2015年05月12日
 8 分

伝説的時計: パネライ ルミノール

Chrono24
Panerai-Luminor

伝説的時計: パネライ ルミノール

高級でスポーティーかつ男性的にもかかわらず、シンプルで目立ちすぎない。それがパネライ ルミノールだ。そして、この時計はイタリアの時計メーカーであるオフィチーネ パネライの最人気モデルでもある。パネライは19世紀後半にイタリアのフィレンツェで設立された。設立当初、同会社は航海用精密機器の製造を専門としていたが、間もなくして最初の時計モデルを市場に送り出す。この時計は非常に正確で、イタリア王立海軍の目に留まるほどであった。1950年、伝説的なルミノールがパネライによって生み出された。この時計は現在時計通や、とりわけ海の世界と深いつながりを感じている時計愛好家の中で、真のコレクターズアイテムとして知られている。

闇の中に光を放つ夜光塗料「ラジオミール」

パネライ ルミノール マリーナ
パネライ ルミノール マリーナ, 写真: Auctionata

フィレンツェを本拠とするパネライは創業当初から海との関わりを持ち、航海術に対する情熱から1つの問いを持っていた。海中の最も暗い片隅においても時間を読み取るために時計に必要なものは何か、と。そして、パネライはラジオミールを発明することでその答えを見つけ出した。ラジオミールは硫化亜鉛と臭化ラジウムから合成され、発光した。この発光物質は水中においても素晴らしい視認性をもたらした。時計の数字とマーカーにラジオミールが用いられるようになったことで、人々は暗闇の中でも時刻を読み取ることができるようになった。

イタリア海軍はこれを潜水用時計に最適だと考え、オフィチーネ パネライに潜水工作部隊「ガンマ」用の時計の製造を依頼した。そのようにして、ルミノールの前身として見なされている時計モデル、ラジオミールが開発された。その後、時計ケースに変更が加えられ、1950年に現在広く知られているリューズ・プロテクターを備えた初のルミノールが完成。パネライの時計は長らく軍事機密のもとにあったが、1993年に初めて一般向けに発売された。そして、パネライの時計はすぐに時計通の中でコレクターズアイテムとしての地位を確立していった。

ルミノールの基本的な特徴

ルミノールには現在「ルミノール1950」と「ルミノール」の2つのメインコレクションがある。前者は1950年の歴史的モデルのデザインに着想を得て作られている。とりわけクッション型のケースを特徴とし、大抵の場合47mmと大きなケース径を持っている。ルミノールシリーズの時計の外観は多少異なり、大抵の場合そのケース径は44mmと、ルミノール1950よりも少々小さくなっている。定番のクッション型は角ばった側面と簡素化されたリューズを持つミドルケースによって置き換えられた。それによってこのケースは全体的にシンプルで現代的な印象を与えている。

すべてのモデルに共通することは、蛍光物質が用いられた大きな数字とマーカーによる素晴らしい視認性だ。また、堅牢性と精度もすべてのルミノールに共通する基本的特性と言える。特に特徴的なのはリューズ上の伝説的なガードプロテクターで、これはパネライの登録商標である。このプロテクターはリューズを守り、高い防水性に貢献している。すべてのルミノールに共通するその他の特徴は、ケースが1本のステンレスから削り出されていることだ。つまり、ラグもケースの一部なのである。

この2つのメインコレクションは多くの異なる時計モデルから構成されている。以下に3つの重要なモデルを紹介したい。

ルミノール マリーナ

ルミノール マリーナは機能とデザインにおける傑作だ。すべてのルミノールモデルと同様にマリーナも海を愛する人々のための時計であり、非常に頑丈で高い防水性を備えている。マリーナには多くの異なるデザイン仕様がある。基本的に着用者は歴史的モデルの1950と現代的なモデルから選択することができ、文字盤の色にはクラシックなブラックやシンプルなホワイトから、上品なブラウントーンまで用意されている。ルミノール マリーナモデルのストラップも同様に多彩で、冒険心をストラップによって表現したい方には、アリゲーターレザーまたはバッファローレザーが素晴らしい選択肢となるだろう。シンプルなストラップがお好みであれば、カーフスキンレザーがお気に召すに違いない。さらに、ルミノール マリーナにはステンレスとチタンのブレスレットも用意されている。機構は自動巻き式と手巻き式から選択可能だ。

