新しい時計を探すことは、その時計を買うことよりも時としてワクワクするものだ。選択肢がたくさんあるなら、それはなおさらだろう。150万円前後の予算があれば、生涯の相棒となるような有名ブランドの素晴らしい時計が見つかる可能性は無限大だ。そこで今回は、この価格帯で現在購入可能なもののうち、ベストと言える10モデルを紹介したい。この10本は、ブランド、スタイル、機能性、さらには生涯使えるものかどうかを考慮に入れて選んだものだ。また、新品、中古どちらも含まれている。
- ロレックス サブマリーナ
- ロレックス GMTマスター
- ロレックス エクスプローラー II
- オメガ スピードマスター ムーンウォッチ
- オメガ シーマスター プロフェッショナル ダイバー 300M
- チューダー サブマリーナ
- カルティエ タンク ルイ カルティエ
- ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
- グランドセイコー エボリューション9 GMT
- ゼニス クロノマスター スポーツ
それでは早速、見ていこう。
1. ロレックス サブマリーナ
まずは、市場で最も人気のダイバーズウォッチから始めたい。ロレックス サブマリーナは間違いなく最初の選択肢だ。この時計は1954年に発表され、今日のダイバーズウォッチのデザインを定義したものである。誕生以来70年が経っているが、その姿は常に初代サブマリーナを思わせるものである。サブマリーナが持つ象徴的なデザインは、この時計の持つ魔法の大部分を占めている。
そして喜ばしいことに、現行のサブマリーナ(ノンデイト)Ref. 124060はいまだに150万円以下で購入できる。
定価は119万3500円で、サブマリーナ デイトの場合だとこれよりも若干高くなる。しかし、どちらも予算内で、選択肢としては素晴らしく、中古の場合であればより手頃な価格で見つかるはずだ。
2. ロレックス GMTマスター
人気の定番、ロレックス GMTマスターは、ステンレススチール製モデルがつい最近150万円前後で購入できるようになったばかりだ。パンナム航空にインスパイアされた究極のトラベルウォッチであるGMTマスターは、そのアイコニックなルックスと2つのタイムゾーンの時刻が表示できる実用的な機能で価格が上昇している。新しいGMTマスター IIは、150万円あれば十分に購入可能である。
しかし、中古のロレックス時計の価格が下がってきたために、中古のGMTマスターにも注目したい。状態の良いものを探す必要があるが、Ref. 16710とRef. 16750はかなりの数が150万円前後で見つかるため、選択肢として最適と言えるだろう。
3. ロレックス エクスプローラー II
3番目はロレックス エクスプローラー IIである。サブマリーナと同じように、エクスプローラー IIの定価は150万円前後という予算内に十分収まる。この時計は1971年に洞窟探検用の時計として発表され、かなりニッチなターゲット層をねらったものだ。GMTマスターと同じく第2タイムゾーンの時刻が表示できるが、ロレックスはこれら2モデルを競合させたくなかったのだ。
しかし、エクスプローラー IIは時と共にその際立ったデザインとGMT機能で確実にファンを増やして来た。そして40mmから42mmへとサイズアップし、GMTマスターとの違いはさらに明らかとなった。価格について言えば、急激な下降が見られたため、150万円前後という予算があれば現行モデルと先代モデルのどちらでも購入が可能であり、文字盤もホワイトとブラックからお気に入りのものを問題なく見つけられるはずだ。
4. オメガ スピードマスター ムーンウォッチ
150万円前後で新品の時計を選ぶなら、現行のオメガ スピードマスター プロフェッショナル ムーンウォッチが最も優れた時計であることは間違いない。最新版は、1969年に人類初の月面着陸時に着用されたモデルを思わせるデザインである。風防は歴史に忠実なヘサライトガラスか、現代的なサファイアクリスタルの2つから選ぶことができ、後者であれば裏蓋から美しいムーブメントが観察できる。
中古となると、本当にたくさんの素晴らしい選択肢が存在する。
また、伝説のムーブメントと言われるキャリバー321を搭載したヴィンテージのスピーディー(リファレンスナンバー105.012および145.012)や数あるムーンウォッチのリミテッドエディションにも目を向けてほしい。歴史あるスピードマスター ムーンウォッチは、数々の素晴らしいモデルがそろっており、生涯の相棒となる1本が見つかるだろう。
5. オメガ シーマスター プロフェッショナル ダイバー 300M
スピードマスターからシーマスターへは、わずかなステップだと思うかもしれないが、全く違う世界である。シーマスター プロフェッショナル ダイバー 300Mは、時計ファンの間でボンドウォッチとしても知られている。オメガのモダンなダイバーズウォッチは1993年に発売されて以来、ピアース・ブロスナンと共に世に知られるようになった。現行モデルの定価は150万円前後で、さまざまなカラーとスペックで展開されている。
同じ予算では、ジェームズ・ボンド 60周年記念モデルや、特別な『ノー・タイム・トゥ・ダイ』など、一部のスペシャルエディションが中古で購入可能で、これらも素晴らしい選択肢と言える。シーマスター ダイバー 300Mには150万円前後で購入可能なモデルが数多くある。
