数年前まで時計のトレンドは大型化で、あまり大きくない手首に似合う時計の選択肢は限られていた。しかし、最近ではますます多くのメーカーが小型サイズの新作を発表しており、さらには定番モデルもさまざまなサイズで提供している。この記事ではスポーティーからエレガントなモデルに至るまで、スリムな手首に最高に似合う時計を7本ご紹介する。
時計 #1 ゼニス エル・プリメロ 38mm
このゼニスの時計は時計製造の歴史に名を残す1本。2000年までロレックス デイトナに搭載されていたゼニス製ムーブメント「エル・プリメロ」が時計の内部で時を刻んでいるだけではなく、この時計自身もクロノグラフにおける不朽の名作なのである。
この伝説的時計には2種類のサイズが用意されており、スリムな手首におすすめなのは38mmのモデル。38mmモデルでは日付表示が6時ではなく4時位置に配置されているのだが、この3色の積算計を持つ特徴的な文字盤デザインを見てエル・プリメロだと分からない時計愛好家はいないだろう。
また、エル・プリメロには100mの防水性があるため、水泳の際にも心配することなく身に着けられる。クロノグラフ機能と日付表示も兼ね備え、まさにオールラウンダーと言うに相応しい時計だ。
自社製ムーブメントを搭載するエル・プリメロにはレザーストラップとメタルブレスが用意されており、そのカタログ価格は92万4000円から、中古価格は約62万円から見つけることができる。
時計 #2 チューダー ブラックベイ フィフティ–エイト
2年ほど前に発表されて以来、チューダーのブラックベイ フィフティ-エイトは同ブランドで最も人気の高いモデルの1つとなっている。それもそのはず、フィフティ–エイトは時計業界がずっと待ち焦がれていた時計なのだから。
フィフティ–エイトはチューダーの非常に高級で堅実な仕上げと、1960年代の特徴的なダイバーズウォッチデザインの両方を兼ね備えた時計。
つまり、フィフティ–エイトは現代のダイバーズウォッチよりもコンパクトでスリムに保たれており、ケース径は39mm、厚みは約11mm、ラグからラグまでの長さは47mmとなっている。
ベゼル上のピンクゴールドのアクセントと「スノーフレーク」針を組み合わせたマットブラックのアルミ製ベゼルと文字盤は、フィフティ–エイトを極めて個性的な時計に仕立て上げており、時計内部では自社製キャリバーMT5402が時を刻んでいる。このモデルはダイバーズウォッチファン必携の1本だろう。
チューダーはこの時計にメタルバンド、NATOストラップ、またはレザーストラップを組み合わせており、中古品の価格は約43万円から始まる。
2020年7月、ブラックベイ フィフティ–エイトにピンクゴールドのアクセントを持たないブルーのモデルが追加された。少々カラフルな時計をお探しであれば、ブラックベイ フィフティ–エイト ネイビーブルーをチェックすることをおすすめしたい。
時計 #3 オメガ シーマスター アクアテラ 38mm
オメガはロレックスと同等の品質を持ちながらもより手頃で、とりわけ入手のしやすさで優れている。アクアテラは一般的にデイトジャストに対するもう1つの選択肢として知られているが、このモデルには個別にスポットライトを当てるべきだろう。
高級ヨットのデッキを連想させる文字盤のチークパターン、オメガ シーマスターシリーズに似合う背面の波模様 (アクアテラも同シリーズの1つ) など、この38mmのモデルにはアクアテラで知られているすべての特徴が備わっている。アクアテラにはオメガ自社製キャリバー8800が搭載されており、このキャリバーは超高精度であるだけではなく、実用上磁気の影響を全く受けない耐磁性能も兼ね備えている。さらに、アクアテラは150mmの防水性能を持っているため、水泳の際に着用することも可能だ。
これらすべて、文字盤の個々のディテールから、ケース、ポリッシュ仕上げされたミドルリンク付きブレスまで、完璧な品質で仕上げられている。
38mmのアクアテラの中古価格は約55万円となっている。
時計 #4 ロレックス デイトジャスト 36mm
ロレックスを話題に出して、デイトジャストに触れないわけにはいかない。そして、デイトジャスト36はロレックスで最も伝統豊かな時計の1つでもある。
この時計によって手に入れることができるのは904Lスチール製ケースの完璧な仕上げ、ブレスレットなどの個々の部品、ソレイユ仕上げが施された文字盤、手作業で取り付けられたダイヤモンド製のインデックス、および3時位置の日付表示だけではなく、とりわけロレックスのブランド、そしてそれに付随する名声とイメージなのである。
