エイト18KをRef.M79018V-0001として発表した。ブラックベイ フィフティ-エイト・シリーズのトップモデルで、18Kイエローゴールド製のケースを採用している。ロレックスのゴールド製サブマリーナには黒や青の文字盤カラーがあるが、チューダーはフィフティ-エイトにゴールドケースとの美しいコントラストを演出する深いグリーンを採用している。また、ベゼルインサートも同色だ。素材には今でも多くのダイバーズウォッチファンに選ばれるアルミニウムを採用している。 

チューダーは2015年からブラックベイ フィフティ-エイト・シリーズに自社製キャリバーを搭載している。ブラックベイ フィフティ-エイト 18Kの心臓部はクロノメーター認定を受けた自動巻きキャリバーMT5400で、70時間のパワーリザーブを備えている。 

オリジナルセットには金色のラインの入ったグリーンのファブリックストラップと、ダークブラウンのアリゲーターレザー製ストラップの2本が付属している。前者は時計にぴったりマッチし、きらびやかな外観ながらも、ある種ツールウォッチ的なキャラクターを備えている。 

このモデルのメーカー希望小売価格は204万9300円だが、Chrono24では180万円前後から入手できる。 

L'élégance en vert et or : la Tudor Black Bay Fifty-Eight 18K (réf. M79018V-0001)
ゴールドとグリーンのエレガンス。チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト 18K(Ref. M79018V-0001)

ブランパン フィフティ ファゾムス オートマティック

1735年に創業した高級時計メーカー、ブランパンは世界有数の老舗だ。ブランパンのダイバーズウォッチ、フィフティ ファゾムスのサクセスストーリーはロレックスのサブマリーナよりも早い1953年に発表されたところから始まった。フランス海軍のために開発されたこの時計の名前は、初代モデルの防水性能にちなんでいる。それは50尋(ひろ=ファゾム)という単位であり、91.44mの潜水深度に相当する。当時この数値は画期的なものだった。現在のフィフティ ファゾムスは300m(30気圧)の防水性を備えている。 

ブランパン フィフティ ファゾムスはこの数十年間で、ロレックス サブマリーナが水中で使用するプロ向きのツールウォッチからデスクダイバーのための高級時計になったのとよく似た発展を遂げた。ブランパンは約70年の歴史の中で数え切れないほどのバリエーションを発表し、フィフティ ファゾムス オートマティック(Ref. 5015A 3630 63B)もそのひとつだ。 

このモデルは直径45mmで、本稿でご紹介している時計の中でも圧倒的にサイズが大きい。18Kレッドゴールドのケースも厚み15.5mmという風格だ。対してロレックス サブマリーナは厚みが約12.5mmしかない。そのため、このモデルを堂々と着用するなら、がっしりした手首の持ち主が良いだろう。 

外観はブランパンが1960年代に製造したフィフティ ファゾムスの様々なバリエーションをベースにしている。しかし、当時はサイズがかなり小さかった。光沢のある黒文字盤には、レッドゴールドにセッティングされた台形のトラペーズインデックスが配され、3時、6時、9時、12時位置はアラビア数字になっている。スーパールミノバを塗布したダイビングスケールを備えたブラックセラミックの大型ベゼルは一際目を引く存在だ。 

フィフティ ファゾムス オートマティックはブランパンの自社製キャリバー1315を搭載し、120時間または5日間という驚くべきパワーリザーブを実現している。定番の時・分・秒の表示に加え、4時30分位置には日付表示がある。バンドはラバー裏地が付いたブラウンのレザーストラップだ。 

レッドゴールド製のフィフティ ファゾムス オートマティックの価格推移の状況は非常に順調だ。例えば、2020年10月には新品同様の状態で320万円程度だったが、2022年10月時点では360万円以上もの投資が必要になっている。 

The Blancpain Fifty Fathoms Automatique ref. 5015A 3630 63B – gigantic and gold
ビッグでゴールド。ブランパン フィフティ ファゾムス オートマティック Ref.5015A 3630 63B

メーカーの最新カタログに掲載されている中から、魅力的なゴールド製ダイバーズウォッチの恐らく上位に数えられるだろう5本をご紹介した。あなたならどのモデルを選ぶだろうか? 


記者紹介

Sebastian Swart

すでに数年前からChrono24のサイトを時計の買取と販売、そして時計について調べるのに使っていました。私は子どもの頃から時計に興味を持っており…

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