2022年06月09日
 4 分

オーデマ・ピゲ:ロイヤルオークモデルと長い歴史

Thomas Hendricks
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オーデマ・ピゲは業界内でも有数の高い評判を誇る時計メーカーであり、1875年以来ずっと、創業者の家族によって経営されている。APはジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲが共同で立ち上げたブランドだ。2人はスイスはジュウ渓谷のル・ブラッシュという村に店舗を構えた。オーデマ・ピゲの製造拠点は、今日でもいまだにその歴史的な工房から通りを下ったすぐの場所にある。 

19世紀後半、オーデマ・ピゲは自社で丁寧に、全てのパーツを製造し、それぞれのタイムピースを組み立てていた。手工業に対するこの専心のために、このブランドは極めて複雑で、しばしば技術的に感動的な懐中時計及び腕時計を製造することができたのである。APは世界初のミニッツリピーター付き腕時計を1892年に開発し、後にその特許権をオメガに売却している。7年後、ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲは永久カレンダー、ミニッツリピーター、スプリットセコンド・クロノグラフなどが盛り込まれたグランド・コンプリケーション懐中時計を作り上げ、もうひとつの節目を達成した。 

このブランドは1900年代を通じて、その懐中時計の持つ機能を小型化する専門技術を生かし、腕時計の限界を押し広げた。彼らは1920年に世界最小のミニッツリピーターを発表し、それからも常に超薄型で複雑なドレスウォッチを作り続けた。これらの多くは、その並外れた品質と希少性のためにコレクターたちの間で非常に人気が高い。 

なぜオーデマ・ピゲ ロイヤルオークはこんなにも人気が高いのか?

Die Audemars Piguet Royal Oak: eine Ikone der Uhrenwelt
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク:史上最もアイコニックな時計のひとつ

1960年代後半に売上が伸び悩むようになると、APの最高経営責任者であるジョルジュ・ゴレイは、同社の魅力的な新しい腕時計のデザイン設計者にイタリア系スイス人デザイナーのジェラルド・ジェンタを指名する。1972年、オーデマ・ピゲは、スチール製でありながらゴールドの価格で販売された相矛盾するスポーツウォッチ、ロイヤルオークをお披露目した。手作業で仕上げられたケースとブレスレットを持つロイヤルオークは、APの最も有名なモデルとしての地位を固め、それから50年もの間製造され続けている。1993年、ブランドは新しい時計コレクションを発表する。常に進化するべく生み出された、マキシマリストなプラットフォームであるロイヤルオーク オフショアである。このラインは、多種多様な素材とコンプリケーションを用いた、無数の限定版を生み出すこととなった。高い品質と下がることのない価値は言うまでもなく、そのアイコニックなデザインによって、オーデマ・ピゲ ロイヤルオークは史上最高の人気を誇る時計のひとつとなっている。  

ロイヤルオークは150種類近くの異なるモデルをベースコレクションにそろえ、間違いなくAPのカタログの中核をとなっている。オフショアとロイヤルオークコンセプトラインはカタログをさらに拡大させている。そのほかのラインには、美しい装飾の施されたミレネリー、歴史的な情報に基づいて作られたリマスター01、そして確かに議論を呼ぶCODE 11.59などがある。 

現在、オーデマ・ピゲは自社タイムピースを自社の実店舗のみで販売しており、同ブランドのモダンなアイコンには非常に長い入荷待ちリストがあることが予測できるはずだ。スタンダードなロイヤルオークモデルの定価はおよそ300万円だが、二次流通市場の価格はその3〜4倍、ましてや5倍にさえも膨らんでいる。  

研究開発に膨大な投資をするジュウ渓谷のこの素晴らしい時計メーカーは、新しい複雑機構と驚くようなタイムピースを飽くことなく作り続ける。APのカタログには手作業で鍛造したゴールドから、傷の付きにくいモノトーンのセラミック、そして華麗な宝石があしらわれたものまで、さまざまな素材がそろっている。 

Großartige Handwerkskunst und wertvolle Materialien sind nur zwei der Gründe, warum AP so erfolgreich ist.
高品質の職人技と貴金属はオーデマ・ピゲの成功の2つの理由である。

オーデマ・ピゲのオーナーとは?

オーデマ・ピゲは世界最古の家族経営による高級時計ブランドであり、史上有数の見事なスイスの時計作りを表現している。同ブランドは確かに、いわゆる “雲上御三家” 時計メーカーとしての、頂点の地位にふさわしい。ロイヤルオークのアイコニックなデザインはコミュニティ全体で高い尊敬を得ており、遠くからでも一目見てそれとわかる数少ない時計のひとつなのである。      


記者紹介

Thomas Hendricks

私はもともと時計を見て育ったわけではありません。しかし、大学を卒業してから数年後、私はオンラインポータル「Watchonista」でライター兼マーケターとして就職。同僚は私に向かって冗談半分で「誰も後戻りできない時計の世界へようこそ!」と言いました。現在はChrono24でプライベートクライアントアドバイザーとして、人生の大事な節目に完璧な時計を探す人々のお手伝いをしています。

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