2017年04月24日
 5 分

パテック フィリップ vs ヴァシュロン・コンスタンタン vs A.ランゲ&ゾーネ

Chrono24
パテック フィリップ vs ヴァシュロン・コンスタンタン vs A.ランゲ&ゾーネ

パテック フィリップ vs ヴァシュロン・コンスタンタン vs A.ランゲ&ゾーネ

最近のダイバーズウォッチの記事に続いて、今回はタイムレスなデザインとスモールセコンドを備えた3つのクラシック時計を比較してみたい。これらもまた、それぞれユニークな歴史を持ちながら、どれも有名かつ時計業界で高い評価を得ているブランドである。3つの時計は非常によく似ているものの、自分に一番合った時計はどれなのかという問いに答えるのは難しいこともある。結局、大抵のところは個人的な好みによるのだろう。

A.ランゲ&ゾーネ 1815

A.ランゲ&ゾーネ 1815 – Chrono24で商品を見る
A.ランゲ&ゾーネ 1815

A.ランゲ&ゾーネの創業は1845年まで遡るが、その時計作りの歴史にはギャップがある。100周年の少し後、1948年に同社は接収されてしまったのだ。創設者のひ孫であるヴァルター・ランゲが他の会社 (主にIWCシャフハウゼン) のサポートを得て同社を再興できたのは、ようやく1990年になってからだった。それから数年後の1994年、アイコニックなランゲ1と非常に精密なトゥールビヨン時計を含む、新モデル4つを発表した。今日私たちが知る1815は、もっと後になってから登場することになる。

ランゲ1815はすっきりとしたクラシックな外見で、見間違えようのないA.ランゲ&ゾーネのデザインの時計である。シャープなラインのケース、先が細くなり小さく面取りされたラグ、直径38.5mm、厚さ8.8mmのケースが特徴だ。今回比較する他の時計はバーインデックスを採用しているのに対して、このグラスヒュッテのエレガントな時計はアラビア数字を採用している。分目盛りは文字盤の外の端に刻まれ、文字盤の内側にはわずかな段差の凹みとさらにスモールセコンドの凹みが加わり、文字盤に立体感とコントラストを与えている。

A. ランゲ&ゾーネ1815のムーブメント
A. ランゲ&ゾーネ1815のムーブメント

典型的な3/4プレート付きの見事な手巻きムーブメントを、ケース裏のサファイアガラス越しに眺めることができる。美しいグラスヒュッテのストライプと、テンプを支えるブリッジに施された手彫りのデザインにぜひ注目したい。この自社製キャリバーL051.1は、完全に巻かれた状態で55時間のパワーリザーブを誇る。

ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー スモールセコンド

Vacheron Constantin Patrimony
Vacheron Constantin Patrimony, Image: Vacheron Constantin

ヴァシュロン・コンスタンタンはこの記事で取り上げる他のブランドよりもおよそ1世紀近く前に創設された。1755年、ジャン=マルク・ヴァシュロンはジュネーヴの独立時計技師として会社を創業し、その後、長年の間この家族経営の会社は代々引き継がれてきた。会社が国外へも徐々に拡大していくにつれ提携者なしには経営を継続していけないと気づいた同社は、1819年にフランソワ・コンスタンタンを共同経営者として迎え入れ、ヴァシュロン・コンスタンタンとして継続していくことになる。

同社は最も長い歴史を誇るものの、そのパトリモニーラインは21世紀になるまで日の目を見なかった。このシリーズはその1950年代のモデルから影響を受け、「完璧な円、一切の無駄を省いた美しさ、そして調和のとれたプロポーション」を持つ。ケースサイズ42 x 7.65mmパトリモニー スモールセコンドは、この比較リストの中で最も大きく、かつ最も薄い時計である。長く繊細なアワーマーカーと秒を示すドットが文字盤の周囲を交互に飾り、文字盤上の段差を付けたスモールセコンド表示が奥行きを追加している。

Vacheron Constantin Patrimony Movement
ヴァシュロン・コンスタンタン パトリモニー ムーブメント

自社製の手巻き4400ASムーブメントを搭載したこの時計は、最大65時間のパワーリザーブを誇る。時計の生産地と生産技術の品質を保証するジュネーブシール付きのこのムーブメントは、当然ながら素晴らしい仕上がりだ。

パテック フィリップ カラトラバ 5196

Patek Philippe Calatrava 5196
Patek Philippe Calatrava 5196 – View offers on Chrono24

パテック フィリップが最初のカラトラバをリリースしたのは1932年である。この時計は機能と芸術を一体化させるという新しいデザインアプローチをもたらした、バウハウスのミニマリスト主義から大いに影響を受けている。このデザインアプローチによってバウハウスは有名になり、現代のデザイン、建築、芸術における最も影響力のある運動のひとつとなった。

パテック フィリップは長年にわたり、カラトラバコレクションにいくつか変更を加えてきた。51962004年に発表され、多くの人々が、これこそが初代カラトラバの継承機であると考えている。新しいカラトラバ 5196には現代向けに変更がなされているものの、横に並べて見比べると、最初のモデルに実によく似たデザインとスタイルを持っていることがわかる。初代のカラトラバ 96の直径がわずか31mmであるのに対して、カラトラバ 5196はかなり大きい37mmとなっているが、8mmの厚みのおかげでそれでも控えめで腕に程よくおさまる。文字盤にはドーフィン針、アワーマーカー、そしてオリジナルモデルよりも小さくなったスモールセコンド表示が備わり、この時計のようにタイムレスなクラシック時計ならではの手巻きムーブメントが搭載されている。ムーブメントは215PSで、44時間のパワーリザーブを誇る。ケースの裏は閉まっているため、残念ながらムーブメントが動く様子を見ることはできない。

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