デイトジャストはロレックスのベストロングセラーモデルである。この時計は1945年に初めてリリースされて以来、同ブランドのカタログに名を連ね続けている。ロレックス社設立40周年にリリースされたデイトジャストは、当時としては画期的な機能であった自動で切り替わる日付表示を搭載して登場。さらに、デイトジャストのために特別にジュビリーブレスがデザインされ、これは現在までロレックスのコレクションになくてはならない存在となっている。この時計のその他の特徴は、オイスターケースの防水性能とシンプルな文字盤デザインである。その後1950年代に、日付表示を約2.5倍に拡大してくれるサイクロップレンズが追加された。現在、この機能が付いていないデイトジャストを想像することはほとんど不可能である。
現在デイトジャストがスポーティーなドレスウォッチの業界標準として見なされているのは、これらすべての要素に依っている。さらに、このコレクションは圧倒的に豊富な種類のモデルを提供しており、あらゆる好みに合わせて時計を選ぶことができる。ベゼルの形だけでも定番のフレーテッドベゼル、スムースベゼル、ドーム型ベゼル、ダイヤモンド装飾付きベゼル、樹皮を想起させるギザギザが付けられたベゼルと、5つの異なるタイプがある。文字盤には無数のカラーバリエーションがあり、インデックスにはクラシックなバーインデックス、ローマ数字インデックス、ダイヤモンドインデックスの3種類が用意されている。また、デイトジャストほどサイズが豊富な時計はロレックスの中に存在しない。ケース径は26mmから41mmまで用意されており、素材はステンレス、18Kゴールド、コンビから選ぶことができる。
ロレックス デイトジャスト Ref.1601
Ref.1601はデイトジャスト コレクションの中で最も人気の高いモデルの1つ。ロレックスはこのモデルを1960年代初頭に発表し、1980年代初頭まで製造した。それによって、このリファレンスはロレックスの中で最も息の長かったシリーズとなっている。
1601のケース径は36mmで、女性にも男性にも同じ様に似合う。ケース素材に使用されているのはステンレス、イエローゴールド、ピンクゴールドのいずれか。コンビモデルではベゼル、リューズ、およびジュビリーブレスのミドルリンクがイエローゴールド製またはピンクゴールド製で、それ以外の部分はステンレス製となる。しかし、ゴールドはステンレスモデルにおいても使用されている。1601はフレーテッドベゼルを搭載しており、ロレックスは昔からこのベゼルの素材にゴールドしか使用していない。そのため、ステンレスモデルではベゼルがホワイトゴールド製となっている。
文字盤のカラーリングはクラシックで、大抵の時計はブラック、ゴールド、またはホワイトシルバーの文字盤を搭載している。しかし、ブルー、グリーン、グレーなどの色やマザー・オブ・パール製の文字盤を持つ個体も見つけることができる。インデックスにはバーインデックスからローマ数字、アラビア数字、ダイヤモンドアワーマーカーまで、デイトジャストが提供しているすべてのバリエーションがあり、文字盤は丸みを帯びたアクリルガラス製風防によって保護されている。
この時計の心臓部を成しているのはキャリバー1560または1570である。後者は1960年代中頃に採用され、その振動数は毎時1万8000振動しかない前モデルよりもわずかに高い毎時1万9800振動。また、1972年以降、秒針停止機能も追加された。キャリバー1560と1570は共にクロノメーター認定を受けており、日付のクイックチェンジ機能は搭載されていない。
デイトジャスト 1601の定番は5連ジュビリーブレスであるが、オイスターブレス、プレジデントブレス、またはレザーストラップ付きでも頻繁に見つけることができる。
その他の人気デイトジャストモデル
デイトジャストの特に人気が高いコンビモデルは、1980年代後半にリリースされたRef.16233だ。このモデルのケース径も36mmで、素材にはステンレスとゴールドが使用されている。Ref.1601との最も大きな違いは使用されているムーブメントと風防で、このモデルの内部ではキャリバー3135が時を刻んでいる。このムーブメントの振動数は毎時2万8000振動で、秒針停止機能と日付クイックチェンジ機能を搭載している。風防はサファイアクリスタル製で、傷に非常に強い。
レディ デイトジャスト
レディ デイトジャスト Ref.69173はRef.16233と同じ時期に製造されたモデルで、ほとんど同じ機能を持っているが、そのサイズははるかに小さい。コンビモデルのケース径は26mmしかなく、それによってより小さなムーブメントが必要となっている。この時計にはキャリバー2135が搭載されている。
デイトジャスト 41
2016年にリリースされたデイトジャスト 41 Ref.126334はケース径41mmの現代的なモデル。この特別なリファレンスはステンレス製で、ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを持っている。ムーブメントにはブルーパラクロムヒゲゼンマイとパラフレックス・ショックアブソーバを搭載したキャリバー3235が採用されており、それによって高い耐磁性と耐衝撃性を兼ね備えている。さらに、極めて効率の良いクロナジー エスケープメントによって、70時間のロングパワーリザーブが実現されている。
デイトジャストの代わりとなる選択肢
ロレックスはオイスター パーペチュアルとデイデイトによってデイトジャストに代わる2つの選択肢を提供している。オイスター パーペチュアルは日付表示がなくても構わないという方向けのモデルで、日付表示とサイクロップレンズがないことで特に整然とした印象を与える。この時計には28mmから41mmまでのサイズがあり、素材はステンレス製のみで、ポリッシュベゼルが搭載されている。また、2020年秋以降、コーラルレッド、キャンディーピンク、ターコイズブルーなど、いくつかの興味深い文字盤カラーが追加された。
デイデイトはいわばデイトジャストの上位機種である。この時計は1956年以降ロレックスのカタログに名を連ねており、日付表示の他に曜日表示も備えている。曜日表示は12時位置にあり、フルスペルの曜日を表示してくれる。デイトジャストとのもう1つの違いは使用されている素材である。ロレックスはデイデイトの素材にホワイトゴールド、イエローゴールド、ピンクゴールド、プラチナしか使用していない。ロレックスはプラチナモデルにだけアイスブルー文字盤を採用しており、それによってこの時計を簡単に見分けることができる。
ロレックス デイトジャストの価格と価格推移
デイトジャストには広範なモデルバリエーションがあるため、その価格幅も非常に広くなる。Ref.1601の状態の良いステンレスモデルは、Chrono24で約48万円から見つけることができる。コンビモデルは大抵の場合それよりも少々高く、その価格は約54万円。イエローゴールドモデルではさらに価格が上昇し約110万円となっている。それに比べ、レディ デイトジャスト 69173の価格は約49万円と少々手頃だ。Ref.126334などの現行モデルがお望みであれば、136万円ほどの予算を見積もっておくべきだろう。
どのモデルを選ぶにせよ、非常にポジティブなパフォーマンスが期待できることはすべてに共通している。過去3年間にデイトジャストの価値は平均して20%~35%上昇した。つまり、この時計はただ美しいだけではなく、魅力的な投資対象でもあるのだ。