2021年12月13日
 8 分

2021年で価格上昇率の高かった腕時計5選

Troy Barmore
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ここ数年、高級時計やアンティーク時計の世界は、控えめに言っても面白いことになっており、アンティーク時計の価格が大幅に上昇している。ロレックスパテック・フィリップのような時計メーカーは容赦なしの上昇率で、タグ・ホイヤーユニバーサル・ジュネーブは激しく変動している。現代の時計市場では、多くの企業の主要な時計が、高い需要のせいで、またブランドによる意図的な操作のせいで、小売店では入手できなくなっている。これが、グレーマーケットでの価格の大幅な上昇や、(おそらく) 投機的なオークション環境につながった。世界中の時計ファンにとって、この騒々しく挑戦的で刺激的な市場は、多くの人に一握りの “イット” な時計から離れて、より遠くに目を向けることを促している。しかし、ことわざにもあるように、「上げ潮はすべての船を持ち上げる」のである。  

2021年で価格上昇率の高かった腕時計: 成長と価格上昇のサイクル

一部の富裕層や熱心なコレクター以外には手の届かないような時計が、道なき道を行く時計として主流な時計になるまで、そう時間はかからないだろう。世界的なパンデミックで経済が停滞しても、時計の成長と評価のサイクルは今のところ止まることを知らない。実際、新型コロナウイルスのさらなる流行、サプライチェーンにおける問題やインフレなどで世界が苦境に立たされていても、多くの時計は価値を高め続けているのだ。  

時計と時計販売店のための最大のオンラインマーケットプレイスであるChrono24には、価格指数のデータを介してこの成長の詳細を確認できるというユニークな能力がある。価格動向の具体的な理由を特定することは、特に高級品のあと知恵とそれが提供する視点なしでは、まったく不可能ではないとしても、非常に複雑である。しかし、時計の価格に規則性はない。人気の時計は、他の時計の人気にある程度反応している可能性がある。例えば、ある時計がオークションで記録的な大ヒットを記録すると、市場全体に波及効果がある。そこで、このような傾向を考慮した上で、2021年に最も価格が高騰した時計のトップ5をご紹介していく。   

価格上昇率の高かった腕時計 第1位: ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ

ヴァシュロン・コンスタンタンは、高級時計界の巨匠である。時計メーカーの”雲上ブランド”の1つとされるヴァシュロン・コンスタンタンは、歴史上最も素晴らしい時計をいくつも生み出してきた。260年以上の歴史を持つヴァシュロン・コンスタンタンは、世界で最も名高い時計メーカーの一つであるだけでなく、途切れることなく経営を続けている、最も古い会社でもあるのだ。長年にわたって多くの人々がヴァシュロン・コンスタンタンのさまざまな時計を賞賛してきたが、現行の製品で最も人気のあるモデルは、間違いなくヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズである。  

これは多くの興味深いデザインの時計に言えることだが、ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズも、厳しい市場環境に対する反応として生まれた。1970年代、オーデマ・ピゲは初のオールステンレス製高級スポーツウォッチであるロイヤルオークをリリースしたばかりだった。他の多くのブランドとともに、ヴァシュロンはこの新しい高級時計の表現に対抗しようとしていたわけだが、その答えとして生まれたのがヴァシュロン・コンスタンタン222であった。  

1990年代後半に入り、ヴァシュロン・コンスタンタンはオーヴァーシーズで222の精神を引き継いだ。ケースはより大きくなり、ベゼルはより構造的で工業的になった。それ以来、ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズは、現代の嗜好に合わせて改良を重ねてきた。しかし、2021年にこの時計の人気は爆発的に高まり、Chrono24のデータによると、その価格は平均51%も上昇した。おそらくこの急増は、他のブレスレット一体型のスチール製スポーツウォッチが入手困難で高価になったことや、ヴァシュロン自身が主要市場でのマーケティングや存在感を高めたことなど、複数の要因から生じたものと考えられる。  

価格上昇率の高かった腕時計第2位: オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク

1972年に発売されたオーデマ・ピゲ ロイヤルオークは、業界に大きな反響を呼んだ。当時はまだ貴金属に注目していた時計購買層に衝撃を与えたのだ。航海を想起させる工業的なデザイン、大型のケースサイズ、そして一体型のブレスレットなどを備えた時計の有名デザイナーであるジェラルド・ジェンタは、その後数十年この時計に影響を与えることになった。当初の評判はあまり良くなかったものの、すぐに人気を博し、その後は一進一退している。 

