2022年06月17日
 9 分

過小評価されている時計 トップ4

Jorg Weppelink
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自分の時計に対する愛を、決まり切った枠の外へ一歩踏み出してみる気はないだろうか。皆きっと、最も人気のあるロレックスモデルについて知っているはずだ。あなたのお気に入りがデイトナであれ、サブマリーナであれ、GMTマスターであれ、ほとんど全ての時計ファンがこれらのモデルについて何らかのことを知っている。ほとんどの人はまた、ジェラルド・ジェンタが手がけた最もアイコニックなモダンラグスポウォッチである、オーデマ・ピゲ ロイヤルオークパテック フィリップ ノーチラスについても聞いたことがあるだろう。

だがあなたには、あまり知られていないお気に入り時計モデルのリストはあるだろうか。著者は以前、過小評価されている時計ブランドについての記事を書いた。今回はもう一歩踏み込んで、もっと注目されるべき特定のモデルを取り上げたい。経験豊富な時計ファンはおそらくすでにこれらのモデルについてご存知だろうが、多くの時計愛好家たちはこれらの隠れた名品に気付いていないかもしれない。では、私たちが過小評価されていると感じる4つの時計を見ていこう。

1. ジン 103

それでは、過小評価されている時計ブランドについての以前の記事でも取り上げたブランドからの時計で、このリストをスタートしよう。ドイツ・フランクフルト発祥のジンは豊かな歴史を持ち、それに裏打ちされるアイコニックなモデルを多く生み出してきた。私に言わせれば、いまだに製造されている最高のジンの定番モデルはジン 103だ。この象徴的なパイロットクロノグラフの歴史は、1960年代、偉大なるクロノグラフの10年にまでさかのぼる。

ジン 103は1966年に初めてリリースされた。1960年代後半から70年代、ジンはこの時計の見事なバージョンを多数発表した。逆パンダダイヤルや伝説のバルジュー72やバルジュー726ムーブメントを持つモデルなどは、この時代の最高のクロノグラフの一部である。1988年、ジンはジン 103の第3世代を発表し、これが現行モデルの基礎となった。

現行のジン 103コレクションは複数の異なるモデルから成り、それにはスタンダードなステンレススチール製のものやチタン製のエディションが含まれる。また一連のコンプリケーション付きモデルもあるが、やはり1960年代クラシックの魅力をいまだに感じさせるのは、ステンレススチールの103 Stと103 St Saである。レザーストラップまたはファブリックストラップを付けると、この2本はまさしく60年代のクラシックのように見える。素晴らしいことに、この時計はストラップかブレスレットから選択して、27万円前後で購入できるのである。しかしもし真に魅力的なものが欲しいのなら、1960年代からのアンティークバージョンを探すことをお勧めする。確かに、100万円〜130万円ほどとずっと高額ではあるが、これは驚異的な時計なのだ。

ジン 103:最も過小評価されているクロノグラフの一つ

2. ジラール・ペルゴ ロレアート

ジラール・ペルゴ ロレアートについて聞いたことがあるだろうか?ほとんどの時計ファンはオーデマ・ピゲ ロイヤルオークとパテック フィリップ ノーチラスこそが現在時計業界で最人気商品だということを知っているが、この2つだけが現在もいまだ続く1970年代からのラグスポ時計というわけではないのだ。私たちはすでに、現行のヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズの着想の基となった時計、ヴァシュロン・コンスタンタン 222の輝かしい復活を最近のWatches & Wondersで目撃した。そして、同時代からのもう一つのクラシックがジラール・ペルゴ ロレアートなのだ。この時計は1975年に初めてコンビのクォーツ式スポーツウォッチとしてリリースされた。このタイムピースは、1967年公開の映画『卒業』のイタリア語版である『Il Laureato』から、その名を得た。

リリース当時、ジラール・ペルゴ ロレアートは最初のモダンなスポーツウォッチの一つであった。まだパテック フィリップ ノーチラスもIWC インヂュニアもリリースされていない頃である。この時計は多くのファンを驚かせ、相当なヒット作となった。ロレアートの現行バージョンはオリジナル版よりもずっとモダンだが、いまだに同じ特徴的なベゼルの形を保っている。42mm径のこの時計はクルー・ド・パリ(ホブネイルパターン)装飾を施された文字盤と、独特の一体型ブレスレットを持つ。内部には自社製キャリバーを搭載。定価わずか175万円強と、ロイヤルオークやノーチラスに全財産を投げ打つ気のない人にはぴったりの時計である。もし興味があるなら、見事なブラックオニキスダイヤルを持つ素晴らしいインフィニティエディションをチェックしてみて欲しい。価格は200万円ほどであり、まさに真の隠れた名作である。ジラール・ペルゴ ロレアートは確かにあまり注目されていないかもしれないが、優れたデザイン、優れたムーブメント、そしてより多くの人々に知られるべき豊かな歴史を持っている。何よりも最高なのは、実際に法外な金額を支払わずに購入できるということである。

ジラール・ペルゴ ロレアート:ノーチラスとロイヤルオークのより優れた、より手頃な代替モデルかも?

