2021年12月29日
 10 分

2022年、投資対象になりそうな高級時計5選

Jorg Weppelink
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高級時計に関するレビュー、チュートリアル、トーク、インタビューをもっと見たい場合は、Chrono24のYouTubeチャンネルをご覧ください。

高級時計は主に自分の手首に着けて楽しむもの。だが、この10年かそこらの間に、時計を投資対象としてみなし、そこで利益もあげたいという人が急速に増えてきている。高級機械式時計の世界は、どのモデルに投資すべきかを知っていれば、かなりの利益を得ることができるものではある。一般に、時計の投資に関しては2通りの方法がある。ひとつ目は、アンティークウォッチ専門家になり、価値を上げそうなクラシック時計について詳しい情報を持つこと。

モダンな投資対象の時計: ロレックスとオメガ

2つ目は、モダンなタイムピースの中で時と共に価値の上がりそうな時計を予測し、投資すること。投資人気ナンバーワンの時計ブランドといえば、間違いなくロレックスだ。もうひとつはオメガ。オメガのモデルで価格上昇の見込めそうなものを見つけるのは少々難しいが、オメガ スピードマスターとオメガ シーマスターには素晴らしい投資対象となるモデルもある。投資対象になりそうなロレックスとオメガのトップ5モデルについての記事もぜひ読んでいただきたい。

その他のトップ5ブランド

このリストのために、その他のブランドによる、素晴らしい投資対象となりそうな5本の時計を選んだ。しかし、自分の時計を投資の可能性だけで判断するのではなく、本当に自分が好きで、愛用したいと思うタイムピースを探し求めて欲しい。その理由のひとつは、時計でそれなりの利益を上げるには長い時間がかかるということ。そのうえ、大きな利益を得られるのかどうかという点について、保証はない。たとえ利益が出なかったとしても、少なくとも大好きな時計が手元にあるのなら良いではないか。では、早速見ていこう。

1. オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク ジャンボ Ref.15202ST

オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク Ref.15202ST

投資対象となりそうな時計リストの最初に来るのは、考えるまでもない。ジェラルド・ジェンタによるオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク ジャンボのステンレススチールバージョンは完全無欠の定番であり、史上最もアイコニックな時計のひとつである。過去数年間にわたって、このタイムピースの需要は爆発し、その結果、Ref.15202の価格はばかげた高さにまで上昇した。では、ステンレス製ロイヤルオーク ジャンボでさらに利益を上げられるのか?それは正しい疑問である。

今年これまでに、オーデマ・ピゲのCEOフランソワ-アンリ・ベナミアスは、2021年以降にRef.15202の生産を中止すると発表した。この決断の理由は、ロイヤルオークが2022年に生誕50周年を迎えるからであり、ベナミアス氏は貴金属製のロイヤルオーク ジャンボの新バージョンが来年お目見えするかもしれないとほのめかし、ステンレスバージョンに入り込む余地を与えなかった。ステンレスバージョンのロイヤルオーク ジャンボこそが最も人気の高いものであるため、この発表だけでも価格の急激な上昇につながりかねない。現時点での価格は、ホワイトダイヤルモデルは約680万円以上、より人気の高いブルーダイヤルモデルはおよそ850万円前後であるのを考えれば、このモデルが製造中止となったら、価格が1000万円以上となっても驚きではない。しかしその日が現実となるまでは、このリファレンスの価格がどのように推移するかは未知である。今のところ、Chrono24での価格は着実に上昇している。しかし前に述べたように、決して保証はない。このタイムピースについて唯一確かなことといえば、それは間違いなく素晴らしい時計を購入することになるということだけだ。

2. パテック フィリップ ノーチラス Ref. 5711/1A

パテック フィリップ ノーチラス Ref.5711/1A

オーデマ・ピゲ ロイヤルオークが考えるまでもないとしたら、お次の時計もまたかなり明白なチョイスだ。パテック フィリップが通常のステンレススチール製ノーチラス Ref.5711/1Aのブルーダイヤルモデルを製造中止すると発表したとき、価格は天文学的に急騰した。確かに、パテック フィリップは美しいグリーンダイヤルバージョンのステンレススチール製ノーチラスを発表し、これは1年後、つまり来年の早い段階でコレクションからなくなることになっている。パテック フィリップがアイコニックなジェンタウォッチ3つの2番目を廃盤としてしまうのは非常に残念なことであり、この決定は間違いなくパテック フィリップ ノーチラス 5711/1Aの価格に影響を与えることになるだろう。

ブルーダイヤルモデルのChrono24での現行価格は、約1360万円ほどからスタートしており、軽く2830万円にまでのぼる。2021年のグリーンダイヤルエディションは、それ以上に入手困難であり、価格は4530万円以上からスタートしているのだ。万が一パテック フィリップ ノーチラスが来年コレクションから姿を消したら、ノーチラスのブルーまたはホワイトダイヤルモデルの価格は、グリーンダイヤルのときと全く同じように、飛躍的に上昇するだろう。今のところ、価格上昇が止まる兆候は見られず、迫りくる生産中止のために、さらに価格上昇は続くだろうと見ている。

3. ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ 4500V

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ 4500V

オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク ジャンボとステンレススチール製パテック フィリップ ノーチラスが生産中止となる可能性があることを考えると、来年までには、1970年代からのオリジナルのジェンタによるデザインを持つ時計はどれも入手できなくなってしまうかもしれない。多くの人が長い間、ジェンタによるデザインだと信じてきた4番目の時計であるヴァシュロン・コンスタンタン 222は、実際にはデザイナー、ヨルグ・イゼックによる初期の作品のひとつだった。これが現在のヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズの原点となった時計である。パテック フィリップ、オーデマ・ピゲと共に、ヴァシュロン・コンスタンタンはいわゆるスイスの時計メーカー雲上御三家と呼ばれている。そうなると、素晴らしいモダンなステンレススチール製ラグジュアリースポーツウォッチを入手するのに頼れるのはこのブランドしかないではないか。

ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ 4500Vはパテック フィリップ ノーチラスとオーデマ・ピゲ ロイヤルオークの直接のライバルであり、過去数年の間に人気を高めてきている。この時計の価格は、現時点ではその伝説的なライバルたちに遠く及ばないが、それら2つの時計がもはや入手できないとなったら、この時計の価格が上昇することは予想できる。ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ 4500Vの現行の定価は266万2000円だが、正規販売店から入手するには辛抱強くならなければならない。Chrono24では、人気のブルーとブラックの文字盤のものは、およそ454万円前後からスタートし、624万円ほどにまでなる。この価格帯の一番低いあたりでこの時計を購入できれば、時と共に価値を上げていくだけの、素晴らしい時計に投資することになるだろう。

4. F.P. ジュルヌ エレガント 48

F.P.ジュルヌ エレガント 48

このリストの次の時計は、今年、大幅に価格を上げた。F.P.ジュルヌ エレガント 48の価格は2021年第2四半期に、なんと85%も上昇し、その後の数ヶ月も上昇は続いたのだ。私は以前に、F.P.ジュルヌに関する長い記事を書き、この会社とこの時計が非常に特別な理由を詳細に説明した。まず、このブランドの並外れた特質は、ただひたすら、その創設者であるフランソワ・ポール・ジュルヌの素晴らしさによるものである。ジュルヌはただ時計を作るのではなく、その類稀なスキルを用いて時計作りにおける実際の問題を解決してしまうのだ。そして増え続けるファンたちは、この時計作りに対するユニークなアプローチを正しく理解・評価するようになってきている。

F.P.ジュルヌ エレガント 48は、具体的には、クオーツ式時計の限られた電池寿命という問題を解決している。このタイムピースの文字盤には動作検知器が搭載されており、時計が使用されているかどうかを認識する。35分間時計が動いていないと、省エネの「スリープ」モードに入り、マイクロプロセッサーが時間を刻み続ける。再び時計を手に取ると、時計は使用されていることを感知し、針は自動的に現在の時刻にリセットされる。結果として、電池寿命は最長18年間にまで伸びた。

この時計の需要はいまだ非常に高く、6つの異なるコレクション全てで年間800本のみ生産されていることを考慮に入れると、この時計の販売本数は多くない。現在では価格はおよそ625万円から795万円ほど。生産本数の少なさを考えると、このユニークな時計の価格は近い将来に上昇することが予想される。

5. チャペック アンタークティック テール・アデリー

チャペック アンタークティック テール・アデリー

このリストの最後を飾るのは、小規模な独立ブランドの時計である。チャペックは過去数年の間に発表した驚異的なタイムピースのために、かなり有名になった。このブランドは輝かしいチャペックという名を冠している。パテック フィリップのファンはこの名前に聞き覚えがあるかもしれない。フランソワ・チャペックとアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックは1839年、パテック・チャペック社を設立した。2人が別々の道を行くことになった後、1865年にチャペックという名前は謎の消失を遂げる。2012年、この伝説のブランドは再び時計史に姿を現し、2015年に公式に復活した。それ以来、業界から高い敬意を集める高級タイムピースを生み出している。

2020年、チャペックは、初めての一体型ブレスレットを持つモダンなステンレス製ラグジュアリースポーツウォッチを製造した。チャペック アンタークティック テール・アデリーは即座にヒットし、批評家たちから絶賛された。同社は4つの異なるカラーの文字盤バージョンを99本限定で生産し、その価格は1本225万円ほどだった。4色全てがわずか数日で完売となり、同社はアンタークティックコレクションの次なるモデル、パサージュ・ドゥ・ドレークを発表した。しかし、チャペックの素晴らしさを完璧に体現する優れた自社製ムーブメントを持つ見事なデザインのスポーツウォッチは、オリジナルのアンタークティック テール・アデリーの方であり、このモデルの人気が時と共に非常に高くなることは間違いない。アンタークティック テール・アデリーモデルの価格は283万円前後から455万円ほどであり、私はこの価格はそのうちに上昇すると踏んでいる。私に予算があったら、この時計こそが私のチョイスだろう。それは将来的に価値が上昇するだろうからというだけでなく、この時計が簡単に言って、最高の時計だからである。

というわけで、これが私たちが選んだ素晴らしい投資対象になりそうな高級時計5本である。それでは、あとはクレジットカードを手元に、良い時計に出会えることを願っている。


記者紹介

Jorg Weppelink

こんにちは、ヨルグです。2016年からChrono24で記者として執筆しています。しかし、Chrono24との関係はそれ以前からあって、時計好きになったのは2003年頃からです。私の友人 …

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