2019年11月04日
 7 分

1つの都市、2つの時計イベント: ニューヨークで開催された「Windup」と「WatchTime」

Balazs Ferenczi
Watchtime Windup NY 2019

1つの都市、2つの時計イベント: ニューヨークで開催された「Windup」と「WatchTime」

ニューヨークに住む人は様々な形で大都市の特権を享受している。この街には食料品店、ファッションアウトレットストア、または参加型イベントなど、信じられないほど多くの選択肢がある。あなたが望むもの、それはすべてニューヨークで見つけることができるだろう。そして、これは時計にも当てはまる。大抵の主要ブランドはビッグ・アップルに店舗を構え、ここで発売イベントを開催し、しばしば米国市場向けのモデルを発表する。それ以外に、この都市には活発なコレクターシーンもある。この7月に開催されたChrono24 New York GTGなど、毎週少なくとも一回は同好の時計愛好家の集まりがある。時計を愛するニューヨーカーは特に10月に開催されるイベント「WatchTime」と「Windup」を心待ちにしている。今年、私たちは幸運なことに両イベントを訪れることができた。ここではその体験について書いていく。

 

WatchTime New York

WatchTime New York 2019_1

まずはより豪華な方から始めよう。このイベントのウェブサイトによると、WatchTime New Yorkは「コレクターと愛好家のための米国最大の高級時計イベント」である。そして、このイベントを訪れた私は、このステートメントに同意することができる。出展しているブランドの数と質が圧倒的で、A.ランゲ&ゾーネブランパンオメガセイコーゼニス などの大手ブランドはもちろん、アーミン・シュトローム、HYT、MB&Fなどの「オートオルロジュリー」と呼ばれる小さな独立系ブランドも多く出展している。また、その開催地は息をのむほど美しい伝説的なゴッサムホール。このニューヨークのランドマークはブロードウェイ沿いのメイシーズの向かいにある。800m²を超える壮大なボールルームは隅々まで無駄なく使用され、フロアには異なるブランドが点在し、その中の数ブランドがホール中央の一番良い場所にブースを構えていた。また、セイコーには個別の部屋が与えられており、上階にはパネルトーク用の場所が用意されていた。

WatchTime New York 2019_2

WatchTime New Yorkが2015年に始まった時に出展したのは17ブランドだけであったが、現在この見本市に出展しているのは37ブランドである。WatchTimeマガジン(イベント主催者) の編集長であるRoger Rueggerによると、「訪問者の大部分はマガジンの読者であり、大きな収入と様々なブランドの新作に多大な興味を持っている、活発なニューヨーク時計シーンの一員」である。実際、このエリアにおける(そしておそらく米国全土においても) 同規模の時計イベントは他に存在しない。「バーゼルワールドをコピーしないことが、展示会の成功の秘訣」とRuegger氏は説明する。バーゼルと違い、訪問者は時計を試着することができ、販売員と話し、シャンパンを楽しみながら時計についての質問をする。もしあなたが見本市期間中ニューヨークにいるならば、このイベントを時計愛好家として必ず見逃してはいけない。

Windup Watch Fair

At Windup 2019

同時期に「WatchTime」から数ブロック南に行ったところで別の時計イベントである「Windup Watch Fair」も開催されていた。Windupはどちらかといえば見本市というよりもブランド、ファン、業界人、記者の親しい集まりで、ニューヨークのヒップでトレンディなチェルシー地区のチェルシーマーケットで行われる。地下鉄で数駅しか離れていないにも関わらず、ここはブロードウェイのゴッサムホールとはまるで別世界。入場料はないが、ロケーションに関してWatchTimeのボールルームより豪華さでは劣っていることは認めざるを得ない。WindUpにおけるブランドのセレクションは多様で、財布にも優しい。大抵は小規模ブランドやマイクロブランドで、それらのほぼすべてが独立ブランドである(つまり、巨大複合企業に所有されていない)。しかしながら、今年はユンハンスやハミルトン(スウォッチ・グループ) などの大手ブランドも参加していた。