信じられないかもしれないが、少し前までは、その気になればオーデマ・ピゲのブティックでなくても時計販売店に足を運べば、自分の選んだオーデマ・ピゲ ロイヤルオークを手に入れることができたのだ。なんというワイルドなコンセプトだろうか。残念ながら、そのような時代は終わってしまったようだ。オーデマ・ピゲはそれ以来、小売モデル全体をすべて自社のブティックだけに優先的に集中させるように変更した。同時に、スチール製スポーツウォッチの需要が爆発的に増加し、価格がますます高騰した。そのため、オーデマ・ピゲ ロイヤルオークの二次市場での価格は、2021年だけでも60%まで飛躍的に上昇している。 

価格上昇率の高かった腕時計第3位: ショパール サンモリッツ

ショパール サンモリッツは、誰もが精通している時計ではないだろう。オーデマ・ピゲ ロイヤルオークのように、サンモリッツはモダンで高級感のあるスチール製のスポーツウォッチで、一体型のブレスレットを備えている。このモデルは、1980年に現ブランドの共同社長であるカール・フリードリッヒ・ショイフレ氏によって誕生した。当時の他のブレスレット一体型の高級スチール製スポーツウォッチがサンモリッツのデザインに影響を与えたのは確かだが、2021年にその人気が復活したのは単なる偶然ではない。  

2019年、ショパールはアルバイン イーグルという新しいコレクションをリリースした。この時計は、サンモリッツの精神的で美的な後継モデルである。企業が過去のタイムピースを復刻すると、初代モデルへの関心が著しく高まるようだ。これは、アンティークモデルの人気の発端となる不思議な現象だ。これは、投資の可能性をめぐる思惑、あるいはブランドの歴史を知りたいという純粋な欲求によるものであっても、その効果はかなり一貫している。ショパール サンモリッツについては、注目度が高まったことで、2021年の二次流通市場での価値が28%上昇した。  

価格上昇率の高かった腕時計第4位: ロレックス デイトナ

ロレックス デイトナは、ソーシャルメディアのほぼすべての時計アカウントで前面的に紹介される時計であり、世界中のロレックス正規販売店が毎日のように購入希望者に断らなければならない時計でもある。定評のある人気モデルであるにもかかわらず、現行のセラミック製のデイトナは2021年にその資産価値は38%上昇している。しかし、本当に驚いた人はいるだろうか?結局のところ、他のほぼすべてのスチール製のスポーツクロノグラフと比較されるクロノグラフなのだ。  

実際、スチール製のスポーツウォッチだけでなく、アンティーク時計への関心が高まっているのは、ロレックス デイトナのおかげとも言えるだろう。2017年にポール・ニューマンのデイトナRef.6239が2017年にオークションで約19億円以上で落札された際には、(一時的に) これまでに販売された腕時計の中で最も高価な時計となった。その瞬間は、ローマを燃やす火花のようなもので、皇帝ネロのバイオリンの代わりに小槌の音がコンコンと鳴り響いた。それ以来、時計市場は暴走する列車のように、販売記録は次々と打ち砕かれていった。  

価格上昇率の高かった腕時計第5位: パテック フィリップ アクアノート

長い間、パテック フィリップ アクアノートは、パテック フィリップファミリーの中で愛されない仲間はずれのような存在だった。最近まで、スチール製スポーツウォッチのパテックがハイプトレインに乗るとしたら、それはノーチラスのRef.5711だっただろう。5711とは、そう、1970年代に発売されたジェンタのもうひとつの、かすかに航海を思わせるスチール製スポーツウォッチである。しかし、2021年1月末に、パテック フィリップはノーチラス 5711の製造中止という、やや衝撃的かつ予想されていた、熱い議論を呼んだ決定を下した。  

この製造中止が起こったほぼその瞬間、5711の需要は地球近傍の軌道から太陽系外縁部へと向かい、その値段は日本円で8桁台をはるかに超えて通過した。同時に、パテックフィリップ アクアノートは、2018年と2019年に成功したいくつかのアップデートとラインナップの追加を経て、その勢いを増した。この有利なスタートを切ったことにより、モダンなアクアノートの価格は42%も急激に上昇した。しかし、価格が横ばいになる兆しを見せている他の人気時計とは異なり、アクアノートの価格は来年も何度も上昇すると予想するのが妥当だと思われる。  


記者紹介

Troy Barmore

私は幼い時から時計ファンでした。その熱中が始まったのは、兄のジラール ペルゴ クロノグラフを買うという目的のためだけに夏休みのアルバイトを引き受けた時です。それ以来、私の好みはヴィンテージ ツールウォッチや現代的な独立系ブランドにまで及んでいます。

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