パネライ Flyback Chronograph
パネライ Flyback Chronograph写真: Bexsonn

ルミノール ベース

ルミノール ベースはルミノールの最もシンプルなモデルである。控えめでありながら、ルミノールのクラシックな特徴をすべて備えている。信頼性が高く非常に堅牢で、暗闇や水中でも素晴らしい視認性を誇る。このモデルは時針と分針を持つ、大きくミニマルな文字盤を搭載している。すべてのルミノールモデルと同じく、ベースもリューズ上にガードプロテクターを備え、ケースは1本のステンレスから削り出されている。打ち抜きから始まり、ケースを完成させるまでには60もの異なる作業工程を必要とする。そして、絶え間ない品質管理によって確かな堅牢性と高い精度が保証される。ルミノール ベースの防水性能は最大300m。この時計は海の世界とつながりを感じ、それをシンプルでありながらも伝説的な時計によって表現したいすべての人に完璧な1本なのだ。

ルミノール ベースは2018年までETAベースムーブメントを搭載してきたが、この状況は変わりつつある。2014年にパネライはスイスの町のひとつ、ヌーシャテルに自社工房をオープンした。そこで、ヴァル フルリエ (リシュモングループのムーブメント工房) から供給されるコンポーネントを検査し、完成したムーブメントに取り付ける。とりわけSIHH2018で発表されたラストロノモ ルミノール 1950 トゥールビヨン ムーンフェイズ イクエーションオブタイム GMTのような、極めて複雑な時計によって、同ブランドは技術的能力に関するイメージを強固にした。そして同年、ルミノール ベースは自社キャリバーP.6000を搭載して市場に送り出されたのだ。

ルミノール サブマーシブル

ルミノール サブマーシブル  BMG TECH PAM00799
ルミノール サブマーシブル  BMG TECH PAM00799写真: Panerai

ルミノール サブマーシブルは特別なダイバーズウォッチで、オフィチーネ パネライが50年以上前にエジプト海軍の潜水工作員のために開発したモデルの発展である。パネライはこのモデルを「海の世界」へのオマージュと名付けた。サブマーシブルは目盛り付き回転ベゼルを搭載している。2011年、パネライはブロンズ製のケースを持つサブマーシブルの特別エディションブロンゾを市場に送り出した。ブロンズは海水による腐食に特に強く、時とともに魅力的な古艶を増し、それによって個々のモデルにその時計だけが持つ個性を与えてくれる。ブロンゾはケース径47mmの大きなダイバーズウォッチで、夜光アワーインデックスとドットを備える文字盤のダークグリーンが、ブロンズ製ケースと素晴らしい調和を奏でている。ケースバックは透明なサファイアガラスで、サテンチタン製の外径リングがその周りを取り囲んでいる。それによって、いつでもこの高級時計の素晴らしい自動巻き機構を眺め、楽しむことができるのだ。2013年、パネライはブロンゾの発展モデルを市場に送り出した。このモデルはさらにパワーリザーブ表示を5時位置に備えている。

SIHH2019 (ジュネーブサロン) において、パネライはルミノール サブマーシブル一色であった。そして、アスリート、研究者、団体との様々なコラボレーションの他に、BMG-Tech モデルも発表された。このモデルには自社キャリバーの搭載だけでなく、特別に革新的な素材も使用されている。ケースに採用されているBMG (Bulk Metallic Glass) はいわゆる金属ガラスで、この素材は銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ジルコニウムを含み、高い耐腐食性と硬度を特徴としている。また、BMG-Techのベゼルにはもう1つのハイテク素材であるカーボテックが使用された。カーボンファイバーベースの複合素材から知られているように、この素材には軽量でありながらも高い剛性を持つという利点がある。さらに、パネライのカーボテックは特徴的でランダムな模様を持ち、時計に一点物のような存在感を与えている。

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