WindUp 2019_2

アメリカブランド(モンタ、オーク&オスカー、アウトドローモなど) の他に、一部の例を上げるとスイスブランド(オリスハミルトンなど)、ドイツブランド(ラコユンハンスストーヴァ)、フランスブランド(イエマ)、イギリスブランド(フェーラー、クリストファー・ワード、anOrdain) など、世界中のブランドがWindupに姿を表した。ストラップやワインダー、その他のアクセサリーに興味があるならば、Windupではこれらのカテゴリーにおける出展者も多く見つけることができる。ショーのフロアを歩き回り、時計を試着し、写真を撮り、気に入ったらその場ですぐに購入することができる。そして、この素敵で楽しいイベントは時計ファンだけではなく、たまたまマーケットを訪れた人々も引き付ける。このイベントを催しているのは、オンライン時計ブログ&ショップである「Worn & Wound」。このウェブサイトには記事や動画、ポッドキャストがあり(Chrono24のCEOティム・シュトラッケとのエピソードを含む)、Windupで出展しているのと同じブランドが頻繁に特集されている。

 

どちらのイベントを訪れるべき?

次の10月に両イベントのどちらかを訪れるつもりならば、考慮すべき事柄がいくつかある。まず、両イベント共に西海岸で開催されるということ。Windup New Yorkは2018年以来サンフランシスコで毎年集まりを企画しており、WatchTimeは今年ロサンゼルスで初めてのイベントを開催した。東海岸と西海岸の間で他のイベントが催されるのも、おそらく時間の問題だろう。もしあなたがヨーロッパに住んでいるならば、WatchTimeはドイツで「WatchTime Düsseldorf」というイベントを毎年主催している。Windupは現在米国でのみ開催されているが、将来的にどうなるかは明言されていない。 

この2つのイベントはこれ以上ないほどに異なっており、それぞれ共に両者の好むやり方を実践している。しかしながら、両方のイベントを訪れる人々も少なくない。WatchTimeを訪れていたずいぶんとめかし込んだ同じ人々が、数時間後にくつろいだ格好でビールを手にWindup fairを歩いている姿を見ることも珍しくないのだ。また、Windupは金曜日から日曜日まで開催されているが、WatchTimeは実際のところ1日だけのイベントであることも重要な点だろう。金曜日にVIPイブニングがあり、その後の土曜日にメインのイベントが催されるのだ。これは時間の割り振りを容易にしてくれるため、私たちにとっても非常に好都合であった。

まとめ

ニューヨークにとって、同じ業界の同じように成功している2つのイベントを開催することは問題ではないようだ。しかし、各イベントが毎年互いに競い合っている状況において、これが他の多くの都市でも成功するとは思わない。WatchTimeは高級ブランドの消費者にとっての重要性、そしてブランドとの交流を求めるコミュニティの関心を示している。その一方で、Windupはより手頃な価格の時計を求める人々が多くいることを明確に示している。WatchTimeとWindupは時計イベントの巨大な世界の中にその役割を持っているだろうか?私は「もちろん」と答えたい。私たちは両イベントが今後も発展と成功を収めることを願い、2020年をとても待ち遠しくしている。

もっと読む

35万円以下の独立ブランドのトップ時計 ― パート1

35万円以下の独立ブランドのトップ時計 ― パート2

誰もが買うべき人気の高級インディーズブランド


記者紹介

Balazs Ferenczi

時計にはもうずっと前から興味を持っています。時計は男性が身に付けられる唯一のアクセサリーである、といつも思っていました。時計は身に付ける人の個性を表現します。何年もの間、私は …

記者紹介

最新記事

04-Breitling-v01-Magazin-2-1
2022年01月24日
 3 分

ブライトリング: 背景

Thomas Hendricks