2021年07月01日
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ロレックス: デヴィッドと彼のロレックス ミルガウス 116400GV

Chrono24
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今年3月、ユーザーの皆さまから、初めてのロレックスにまつわる自分だけのロレックスストーリーを募集し、3月29日で終了しました。当初はその中からひとつだけ選んで掲載する予定でしたが、寄せられた中には素晴らしいストーリーがたくさんあったため、今年一杯、いくつかを紹介してくことにしました。

第一回目はテキサス州オースティン在住のエリックを紹介します。エリックのロレックス デイトジャストについての感動的なストーリーはこちらで是非ご一読ください。また、オーストラリア在住のエドワードも、ロレックス GMTマスター IIに関するエキサイティングなストーリーを聞かせてくれます。

次の記事では、オーストラリア在住のデヴィッドが、自身のマンガコレクションがどのようにしてロレックス ミルガウスを助けたのかを語ります。

Rolex Richard Wilson

私のロレックス ミルガウス

長年の時計ファンとして、当然のことながら、ロレックスを所有することは常に私の夢だった。

私のコレクションに含まれている時計は、すべて私自身が大好きなものばかりだが、それでも、王冠ロゴを文字盤に持つロレックスなしには、どんなコレクションも完成しないということはよくわかっていた。

世に出回っている無数の時計のうち、最も有名なモデル、またはGQなどの表紙で、とある有名人が着けているモデルを購入するというのはよくあり得ることだ。あるいはモータースポーツ、テニス、ゴルフ、はたまた他のモデルのマーケティングキャンペーンを理由に購入するかもしれない。それらは全て、このアイコニックなブランドをサポートするのにふさわしい理由であり、それこそが自分にとってその時計を個人的なものにしてくれる。人は自分だけが知る理由のために、手首にはめているところを見られたいと思えるような時計を選ぶものだ。

もともと、数年前にある同僚の手首に巻かれていたミルガウスを見た際、私は即座にこれこそが自分の欲しい時計だとわかった。特定のアングルからは非常に目を引き、また別のアングルからは控えめな外見、しかし一見してロレックスだとわかる存在感。それこそが私のドリームウォッチだった。そして、原子エネルギー分野で働いているか、あるいはロレックスのメルマガに登録している人でもない限り (そんなものが存在するのだろうか?)、このモデルについて知らないだろう。というわけで、このモデルを求めようとすることで私がいわゆる “マニア” の仲間入りをしようとしていたとは言えない。

私が40代半ばであることから、これが私の “中年の危機” だと言う人もいるかもしれない。私自身はこれを、自分の “中年のチャンス” と呼んでいる。その理由を説明しよう。

デヴィッドのミルガウス 116400GVのリストショット

70年代後半から80年代初期に子供時代を送ったものとして、私はスターウォーズグッズ、レゴ、漫画本などのみんなが急に欲しがり始めたものをかなり収集していた。基本的に全てが新品のコンディションで、傷はなく、多くがオリジナルのパッケージに入った状態だった。どれもオークションで巨額で取引されるようなお宝ではなかったが、全ては私のものであり、収集価値のあるものだった。そして私の両親は家を小さくしたいと思い始め、私に戻ってきて収集物を整理するようにと促すようになった。

こうして私は2020年ロックダウン中に、何をどうやって売るのか、きちんと詳細をリストアップするにはどうしたらいいのかを、ネットで取り憑かれたようにリサーチし始めた。そのプロセスは少々病みつきになるものだったが、それにより私は、両親が後押ししてくれなかったら人知れずしまい込まれたままになっていたであろう相当な額の活動資金を集めることができたのだ。この時点で、eBayは私の第二のホームとなった。

というわけで、簡単に言うと、私は今では時間をかけてChrono24で自分のドリームウォッチを探すことができるようになったのである。多くの時間を費やしてあれこれ比較をし、輸入関税の計算 (初心者への罠) をし、信頼できる販売者を見つけ出し、そうして私はついに購入した。新品で購入して以来ずっと同じ所有者が使っていた、全てのオリジナルの書類とボックス付きのグリーンのミルガウスである。

購入を決意してから、家にそれが届くまでは、私の人生でも最も不安と期待に満ちた数日間だった。しかしそれに引き続き、その包装を開ける際の不安も待っていたのだった。

私が惚れ込んだ時計と同じなのだろうか?

購入後に後悔することになるのだろうか?

心配する必要はなかった。実際、今思ってみれば、期待もまたこのような買い物の楽しみの一部なのだ。心臓がドキドキする、クリスマスの子供のような感覚は、正直に言えば大人になってからはあまり経験することがない。私が何年も前に目をつけたもともとの時計を今もまだ愛用している同僚に見せてみた。彼の反応は興味深いものだった。「なんでミルガウスにしたんだ?」と彼は尋ねてきた。私は彼に、初めて彼の手首にあるその時計を見た瞬間にそれこそが私の欲しいモデルだと思ったこと、それが私に与えた感覚、そして彼がその時計を選んだ役割に対してそれがどのように見えたかについて話した。彼は、実は自分も同じような経験をしたのだと答えた。彼は海外でショップのショーウィンドウ内にあるその時計を見つけ、気付いたら周りにある他のモデルには目もくれずに見惚れていたにもかかわらず、この投資を正当化できるのだろうかと考え込んだのだと。

ミルガウスはデヴィッドの妻の手首にもよく似合う。

そう、ロレックスの時計とはまさに投資なのである。必ずしも経済的な理由によるものではなく、あるブランドへの、そしてこれらの時計が完成させることになるライフスタイルへの投資。ロレックスはしばしば、最後の欠けているピースを完璧にする要素でもある。

ミルガウスが私にもたらしてくれたもうひとつの格別の喜びは、他人の時計をチェックするのが好きな人たちが投げかけてくるちらりとした視線である。友人、同僚、あるいはまったくの知らない人であっても、誰かが私の時計をさっと盗み見ていることに気づくと、いつも私は嬉しくなる。そういった人たちは常に何かを言ってくるわけではないのだが、それは何も言う必要がないからなのだ。

そして正直に言うと、私自身、いまだに自分の手首を盗み見る。なんと言っても、これはロレックス、私のロレックスなのだから。

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