資産価値の安定しているダイバーズウォッチを探している人も、ロレックス サブマリーナやシードゥエラーの高騰している市場価格には尻込みしてしまうかもしれない。幸運なことに、資産価値の安定している時計はロレックス以外にも存在する。本記事では約65万円以下で手に入れることができるロレックス以外のダイバーズウォッチを3本紹介したい。結局のところ、この価格帯の時計を購入するためには長い間貯金する必要があり、新しく購入した時計の価値が将来的に下がることは誰も望んでいないのだ。
1. チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト / ヘリテージ
時計趣味の世界にすでに足を踏み入れているのであれば、今回のテーマですぐにチューダー ブラックベイ フィフティ-エイトのことを考えたに違いない。資産価値の安定しているダイバーズウォッチを話題にするのであれば、チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトは絶対に外せない。この時計はダイバーズウォッチファンが望む（ほとんど）すべてを提供しており、現在買うことができるダイバーズウォッチの中で最も資産価値の安定しているモデルの1つである。それに加え、将来的にはさらに価値を上昇させる可能性があると筆者は見ている。このヴィンテージ感にあふれた39mm径のダイバーズウォッチは、約70時間のパワーリザーブを誇るCOSC認定の自社製キャリバーを搭載し、200mの防水性能を備えている。よく挙げられる2つの批判点は、ダイバー用のクイック調整機能が搭載されていないことと、時代遅れで傷の付きやすいアルミベゼルだ。確かに、ダイバー用のクイック調整機能に関する批判はもっともである。しかし、ベゼルに関しては、ブラックベイ フィフティ-エイトにセラミックベゼルが搭載されていたとしたら、アルミインサート搭載モデルほど魅力的ではなかったのではないかとも思う。チューダーダイバーズウォッチの素晴らしい色と独特な外観を作り出しているのは、まさにこのアルミインサートなのだ。耐久性についても心配することはない。筆者はすでにブラックベイシリーズのモデルを数本コレクションしているが、ベゼルは極めて頑丈で、ぶつけたとしても問題が起きたことはない。
チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトのヴィンテージ風の外観が好みでないのであれば、シルバー製のブルーまたはトープモデルを検討してみてもいいだろう。この2020年と2021年に発表されたモデルは、ヴィンテージの雰囲気を持ちながらも「オリジナル」より新鮮でモダンな印象を与える。ブラックベイ フィフティ-エイトのサイズを全般的に小さすぎると感じるのであれば、ヘリテージモデルがぴったりかもしれない。ヘリテージモデルにはより豊富な選択肢が用意されており、41mmモデルであれば太い手首を持っている男性であっても、大きなダイバーズウォッチを好む時計ファンであっても満足できるだろう。チューダー ブラックベイ ヘリテージも資産価値の安定している時計で、非常に盛んに売買されている。昔はより頻繁にショーウィンドウで見ることができたが、ブラックベイの標準モデルの人気もますます高まっており、特定のカラーバリエーションでは将来的に特に大きな価値上昇が期待できる。
2. オメガ シーマスター ダイバー 300m
オメガ シーマスター 300mは資産価値が安定しているだけではなく、現在最も魅力的なダイバーズウォッチでもある。この時計は独特な素晴らしいデザインを持っており、技術的にも多くのものを提供している。しかも、その価格は65万円以下とコストパフォーマンスが極めて高い。そのため、オメガ シーマスター 300mが現在非常に高い人気を集めているのは当然のことである。このダイバーズウォッチの最も優れている点は、他の時計のどの文字盤とも似ていないユニークかつ独創的な波模様の文字盤である。しかし、素晴らしいのは時計の外観だけではない。シーマスターに比べ大幅に高価であったとしても、技術的にこの時計より多くのものを提供できるダイバーズウォッチはほとんど存在しない。300mの防水性能、日付表示機能、そして美しいムーブメントを眺めることができるサファイアクリスタルケースバック。これだけでも素晴らしい内容なのだが、オメガはこの時計にさらにMETAS認定コーアクシャル自動巻きムーブメントも搭載している。この機構は極めて高い精度だけでなく、最大1万5000ガウスの耐磁性能も備えている。ほとんどの時計は水圧試験を受けただけでその防水性能を文字盤に表示しているが、オメガはシーマスター 300mを実際に300mの海中、さらにはそれよりも深くまで沈めており、これはライバルに対する大きなアドバンテージであると思う。
また、オメガ シーマスター 300mには豊富なバリエーションが用意されており、誰でも自分の好みに合ったカラーを見つけることができる。筆者が特に成功していると思うのは、ホワイトの文字盤とブラックのセラミックベゼルを持つモデルである。個人的にベゼルはほとんど非の打ち所がないシーマスター 300mの唯一の欠点であると感じている。このベゼルは、ロレックス サブマリーナやチューダー ブラックベイのベゼルを操作した時のような触り心地を与えてくれない。正直なところ、シーマスター 300mのリューズの動きはまるでエントリーモデルの時計であるかのようだ。この点に関してはオメガが改善してくれることを期待している。しかし、それ以外でオメガ シーマスター 300mが素晴らしい時計であることに疑いの余地はなく、とりわけブラックのラバーストラップを組み合わせたモデルは現在購入できるダイバーズウォッチの中で最も美しいモデルの1つである。
3. チューダー ペラゴス
まず初めに言っておくと、筆者は価格推移に関してチューダー ペラゴスに先に挙げたブラックベイコレクションほど大きな可能性を感じていない。しかし、現在の市場価格で購入する限り、このチューダー時計で失敗することもないだろう。ペラゴスは確かにブラックベイほどの人気を集めていないかもしれないが、このモデルはコレクターの中で高く評価されている時計であり、売却時には比較的すぐに買い手を見つけることができるだろう。皮肉にも、チューダー ペラゴスはブラックベイに欠けているすべてを提供しているのだが、ベゼルととりわけ自動調整可能スプリングメカニズムを備えたフォールディングクラスプについては後ほど詳しく説明する。この時計の直径は42mmで、ケースは主にチタンで作られているため非常に軽量で快適に装着することができる。チューダーの時計らしくペラゴスもヴィンテージ感を出しているが、ペラゴスはデザインに関しても技術に関しても完全に現代的なダイバーズウォッチである。
70時間のパワーリザーブを持つ自社製キャリバーを搭載しているのはブラックベイも同じであるが、ペラゴスには他にもこの人気のチューダーダイバーズウォッチにはない機能がいくつかある。500mの防水性能を持つペラゴスは日常生活においてだけでなく、過酷なダイビングにも適している。マットに仕立てられたリューズはアルミニウムであるかのような印象を与えるが、実際は多くの時計ファンがブラックベイに望んでいるセラミック製である。しかし、チューダー ペラゴスの最も優れた特徴は、独自の自動調整可能スプリングメカニズムを備えたフォールディングクラスプである。このチューダーが特許を取得している独自のフォールディングクラスプは素早く簡単な調整を可能にするだけではなく、温度に応じて自動で手首周りの長さに合わせて調節される。これはより高価な時計もうらやむほど非常に革新的なクラスプである。このクラスプでは美しい外観よりも機能性に重点が置かれていることは確かだが、それによってチューダー ペラゴスのスポーティーで機能的な側面が完璧に強調されている。そして、これは付属のラバーストラップを組み合わせることでさらに際立つ。チューダー ペラゴスは現在時計市場で提供されている最も優れたダイバーズウォッチの1つであり、52万円以下で手に入れることができる。