3. オメガ シーマスター アクアテラ

本当にあまり知られていないオメガの時計というものは、そうそうない。このブランドはあまりにも人気で、非常に多くの人が同社による多数の時計について知っている。ほとんどのファンが、伝説のオメガ スピードマスター ムーンウォッチと、ジェームズ・ボンドのお気に入りチョイスであるシーマスター ダイバーのためにこのブランドを知っているだろう。しかし、このブランドのコレクションが誇る最高のデイリーユース時計にして最も万能なタイムピースといえば、ほぼ間違いなくオメガ シーマスター アクアテラである。この時計は実際にはシーマスターファミリーに属しており、正式な名前であるシーマスター アクアテラは若干紛らわしいかもしれない。しかしオメガのコレクションをよく見れば、アクアテラはダイビング用時計としてよりもむしろヨット用時計として売り込まれていることがすぐにわかるはずだ。どちらにしても、この時計はさまざまな場面にフィットするため、まさに完璧なデイリーユース時計である。このモデルは2002年に初めてリリースされ、すぐにシーマスターファミリーの素晴らしい新入りメンバーとしての地位を築き上げた。現行のアクアテラは、オメガコレクションにおける一種の密かな名作のような存在になっている。複数の異なるサイズで提供されているが、最も人気があるのは41mm径と38mm径のバージョンだ。文字盤カラーもさまざまなバリエーションがそろっており、それぞれがヨットのウッドデッキを連想させるストライプ模様を特徴としている。ケース内部に搭載されたオメガの素晴らしいキャリバー8900は、METAS認定済みのムーブメントで、最大15,000ガウスまでの磁力に耐え得る。着け心地最高のブレスレット、あるいは上品なレザーストラップという選択肢も備えたこのタイムピースは、ロレックス エクスプローラーやオイスター パーペチュアルのような時計を求める人にとってぴったりだ。

オメガ シーマスター アクアテラ:市場に出回る中でも有数の万能性を誇る時計

4. グランドセイコー SBGJ237

グランドセイコーはいつでも良いチョイスであり、それはSBGJ237も同じである。このブランドでは、一分の隙もない技術、素晴らしい正確さ、粋を極めた仕上げ、1960年代初頭にルーツを持つアイコニックなデザイン、そして業界屈指の壮麗さを誇る文字盤を組み合わせた、驚異的なタイムピースを作っている。それぞれのグランドセイコーの時計を作るために注ぎ込まれる職人技のレベルは本当に感動的で、その価格を見てみれば、同ブランドが業界でも有数のコストパフォーマンスを持つ時計を提供していることは否定できない。グランドセイコーのストーリーは、だんだんとたくさんの人に知られるようになってきている。以前はグランドセイコーは玄人向けのブランドだったが、ますます多くの人がこの時計メーカーがなぜこんなにも特別なのか、理解するようになってきている。

グランドセイコー SBGJ237はこのブランドが作る時計の品質を示す素晴らしい例だ。これはGMT付きのスポーツモデルであり、人気のロレックス GMTマスターの直接のライバルとなるものだ。SBGJ237のケースサイズは44.2mmであり、かなり大型のように聞こえるが、一旦手首に装着してみればそこまで大きく感じられない。ステンレススチール製のケース内部には、グランドセイコーの優れたハイビートキャリバー9S86を搭載されている。この自動巻ムーブメントは毎時36,000回という高い振動数で、そのために秒針はほとんど流れるように動く。ハイビートムーブメントが動いているのを見るのは、本当にうっとりとするものだ。加えてこの時計は、完璧に仕上げられたアワーマーカーがあしらわれた、ダークブルーの文字盤を持っている。ブルー&ホワイトの24時間GMTベゼルはサファイアクリスタルでできており、セイコー独自の蛍光塗料ルミブライトが施されている。この時計は暗闇でも素晴らしく光る。GMT針は独立して調整可能で、同時に3つのタイムゾーンの時間までを表示することができるためにトラベルウォッチに最適だ。またステンレススチールのブレスレット以外にも、レザーストラップの付いたダークグリーンの文字盤のバージョンもある。定価はブルーバージョンが79万2000円、グリーンバージョンが77万円となっており、パーフェクトなトラベルウォッチが欲しいけれどもロレックス GMTマスターは欲しくないという人にとっては、最適な代替モデルである。

グランドセイコー SBGJ237:完全に過小評価されたGMT時計

というわけで、過小評価されている、あるいはそれぞれのブランド内でも最人気のモデルではない、優れた4つの時計をご紹介した。これは言うまでもなく、大多数の人にはあまり知られていない時計のほんのわずかなセレクションにすぎない。他にもたくさんの時計ワールドにおける隠れた名作を紹介する記事を書いていくつもりなので、ご心配なく。みなさんは、他の過小評価されている時計にも興味はあるだろうか?


記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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