2023年09月18日
 6 分

用途や好みで用意したい時計の保管用アイテム

Jorg Weppelink
Rolex-Daytona-FP-Journe-Watch-Boxes-2-1

みなさんは時計をどのように保管しているだろうか?オリジナルのボックス?ナイトテーブルの引き出しの中?では、時計ボックスについてはどうだろうか?多くの愛好家たちがコレクションを保管するために購入するもので、時計をなくしたり傷つけたりすることなく保管する最適な方法だ。時計は高価なアイテムであり、きちんとした時計ボックスあるいはケースで保管したい。ではどんなものが保管に最適なのだろうか、また、どんなメリットがあるのだろうか?時計を保管する最善の方法について見ていこう。

時計ボックスとは?

ご察しのとおり、時計ボックスが唯一の方法ではない。時計ポーチ、ボックス、ケース、ロールケース、そしてもし自動巻時計を巻き上げておきたいなら、ワインディングマシーンも1つの手である。これらはすべて時計をへこみや傷から守るためのものだ。時計を保管するツールを使うことで、所定の場所で安全に自分のコレクション(あるいはその一部)を保管できるようになる。

時計ボックスの機能と目的

時計ケースには、ただ家で時計を保管する以外にもその用途はある。時計ボックスあるいはケースは、出張や休暇などの際もまた、時計の持ち運びに便利だ。たくさんの人々が時計を持って集まる時計イベントもあり、こういった場合にはウォッチロールやケースが最適である。しかし時計ケースは単に家で保管しておいたり、旅先に持っていったりするだけではない。

A Rolex Sea-Dweller with its box and papers.
ボックスと書類付きのロレックス シードゥエラー

時計のボックスやケースにはしばしばかなりの金額がつけられている。というのも、レザーや頑丈なキャンバス、ラッカー仕上げの木製、ベルベットなどの高級素材で作られているからだ。これらは時計本体と同じくらいに、高級時計の世界の一部となっている。時計のアクセサリーだけにフォーカスした別の業界さえ存在し、時計の収納・保管はその業界の重要な一部である。数多くの会社が時計ボックスやウォッチロールを製造している。ウルフ、ラポート、シャイノラ、タウベリー、そしてイノセンテなどがよく知られている。さらに、リモワなどの有名なブランドもまた、ウォッチロール、ポーチ、ボックスなどを発売している。時計の保管というテーマについては、すでに長らく、時計という趣味において重要な一部であり、選択肢が数多くある。

また、時計のボックスと書類の重要性についてはこちらの記事で以前に紹介している。

どんな種類の時計ボックスがあるのか?

では、時計の収納にはどんなものがあるのだろうか。目的別にさまざまである。

時計ボックス

時計ボックスはおそらく、さまざまな目的において役立つという点で、最も万能なものだろう。時計ボックスは1本、あるいは複数の時計を保管する最適な方法だ。そのうえ、移動時も持ち運びしやすい。また、ほとんどの時計ボックスは開けたり時計を取り出したりすることなく、中身を見ることができるよう透明窓がついている。

時計ポーチ

時計ボックスはかさばるのが気になるというなら、コンパクトなポーチタイプのものが持ち運びにぴったりだと言える。ポーチの場合、多くが時計を1本、あるいは2本収納するタイプで、バッグに入れて持ち運ぶのに最適である。デメリットは、時計ポーチは時計ボックスのように頑丈ではないということ。一方でメリットは、ポーチはレザー製や丈夫なキャンバス製のものが多く、見た目もよく、そして場所も取らないということだ。

ウォッチロール

ウォッチロールには、さまざまな種類がある。折りたたみ式のウォッチロールは、レザーまたはキャンバス製が多く、複数の時計を収納できる。これは1、2本の時計しか収納できないポーチでは足りず、もう少し時計を収納したい場合に非常に便利だ。それぞれの時計を別々のポケットに納めたら、ウォッチロールを畳む、あるいはくるくると丸め、ストラップやバックル、またはレザーストラップを結んで留める。このロールタイプの大きな利点は、旅行中にもそれほど荷物にならないということである。

もう少し頑丈なものを探しているなら、違うタイプのウォッチロールが良いかもしれない。このタイプは円筒形でレザー製のものが多い。1本、あるいは複数の時計を収納でき、それぞれの時計は独立したコンパートメントで、内部のクッションにしっかりと固定されロール内に「浮かんだ」状態で収納される。クッションをロールの側面に固定しているスナップボタンを外せば、クッションに時計が固定されたまま時計を取り外すことができる。こういったウォッチロールは多くの時計コレクターの間で非常に人気が高く、時計に何か起こるかもしれないと心配することなく、旅先にも時計を持っていくことができる理想的な方法である。

Your Travel Companion: The Practical Watch Roll
実用的な旅のお供:ウォッチロール

ウォッチケース

ウォッチケースは時計ボックスととても似ている。しかし、筆者としてはウォッチケースこそが時計の持ち運びに一番確かな手段だと言いたい。ウォッチケースは金属、あるいは有名なペリカンプロテクターケースに使われているコポリマーポリプロピレンなどの頑丈な素材で作られることが多い。高級感を出すために、これらの素材は時にレザーと組み合わされる。 筆者としては、ウォッチケースは移動用と考えているため、時計を安全に持ち運びできるよう、開閉システムがしっかりとしているものであるべきだと思っているが、個人的には中が確認できる透明窓は必要ないと思っている。

ワインディングマシーン

最後に紹介したいのは、ワインディングマシーンだ。これは時計ボックスに相当するものだが、自動巻き時計を収納している間に、内部に備えられた装置によって、ゆっくりとした回転が加えられ、時計のゼンマイを巻き続けてくれる。時計を再び身につける際に、時刻や日付を調整する必要がなくなるのだ。時計を保管する素晴らしい方法と言え、時計がワインディングマシーンの中で回転しているのは、非常に興味深い光景である。

Keep you watch running by using a watch winder for storage.
ワインディングマシーンを使えば、時計のぜんまいを巻き上げてくれる

カスタマイズ

すでに述べたように、時計の保管は時計そのものと同じくらいに、時計の世界の一部となっている。時計コレクションは、持ち主の個性とも言えるため、時計アクセサリーメーカーでは、レザーや糸の色、ロールまたはボックス内に収納できる時計の数、内部素材の色などに選択オプションを設け、ウォッチロールやボックスのカスタマイズを行っているところが多い。保管用アクセサリーへの名入れオプションもよくあり、多くのブランドがアクセサリー内外に名前を刺繍してくれる。これはコレクションを本人だけのものにしてくれる、素敵なサービスだ。

今回紹介したように時計の保管や持ち運びにはさまざまな選択肢がある。適切な手段を用いることで不必要なへこみや傷などから時計を守ることができる。そして、こういった保管・持ち運び用のアイテムもまたコレクションをよりパーソナライズしてくれるものであり、時計という趣味により一層の楽しいものにしてくれると言えるだろう。


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記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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