2022年10月21日
 8 分

見過ごされている2022年新作 トップ4 – ロレックス、パネライなど

Barbara Korp
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時計を見て「これはいつ発売されたのだろうか」と思ったことはないだろうか?新しいモデルはひっそりとリリースされることが時々あり、多くのモデルは全く注目を集めることなくいつの間にかコレクションに加えられている。そして、どこかで似たようなモデルを見たかのような印象を受けるのである。今回はまさにそのようなモデル、もっと具体的に言うと、世間の注目を集めることなく、宣伝にあまり予算もかけられなかった興味深い2022年新作時計にスポットライトを当てる。この記事を読んですでに知っているモデルを再発見し、さらに惚れ込むことになるとしたら幸いである。 

ロレックス エアキング

時計業界では長いことロレックス エアキングの新作が噂されていたが、これは最終的に非常にひっそりとリリースされた。大きな話題を呼んでいない理由は、待ち時間が非常に長く、展示品も多くないため単純になかなか目にできないこと、そして見た目が旧モデルと非常に似ていることにあるのかもしれない。しかし、この新作に加えられたわずかな外観上の変更は非常に成功している。ミニッツスケールの「5」が「05」に変更され、ミニッツスケールのすべての数字が2桁になった。針、12時位置の三角マーカー、および3時、6時、9時位置の数字にも夜光塗料が塗布され、それによって暗闇での視認性が大幅に向上。そして、リューズガードも新たに採用された。 

また、これまで搭載されていたキャリバー3131に換わって、最新世代の自社製ムーブメントであるキャリバー3230が採用された。このムーブメントは70時間のパワーリザーブ(それまでは48時間であった)と旧モデルよりも高い耐磁性能を備えている。防水性能は変わらず最大10気圧で、高精度クロノメーター認定取得済みだ。オイスターブレスレットにはオイスターロッククラスプが搭載され、セーフティキャッチによって過酷な条件においてもブレスレットが誤って開かないようになっている。 

ロレックス エアキングは非常にスタイリッシュに生まれ変わっており、さすがはロレックスと言わざるをえない。特徴的な数字とメルセデス針を備えたこのアイコンモデルの外観だけでなく、キャリバーも最新のものにプラッシュアップされたのだ。筆者はセーフティキャッチ付きオイスターロッククラスプがロレックス エアキングにも搭載されたことを特に素晴らしいと感じている。なぜなら、これはどれだけの労力と時間がこの開発に費やされたかを示しているからだ。ロレックスは開閉テストや落下テスト、多量の海水や塩素との接触によって品質を試験しているだけでなく、クラスプを閉じる際に金庫のロックがしっかりと閉まった時のような音がするように微調整も行っているのだ。この最高品質を生み出す緻密な仕事と細部へのこだわりによって、ロレックスは同社が最も人気の高い時計ブランドにふさわしいことを証明しているのである。 

Rolex Air-King ref. 126900
ロレックス エアキング Ref.126900

IWC マーク XX

IWCが今年マーク XXを発売した時、ほとんど誰も気づかなかった。それも当然で、この時計は一見旧モデルであるマーク XVIIIと瓜二つなのだ。両モデルの違いはよく見てみないと分からない。日付窓は再び白背景になり視認性が向上し、針は軽く光沢のあるロジウムメッキに変更された。さらに、数字は少々小さくなり、厚みが2mm薄い10.8mmとなったことで、時計はより上品な印象を与えるようになった。旧モデルと同じく、この時計はブルーまたはブラックの文字盤搭載で手に入れることができる。 

もちろんこれですべてではない。何と言っても、パイロット・ウォッチはIWCの看板モデルなのだ。マークコレクションの時計は日付表示付きの3針時計としていわば同ブランドの基本モデルであり、同時に最も根源的なモデルでもある。そのため、IWCはこのモデルの重要性を認め、精度が大幅に改善(日差-4~+6)された自社製キャリバー32111を採用した。このムーブメントのパワーリザーブは120時間で、防水性能は100m。ストラップの新しいクイックチェンジシステムは非常に便利で、ワンクリックでストラップを交換することができる。 

IWCが「XIX」を飛び越して「XX」で新時代の幕開けを告げたことは妥当な判断だったと思う。筆者にとってこのモデルは今年最も成功したリリースであった。定評のある部分はそのまま維持された。デザインは変わらずアイコニックで、ムーブメントは軟鉄製インナーケースによって磁場から保護されている。しかし同時に、この時計は自社製ムーブメントによって旧モデルとは大きく一線を画している。わずかに残念なのは、裏蓋に相変わらずステンレス製のスクリューバックが採用されているため、この新しいムーブメントの美しさを見れないことだ。しかし、完璧すぎてもつまらない。結局、マーク XXIに改善の余地も残しておかなければいけないのだ。次のモデルがどうなるか筆者はすでに心待ちにしている。 