6. チューダー サブマリーナ
次はヴィンテージの時計を紹介しよう。チューダー サブマリーナは1999年以来、チューダーのコレクションから外れているが、その歴史は同ブランドのブラックベイシリーズの土台となった。チューダー サブマリーナの人気は上昇しており、驚くことにその価格はロレックス サブマリーナを上回っている。チューダー サブマリーナには汎用ムーブメントが使用されていたため、長らくロレックスの廉価版として見られてきた。
しかし、チューダー サブマリーナはかなりの人気を誇るモデルだ。ロレックス サブマリーナに比べるとかなりレアでもあり、チューダー サブマリーナは非常に高価になっているのだ。その価格はおよそ65万円からスタートするが、レアなモデルに関しては約360万円〜430万円にまで及ぶ。150万円前後という予算なら、チューダーの象徴的なスノーフレーク針を持つモデルを含め、美しいヴィンテージモデルのひとつを入手することができる。
7. カルティエ タンク ルイ カルティエ
今回、紹介する時計の中には、もちろんカルティエも登場する。しかし、どのカルティエを選ぶべきか。この予算ならたくさんの選択肢があるが、筆者は定番のタンク ルイ カルティエをおすすめしたい。タンクは1917年に発表され、その後1922年にレクタンギュラー型のタンク ルイ カルティエが続いた。ご存じかもしれないが、この時計はカルティエの最もアイコニックなモデルとなった。
タンク ルイ カルティエはケースに貴金属しか使わず、そのフォルムは第一次世界大戦で使用されたルノー FT-17戦車をモチーフにデザインされており、シルバーの文字盤にはブラックのローマ数字が合わされている。このカルティエの定番は150万円前後で購入可能であり、この価格でこれ以上スタイリッシュな時計はないだろう。
8. ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・スモールセコンド
次に、もうひとつのスタイリッシュな時計を紹介したい。ジャガー・ルクルト レベルソは時計業界のアイコンとも言える存在であり、1931年にポロ選手のためのスポーツウォッチとして開発された。反転式ケースというユニークなデザインは、ポロの試合中に時計の風防を保護するためのものだった。そして時とともに、ジャガー・ルクルト レベルソは、最も上品なアール・デコスタイルのドレスウォッチとして知られるようになった。
レベルソ・トリビュート・スモールセコンドはレベルソの初期の時代を思わせる、これ以上ないほどスタイリッシュなモデルだ。今回の予算内では新品も入手できるが、中古からも見つけることができる。他にもたくさんのレベルソが出回っているものの、レベルソ・トリビュート・スモールセコンドこそが最も洗練されたモデルであり、かつさまざまな美しいカラーで展開されている。
9. グランドセイコー エボリューション9 GMT
グランドセイコーもまた、生涯を共にするような時計と言った時に外せないブランドである。同ブランドはこの数年の間に非常に人気となり、現行コレクションには150万円前後で入手可能なオプションがたくさんそろっている。筆者が特に際立っていると感じるのは、2021年に発表されたエボリューション9コレクションである。このコレクションは、素晴らしいムーブメントとモダンなケースデザインが特徴だ。
グランドセイコー SBGE285は、「朝霧」という名前でも知られる印象深いモデルだ。この時計は、第2タイムゾーンの時刻表示機能が付いた素晴らしい時計であるだけでなく、美しい文字盤とグランドセイコー独自のスプリングドライブムーブメントを持つ。このムーブメントは、機械式ムーブメントとクオーツ式ムーブメントのメカニズムを融合させたものだ。ユニークなムーブメントを持ち、新しいグランドセイコースタイルを完璧に体現する「朝霧」の価格は、定価で106万7000円だ。
10. ゼニス クロノマスター スポーツ
最後に紹介するのは、ゼニスで絶大な人気を誇るクロノグラフ。ゼニス クロノマスター スポーツが初めて発表された時、ロレックス デイトナに似ているため、ファンたちは冗談めかして「ゼイトナ」と呼んだ。そして事実、この2つのモデルには繋がりがある。初代の自動巻きデイトナにはゼニス エル・プリメロ ムーブメントが搭載されており、ロレックス デイトナの歴史の中でゼニスが間違いなく大きな役割を果たしたということを意味している。
デイトナそっくりに見えるかもしれないが、クロノマスター スポーツは独自の魅力を持つユニークな存在だ。特徴的なグレーとブルーのインダイヤルが備わる美しい文字盤は、ゼニス独特と言える。最新のエル・プリメロ クロノグラフ ムーブメントによって、センターのクロノグラフ針は文字盤をわずか10秒で一周する。つまり、10分の1秒単位で計測ができるということだ。新品の場合は150万円前後で購入でき、中古の場合はさらに安価で購入できる。まさに今回の記事の大トリにふさわしい素晴らしいモデルだ。
まとめ
今回は、Chrono24がおすすめする10モデルを紹介したが、もちろん他にも数多くの選択肢があるので、ぜひそれぞれのお気に入りを探してみてほしい。冒頭にもお伝えしたように、時計を探すというプロセスは買うということと同じくらいワクワクするものだ。