他のロレックスと同じくこの時計にも堅固なムーブメントが搭載されている。キャリバー3235はすべてロレックスによって自社製造されており、その堅牢性と耐久性で知られている。
ロレックス36で特に論争となるのは、現代の男性用時計としては小さ過ぎるのではないか、という点だ。しかし大きさに関して言えば、実際に手首に着けてみると、41mmモデルでは大きすぎる印象を与える小さめの手首に完璧にマッチする。
文字盤、ベゼル、ブレスレット、または製造年に応じて、このロレックス デイトジャストは約93万円から手に入れることができる。
時計 #5 ノモス タンジェント Ref.139 (35mm)
ノモス タンジェントはノモスのバウハウス哲学の代名詞であり、このドイツ時計の中心地であるグラスヒュッテのメーカーが1990年に初めて発表した時計の1つでもあった。このモデルはシンプルで考え抜かれたデザインに重きを置く時計ファンにぴったりの1本である。
ケースの直径は35mmで厚みはわずか6.2mm。明確なデザインを持つ文字盤の6時位置にはスモールセコンドが付けられており、コーンフラワーブルーの針との組み合わせによってタイムレスで上品な時計が生み出されている。
そして、スリムなベゼルとサファイアクリスタルがこの時計の外観を完璧に仕立て上げている。
タンジェントの内部で時を刻んでいるのは自社製キャリバー「アルファ」。タンジェントの価格帯を考えれば、自社製ムーブメントの搭載は非常に特別なことであり、それだからこそ余計に魅力を感じる。
このグラスヒュッテ製ドレスウォッチの中古品は約18万円から見つけることができる。
時計 #6 IWC パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア 39mm
パイロットウォッチと伝統に興味がある方であれば、おそらくIWC パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイアをすでにご存じだろう。この時計のデザインは、IWCが1948年にロイヤルエアフォースのために製造したマーク11に非常に似ている。
通常、パイロットウォッチのケースは非常に大型である。つまり、それはスリムな手首を持つ人々が、しばしばこの特別でユニークなシリーズを諦めなければいけないということでもある。しかし、このスピットファイアを除いては。
この時計のケース径は39mm、厚みは10.6mmで、パイロットウォッチとして比較的小型であるだけではなく、薄型でもある。
3時位置に日付表示を備えた小さな文字盤はシンプルで非常に見やすい。文字盤の個々の部品の仕上げは細部に至るまで非常に高い完成度を持っており、IWCファンは「9」の文字が文字盤に見られることにも喜んでいる。というのも、「9」はオリジナルのマーク11にはあったものの、前モデルのマーク16とマーク18にはなかったのだ。
また、NATOストラップの内側には革が張られており、非常に快適な着け心地が提供されている。
IWC パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイアは約50万円から手に入れることができる。
時計 #7 ロレックス デイトナ プラチナ 40mm
このリスト最後の時計は有名で名高く、世界で最も人気の高い時計と言っても過言ではない。
ロレックス デイトナは2016年にアップデートされ、ステンレスベゼルがセラミックベゼルに置き換えられた。
セラミックベゼルは文字盤を取り囲み、それによって時計を全体的に小さく見せている。このモデルは40mmのケース径を持つ唯一のロレックス スポーツ ステンレスモデルとして、小さな手首にも素晴らしく似合う。
デイトナは機械式時計の歴史に名を刻むレーシングウォッチとして見なされており、現行モデルではもちろんすべてロレックスによって開発されたムーブメントが搭載されている。他のロレックスと同様に、このデイトナも仕上げとデザインに関してはほぼ完璧であり、同時にロレックスで最も名高いモデルでもある。
このモデルはすべてプラチナから作られており、最も重いだけではなく、その価格は約870万円と、この記事でご紹介した時計の中で最も高価な時計でもある。
この特別な時計を購入するのに十分な資金を持ち合わせているのであれば、小さな手首に似合い、さらに真のステータスシンボルでもある最高のロレックスモデルを手に入れることができるだろう。