2023年02月08日
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ロレックスとオメガに期待する2023年新作時計

Donato Emilio Andrioli
Rolex-Submariner-2-1

2023年に何が時計ファンを待ち受けているのかについては、正直誰も答えることはできない。しかし、2023年にロレックスとオメガがどのような時計を発表するのかについて、筆者が個人的に何を期待しているかは言うことができる。ゴールドのアイコンモデル、評価が大きく分かれる時計、今までに見たことのない全くの新しい時計。読者の皆様は、2023年にどのような新作時計を期待しているのだろうか?

1:ゴールドのロレックス サブマリーナ

筆者は時計のコレクションを始めて以来、ロレックス サブマリーナ “ノンデイト” のゴールドモデルがないことをずっと不思議に思ってきた。現在まで、ゴールド製のブレスレットはこの伝説的ダイバーズウォッチのデイトモデルにしか採用されていない。なぜなのだろうか?「ノンデイト」モデルはファンの間で唯一の本物のロレックス サブマリーナであると見なされている。それならば、ゴールド製のモデルがとっくに登場していてもよいのではないだろうか?筆者の個人的な理想はブラック文字盤を搭載したエバーローズゴールドモデルであるが、この仕様のモデルが登場する可能性はおそらくないだろう。というのも、ロレックスはサブマリーナとGMTマスター IIという2つのアイコンモデルに外観上の区別をつけるためにあらゆる手を尽くしており、エバーローズゴールドはすでにGMTマスター IIに使用されているからである。しかし、ロレックス ヨットマスターにもエバーローズゴールドモデルが追加されたことを考えると、わずかだがまだ望みはあるように思える。使われる素材がイエローゴールドかエバーローズゴールドか、文字盤の色がブラックやグリーンかに関係なく、2023年にゴールド製のロレックス サブマリーナがリリースされることを筆者は期待している。読者の皆様も、筆者と同じ様に期待に胸を膨らましているだろうか?

伝説的ダイバーズウォッチの貴金属製モデルは、現在までデイトモデルでしか展開されていない。

2:オメガ X スウォッチ ムーンスウォッチコレクションの新作

反対意見もあるかもしれないが、プラスチック製のオメガ X スウォッチ ムーンスウォッチは昨年、今まで世界中のどの高級時計も成し得なかったことを成し遂げた。ムーンスウォッチは、時計を幅広い層の人々にとってより身近で手にしやすいものにしたのだ。このスピードマスターデザインのスウォッチは、ジェンタがデザインした70年代スタイルの時計を何度もリバイバルするよりも新鮮で刺激的でもあった。筆者は、スウォッチがこれほどの成功を収めた後に第二弾を発表しないとは思えない。しかし、第二弾はどのようなものになるのだろうか?オメガ X スウォッチ ムーンスウォッチはすでに太陽系のすべての惑星を網羅している。別の太陽系という可能性はあるだろうか?だとしたら、ポップなオメガ X スウォッチ ムーンスウォッチにとっても少々大胆すぎる試みとなるだろう。それに対して、宇宙飛行の偉大な瞬間に捧げられた新作コレクションというのは大いに有り得ると思うし、そのためのモチーフはいくらでもある。「宇宙を旅した初のムーンスウォッチ」はすべての宇宙ファンの関心を集め、スヌーピームーンスウォッチがリリースされた暁にはスウォッチストアに昨年よりもさらに長い待ち行列ができることは間違いないだろう。または今年、スウォッチがオメガ シーマスターに似たコレクションを作るというのはどうだろうか?その場合は、さまざまなボンド役に対応したモデルを用意してもいいかもしれない。このアイデアは個人的にはそこまで好きではないが、スウォッチに再び大きな成功をもたらすことは間違いない。何と言っても、ジェームズ・ボンドはオメガの時計以上に有名なアイコンなのだ。スウォッチがムーンスウォッチの成功を一度限りで終わらせないとしたら、今年はどんな「オメガ X スウォッチ コレクション」が発表されるのだろうか?

オメガ X スウォッチはすでに太陽系のすべての惑星を網羅している。2023年には何が発表されるのだろうか?

3:全く新しいロレックスの新作時計

ロレックスが定番モデルにのみ注力し、マイナーチェンジのみ行うのではなく、不定期に全く新しいモデルも発表することはご存じだろう。1992年にロレックス ヨットマスターがリリースされ、その後2007年にはロレックス ヨットマスター IIが登場した。後者にも同じ名前が付けられているが、コンプリケーションモデルであり、全くの新作として見るべきである。ロレックスが最後に新作を発表したのは2012年のロレックス スカイドゥエラーであり、すでに10年以上も前のことだ。そのため、筆者はロレックスが2023年に再び純粋に新しい新作を発表して、ファンを驚かしてくれることを期待している。しかし、この期待が現実になる可能性は低いかもしれない。なぜなら、今年はロレックス デイトナの誕生60周年であり、ロレックス ミルガウスも長い間後継機が待たれているからだ。それでも筆者の期待が現実となるとしたら、今回は本当に新しいモデルであってほしい。スカイドゥエラーはその素晴らしくシンプルに実現されているコンプリケーションによって非常に魅力的なモデルに仕上げられているが、結局のところそのベースは既存のモデルであるロレックス デイトジャストなのだ。新作ロレックスモデルが非常に複雑で胸躍るものになることはほぼ間違いないが、今回は全体のデザインも完全に新しいものである必要がある。これこそ時計ファンにとって2023年最大の出来事になるとは思わないだろうか?

ロレックス スカイドゥエラーはロレックスが最後に発表した新作モデルであり、それはすでに11年前のことだ。今年は待望の新作が発表されるのだろうか?

記者紹介

Donato Emilio Andrioli

チューダー ブラックベイ41という機械式時計を始めて買って以来、機械式時計の虜になってしましました。特に、古くて感動的な歴史を持つアイコン時計が大好きです。

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