IWC Mark XX
IWC マーク XX

パネライ サブマーシブル クアランタクアトロ ESteel

サステナビリティはますます重要なテーマとなっており、今回のリリースでパネライもこの課題に取り組んでいる。発売されたのはパネライ サブマーシブル クアランタクアトロ ESteelで、これは部品の52%にリサイクル素材が使用されている時計だ。この時計には2本のストラップが付属しており、1つはリサイクルPET布、もう1つはリサイクルラバーから作られている。ムーブメントは変わらず、パネライ サブマーシブル クアランタクアトロ ESteelの内部では3日間パワーリザーブを持つ自動巻きキャリバーP.900が時を刻んでいる。300m防水もそのままだ。44mmの直径とパネライの特徴であるリューズガードによって、見た目はかなり存在感がある。ダークブルー、オリーブグリーン、グレーの文字盤は、どれを選んだとしてもすべて明るいステンレスとの上品なコントラストを奏でている。 

この時計のサステナビリティに対する姿勢は素晴らしい。しかし、正直なところ、52%使用されているリサイクル素材は時計1本あたり72gにしか相当しない。これは少ないように思われるかもしれないが、必要とされる品質を実現するためにこれ以上割合を増やすことは現状ではできないのだ。それに、重要なのは環境に対するアプローチなのである。パネライはこの時計のために新しい素材を探し求めただけでなく、素材の循環にも取り組んだ。その結果、オリジナルと同じ特徴を持ち、耐食性などの素材の化学的特性もステンレスモデルと変わらない時計が誕生したのだ。海は人間の限度を超えた消費行動によって最も深刻な影響を受けているため、ダイバーズウォッチはサステナビリティを訴えかけるのにまさにうってつけのアイテムであると言える。この取り組みが今後他社にも広がることを期待している。そうすれば、次の世代の人々もパネライ サブマーシブル クアランタクアトロ ESteelを身に着けて美しい海でダイビングすることができるだろう。 

Panerai Submersible QuarantaQuattro ESteel™
パネライ サブマーシブル クアランタクアトロ ESteel

オリス プロパイロットX キャリバー400

オリスはスイス時計業界における低価格帯のブランドだ。オリスのコレクションには本当にあらゆるタイプの時計が含まれており、パイロットウォッチのコレクションもラインアップされている。これらはすべて見た目にも技術的にもコックピットにふさわしいものだ。そして今年、オリスは同社のコレクションにプロパイロットX キャリバー400を追加した。この時計はグレーやブルーだけでなく、ピンクの文字盤も用意されており、39mmの直径によって細い手首にもよく似合う。また、ケースとブレスレットはチタン製であるため、重量も非常に軽い。チタンはステンレスのように安定しているが、断然軽い素材だ。搭載されている自社製キャリバー400はサファイアクリスタルケースバックを通して眺めることができる。パワーリザーブは5日間で、週末に巻き上げる必要はない。このムーブメントには多くの耐磁部品が使用されているため、優れた耐磁性能も備えている。 

Oris ProPilot X Calibre 400
オリス プロパイロットX キャリバー400

オリスはこのキャリバーに非常に自信を持っているようだ。プロパイロットX キャリバー400には10年保証が付けられており、オーバーホールは10年に1度しか必要ない。精度は日差-3~+5で、クロノメーター認定を受けていてもいいのだが、取得は(まだ)していないようだ。また、オリスが細部に対して徹底的なこだわりを持っていることは、クラスプに見て取ることができる。特許を取得しているオープンレバーによって、クラスプは飛行機のシートベルトに付けられているバックルのように機能する。この新作はオリスのコレクションをもっとよくチェックする必要があり、今後も素晴らしい時計が期待できるということを私たちに見せつけている。  


記者紹介

Barbara Korp

時計が単なるアクセサリー以上のものであることを発見した時、私はすっかり時計にハマってしまいました。時計技術の美しさに心を奪われてしまったのです。それと同時に、ほとんどのモデルが私の手首には大きすぎることに失望を感じました。しかし、諦めるという選択肢はなく、その結果、小さなケース径を持つ時計に対する関心が発展することになりました。

記者紹介

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